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【結果・レポート】JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦・1部第12節

2025/09/22


 『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第12節は、9月20日(土)に5試合、21日(日)に1試合が行われた。

 7月上旬の延期試合から約3ケ月半の間中断していた『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』。久々の再開となった第12節は6試合中半分にあたる3試合がドローとなり、後半戦もますますの混戦が予想される結果となった。


 リーグ戦を首位で折り返した国士舘大学は5位の日本大学をホームに迎えて対戦。試合は立ち上がりから国士大が主導権を握るが、先手を取ったのは日大だった。序盤の14分、浅野良啓が左サイドをオーバーラップ。すると浅野からのパスを受けた関日向多がボックス内で倒されてペナルティーキックを獲得。16分、これを浦和内定の植木颯が沈めて先制点を挙げる。だがその1分後、国士大は井野佑優のコーナーキックを得点ランキングトップの本間凜が頭で合わせて同点に追いつく。だが、後半に入ると日大は攻めあぐねる国士大の裏をついてゴールを狙う。国士大は60分にアシストランキングトップの田中祉同と、熊本内定の吉岡優希を投入。試合の流れを引き寄せようとするが、ゴールネットを揺らしたのはまたもや日大だった。72分、日大は矢越幹都からのスルーパスを受けた関が、相手DFを抜き去り中盤から一気にペナルティーエリアへと侵入。そのままGKとの一対一を冷静にかわしてシュートを突き刺す。得点ランク2位の平尾勇人を「先方のたっての願いで」(日大・川津博一監督)特別指定選手として東京ヴェルディに預けたままにしている日大だが、関が2得点に絡む活躍で首位・国士大から2度目のリードを奪った。しかし、その後の国士大の対応も早かった。直後の73分にFWの村上竜規をピッチに送り出すと、その3分後の76分、その村上がペナルティーエリア近くで相手のパスミスからボールを奪取。相手DFをかわすとそのままミドルシュートを決め、すぐさま試合を振り出しに戻した。その後は日大も次々と新しい選手を入れて巻き返しを狙うが、両チーム追加点のないまま2-2で試合終了。
 ともに勝点1を積み上げ、現在の順位をキープした両チーム。しかしながら2位・筑波大学が勝利したため、首位・国士大と2位・筑波大の差はわずかに1ポイントとなった。




 先ほど閉幕した総理大臣杯で優勝し、冬・夏の全国大会連覇を果たした6位・東洋大学。全国王者として戦う初のリーグ戦は、勝点1差の7位・東京国際大学との直接対決となった。試合は立ち上がりからホームの東国大がアグレッシブに攻撃を展開する。序盤の9分、松井イライジャ博登が左サイドからクロスを入れて好機を演出。ゴール前が混戦となったところを小西利空が蹴り込んで東国大が先制する。東国大は16分にもショートコーナーからチャンスを作ると、相手のクリアボールを濵﨑聡馬がダイレクトボレーで突き刺して追加点。東国大が2点をリードして前半を終えた。前半はシュート0本と厳しい状況の東洋大を救ったのは、総理大臣杯でも活躍したルーキーの香取武だった。まずは後半早々の49分、荒井涼の右からのクロスに香取が頭で合わせて1点を返す。その6分後の55分には、ペナルティーエリアに侵入した湯之前匡央がすかさず横パス。髙橋輝がスルーしたボールを香取が合わせてゴール。東洋大があっという間に追いついた。だが、その後は両チームゴールを割ることなく2-2でドロー決着。勝点1を積み重ねて東洋大は6位をキープしたものの、東国大は得失点差の関係で8位に後退した。

 1部残留のためには残り試合での黒星は許されない12位・慶應義塾大学と、こちらも逆転優勝を狙うためには勝ち続けるしかない4位・明治大学の対戦。ともに慎重な入りとなった前半は無得点のまま終了し、スコアが動いたのは後半開始直後のことだった。49分、明大は稲垣篤志がゴール前に入れたボールを高足善が落とすと、最後は真鍋隼虎が左足ボレーで叩き込む。先制点を挙げ勢いにのる明大はその後も何度となくチャンスを作るが再び慶應のゴールを割ることができないまま試合は終盤へ。すると89分、慶大は角田惠風のハーフウェーライン付近からのスルーパスに村井亮友が反応。ボックス内で折り返すと、辻野悠河が左足で合わせて同点に追いつく。慶大が終了間際の劇的なゴールで追いつき、試合は1-1で終了。勝点を10に伸ばした慶大は順位こそ変わらないものの、11位・東海大学と勝点で並び、降格圏外を射程圏内に捉えた。一方、終了間際の失点で勝点2を失った明大も、3位・日本体育大学が敗れたことでその差を”2”に縮めた。



 自動降格圏に沈む11位の桐蔭横浜大学は、『「アミノバイタル®」カップ』王者の8位・流通経済大学とアウェーで対戦。両チームの勝点差は2。試合は、勝てば降格圏脱出の可能性のある桐蔭大が先制点を挙げる。11分、相手DFのクリアボールを拾ったンワディケ ウチェ ブライアン 世雄がボールを収め、冷静にコースを狙ってシュート。『AFC U23アジアカップ予選』での活躍も記憶に新しいンワディケの得点で桐蔭大が先制する。だが流経大も26分、最終ラインからのロングキックでチャンスを作ると、こちらも相手DFのこぼれ球を西川楓人が叩き込んで同点に追いついた。一進一退の攻防戦は後半に入っても動かなかったが、桐蔭大は60分にコーナーキックを獲得。池田柚生のキックをンワディケが頭で折り返し、それを飯島大地が蹴り込んで追加点。桐蔭大が再びリードを奪った。1点を追う流経大はすぐにスーパールーキーの山野春太を投入。反撃態勢を取るが桐蔭大の守備を破ることができない。アディショナルタイムの90+5分には奈須琉世が2枚目の警告で退場となり、決定機を欠いたまま1-2でタイムアップ。勝利した桐蔭大は勝点を12に伸ばし11位から降格圏外の9位にジャンプアップ。反対に敗れた流経大は10位へと後退した。



 残る2試合は、いずれも終了間際に勝敗が決まる劇的な展開となった。

 首位を勝点3差で追う2位の筑波大学と、降格圏が勝点1差に迫る9位・東海大学の試合は東海大が幸先のよいスタートを切った。12分、東海大は磐田内定・松橋啓太のロングスローを大戸太陽が頭でそらし、最後は栃木SC内定の堤陽輝が押し込んで先制。対する筑波大はなかなかシュートまで持ち込めず、東海大リードのまま後半を迎えた。後半は筑波大、東海大ともに攻撃のギアを上げ、60分には筑波大のコーナーキックからゴール前が混戦となり、こぼれ球を池谷銀姿郎がダイレクトで蹴り込んで同点に。その後は両チーム攻めあぐね、ドロー決着かと思われた終了間際の89分にスコアが動く。筑波大は左サイドから攻撃を仕掛けると、山崎太新がペナルティーエリアのすぐ左からグラウンダーの鋭いクロスを入れる。これをフリーで前線に上がってきた矢田龍之介が豪快に突き刺して追加点。筑波大が土壇場で逆転に成功し2-1で勝利。首位・国士舘大学に勝点1差に迫った。一方、敗れた東海大は自動降格圏の11位に後退。最下位の慶應義塾大学と勝点で並ぶこととなった。

 唯一、21日(日)に開催された10位・中央大学と3位・日本体育大学の試合もまた、終了間際の劇的なゴールで勝負が決まった。前半は両チーム激しいボールの奪い合いとなり、なかなかシュートまで持ち込めず。前半終了間際には中大の中心選手、川崎内定の持山匡佑が怪我で交代するトラブルも。しかし「交代選手がギアを上げてくれた」(中大・宮沢正史監督)の言葉どおり、代わりに入った新鉄兵が攻撃を仕掛け、試合の流れは次第に中大に。77分に北浜琉星、淵上涼太のふたりがピッチに送り出されると「彼らがボールを運んで、サイドからチャンスを作ってくれた」(同監督)。だが、日体大の粘り強い守りをどうしても崩しきれない。両チーム無得点のまま試合はアディショナルタイムに突入。スコアレスドローで終わるかと思われた90+2分、ついにスコアが動く。中大はスローインを起点に新、牧嶋波亜斗、武本射雅とパスをつなぐと、武本のスルーパスを受けた淵上がペナルティーエリア内まで一気に疾走。切り替えして浮き球のマイナスのパスを入れると、これを北本が収め、相手DFのマークを受けながらも左足を振り抜いてシュート。土壇場に決めたこのゴールが決勝点となり、中大が1-0で勝利。第5節以来、実に7試合ぶりとなる貴重な白星を挙げた。
 前日の試合で11位の桐蔭横浜大学が勝利し、12位の慶應義塾大学も勝点1を得ていただけに「選手には、今日の試合に勝てば逆に(順位が上に)上がれる、という話はした」と宮沢監督。その言葉どおり、降格圏の10位から7位へと大きくジャンプアップ。夏の全国大会・総理大臣杯ではベスト8敗退となったが、優勝した東洋大学と接戦を繰り広げたことで「我々も(優勝チームに)近い存在になっている。自信になったし、夏にやってきたことを今日出せたのではないかと思う」。連勝すれば1部残留争いから抜け出せる可能性もあるだけに「次の慶應義塾大学戦が大事になってくる。そのためにも、いい1週間にしたい」と気を引き締めた。




 国士舘大学が勝点1差で首位をキープしているものの、上位6チームの中で白星を挙げたのは2位の筑波大学のみという状況になった。3位・日本体育大学以外の4チームはすべて引き分けたということもあり上位グループの順位変動はなし。一方、下位グループの順位は大きく動いた。降格圏に沈む10位・中央大学と11位・桐蔭横浜大学がともに勝利し、それぞれ7位と9位にジャンプアップ。降格圏脱出に成功した。代わりに東海大学が11位、流通経済大学が10位に沈むことに。とはいえ、7位から12位までの勝点差はわずかに1ゲーム。次節の結果次第では、また大きく順位が変動するだろう。次節の第13節では2位・筑波大と3位・日体大が直接対決。現在勝点5差となっているが、このまま筑波大が3位以下を突き放すのか、それとも日体大が優勝戦線に食らいつくのか注目の一戦だ。


※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。


1部リーグ第12節 全結果・順位表


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