6月中旬から中断していた『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』がついに再開。3部リーグ第12節は、9月20日(土)に3試合、21日(日)に3試合が行われた。
折り返し地点を迎え大混戦の3部リーグは、城西大学、明治学院大学、青山学院大学上位3チームが勝点20で並び、4位の共栄大学は1差の勝点19。5位から7位までの3チームが勝点18となり、1位から7位までが勝点2差内にひしめきあっている。しかしリーグ後半戦の初戦となる第12節では、上位3チームと4位以下の明暗が分かれる結果となった。
得失点差で首位に立つ城西大学はアウェーで6位・作新学院大学と対戦。順位こそ離れているが、両チームの勝点差はわずかに2。上位進出のためにもよいスタートを切りたい作新大は、立ち上がりから積極的に攻撃を展開して城西大ゴールを狙う。だが序盤の12分にハンドの判定を受けてペナルティーキックを献上。城西大は、これを得点ランキングトップで宮崎内定の佐藤遼が冷静に沈めて先制する。だが城西大はなかなか攻撃のリズムをつかめず、30分過ぎにDFの坂本海凪太がセットプレー時に負傷。交代を余儀なくされるアクシデントに見舞われるが、1点リードのまま試合を折り返した。後半に入ると城西大は攻撃のギアを上げるべく、58分に杉本悠と田口聖のふたりを同時に投入。するとその直後の59分、城西大はカウンターからチャンスを作りゴール前の佐藤にパス。佐藤は振り向きざまのシュートをゴールに叩き込んで追加点。リードを2点差に広げた。その後は作新大も猛攻を仕掛けるがゴールを割るまでには至らず0-2のまま試合終了。苦しい展開ながらもエース・佐藤が挙げた2点を守り切った城西大が勝点3を積み上げて首位の座を守った。
首位と同勝点の3位・青山学院大学と8位・中央学院大学の試合は、アウェーの青学大がその攻撃力をいかんなく発揮。大量得点で中院大を下した。先制点は36分。青学大はゴールキックを起点にボールをつなぐと、森夲空斗が左サイドにボールを展開。これを受けた高橋悠が鋭いシュートを突き刺してゴールネットを揺らす。青学大は前半終了間際の45+2分にも、木村匠汰のロングスローを森本が頭で合わせて追加点。2点をリードして迎えた後半早々の47分にも金子星太がヘディングシュートを決めて0-3に。中院大を大きく突き放した。対する中院大は51分、ボックス内で上野光永が倒されてペナルティーキックを獲得。キッカーは上野自身。だが上野のシュートは枠を大きく外れて中院大は絶好のチャンスを逸してしまう。しかしその5分後の56分、上野はDF杵渕充玖のロングパスに抜け出し、左足を振り抜いて今度こそゴール。中院大が1点を返すが、69分には青学大の木村が鮮やかなロングシュートをゴール右隅に決めて再びリードを3点差に。さらに82分、金子のコーナーキックを木村が頭で合わせて青学大が5点目を挙げ、1-5で試合終了。青学大が木村の2ゴール1アシストの活躍で快勝し、城西大との得失点差を2点に詰めて2位に順位を上げた。
同じく首位と同勝点の2位・明治学院大学はアウェーで5位・専修大学と対戦。こちらも両チームの勝点差は2と、結果次第では順位をひっくり返せる状況だ。スコアが動いたのは序盤の8分。専大・仲本隼翔がペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得。これを仲本自身が沈めてホームの専大が先制点を挙げる。その後も試合は専大が主導権を握るが、明学大を攻めあぐね追加点にまでは至らない。後半に入ると次第に明学大がボールを奪い攻撃を展開。そこで専大は56分に橋本燦、関谷輝、松本皐誠の3人をいっぺんに投入するなどして試合の流れを変えようとする。対する明学大も58分に高良希生をピッチに送り出すと、この交代起用がズバリ的中。69分、明学大は高良の左コーナーキックに村井創哉が頭で合わせて同点に追いつくと、その1分後には渡辺創太のパスを受けた高良が鋭いシュートを突き刺す。交代出場・高良の活躍で、明学大があっという間に2点を奪い逆転に成功する。専大もその後、何度となく明学大ゴールを狙うが決めきれず1-2でタイムアップ。得失点差の関係で3位になったものの、逆転勝利を収めた明学大が"勝点23"の首位グループの位置をキープした。
首位グループとは勝点1差の4位・共栄大学と9位・東京経済大学の試合は、ともに激しくボールを奪い合う展開に。共栄大が積極的に東経大ゴールに攻め込む一方、東経大も得点機を作るが両チーム最後までゴールを割れずスコアレスドローに。共栄大は前後半で27本ものシュートを放ちながらも無得点に終わり、4位は変わらないながらも首位グループとの差が1ゲームに開いた。
一方、残留争いを繰り広げる9位から12位までの4チームには変動があった。
勝点10で並ぶ10位・亜細亜大学と11位・東京学芸大学の直接対決は、ともに慎重な立ち上がりから試合は膠着状態に。両チーム無得点のまま試合を折り返すと、60分過ぎからは双方選手交代で試合の流れを変えようとする。そんな中、均衡が破られたのは73分。亜大は東学大のルーズなパス回しを見逃さず、厳しいプレスをかけてボールを奪取。前線に持ち上がると、重信有佑がエンドラインギリギリで折り返したパスを小池莉玖が冷静に押し込んで先制点を挙げる。亜大はこの1点を最後まで守り切って試合終了。ウノゼロ勝利を収めた亜大が勝点を13に伸ばして降格圏外の9位に順位を上げた。
リーグ前半戦を終えて戦績は3分8敗。12チーム中唯一白星がなく最下位に沈む国際武道大学が、ついに待望の初勝利を挙げた。7位・立教大学をホームに迎えての試合は、両チームなかなかシュートまで持ち込めない展開に。0-0で迎えた後半は立教大がアグレッシブに攻撃を仕掛け、交代出場の選手たちも何度となく国武大陣内に迫るがどうしてもゴールを割ることができない。対する国武大も決定機を作れず、スコアレスドローに終わるかと思われた。しかし終了間際の89分、国武大は立教大のクリアボールを板倉幹汰がヘディングでカット。それを岡田理央斗が頭でゴール前に入れると、前線に上がってきた佐藤麟斗がキープしドリブルで突破。GKとの一対一を制して流し込み、国武大が先制点を挙げる。残る時間はアディショナルタイムのみ。国武大は約6分のアディショナルタイムの間も先制点を守り切り、1-0でタイムアップ。リーグ後半戦のスタートなるこの試合で、ついに待望の初勝利を挙げた。
ついに再開した『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』だが、後半戦の初戦となる今節での順位変動はわずか。得失点差による青山学院大学と明治学院大学の2位・3位の入れ替わり、そして亜細亜大学と東京経済大学の9位・10位の入れ替わりだけだ。一方、同勝点で並ぶ1位から3位までの首位グループがそろって勝利し、5位から8位までの4チームが敗れて首位グループとは大きく勝点差が開くことに。スコアレスドローに終わった共栄大学がかろうじて1ゲーム差につけているものの、5位以下は勝点5差に突き放された。このまま上位3チームが三つ巴の優勝争いの突入するのか、それとも巻き返しを図るチームが出てくるのか。次節、第13節は首位・城西大学と2位・青学大の首位攻防戦もあるだけに、4位以下にもまだまだチャンスはありそうだ。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。
3部リーグ第12節 全結果・順位表