『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第17節は、10月19日(日)に全6試合が行われた。
第11節以来首位に立ち続けていた法政大学が、2位に転落した。前節、5位の神奈川大学に黒星を喫した法大は、今節の"八王子ダービー"で6位・拓殖大学に2失点。終了間際に1点を返したものの追いつけず、2連敗を喫した。一方、9位の國學院大學と対戦した2位・駒澤大学は、先制点を最後まで守り切ってウノゼロ勝利。また3位・早稲田大学は7位・関東学院大学に追いつかれるものの、アディショナルタイムの劇的なゴールで勝ち越し、2-1で勝利。この結果、駒大が第2節以来となる首位となり、勝点2差で2位・法大と3位・早大が並ぶこととなった。法大と早大の差は得失点差わずかに1。一時は法大が頭ひとつ抜け出したかと思われたが、ここに来て首位から3位までが大混戦となった。
勝点差1刻みの4位から6位も順位が変動した。4位・産業能率大学は11位・山梨学院大学と1-1で引き分け、5位・神奈川大学も12位・東京農業大学とスコアレスドローに。一方、拓大は法大に勝利したため、拓大が6位から4位にジャンプアップ。産能大が5位、神大が6位に順位を落とした。とはいえ拓大と産能大は同勝点で並び、6位・神大は勝点1差と、依然として僅差で3チームが競っている状況は変わりない。また8位・立正大学は10位・順天堂大学に5-1と大勝し7位に浮上。代わって早大に敗れた7位・関東大が8位に後退した。
次節・第18節は10月25日(土)に2試合、26日(日)に4試合が行われる。勝点2差内で熾烈な戦いを繰り広げる駒大、法政、早大が、第18節ではどのような結果を残すのか。9位・順大と10位・山学大の直接対決にも要注目だ。
2部リーグ第17節 全結果・順位表
マッチレポート
首位・法政大学がまさかの2連敗を喫した。法大と6位・拓殖大学の"八王子ダービー"は、立ち上がりから激しいボールの奪い合いとなった。ともに相手ゴールに迫りチャンスを作るが、先手を取ったのは拓大。40分、拓大は土谷飛雅がハーフウェーライン手前から放ったロングパスに松村拓実が反応。鮮やかなトラップから横パスを入れると、これを和田力也が滑り込みながらも右足で合わせてゴールネットを揺らす。ビハインドを負った法大はハーフタイムに小池直矢と清水内定の大畑凜生を投入して中盤からの攻撃を強化するが、どうしても拓大のゴールを割ることができない。対する拓大は79分、スローインを起点に左サイドを崩すと、松村とのコンビネーションプレーで抜け出した小泉龍之介が左足を振り抜いて追加点。拓大が2-0とリードを広げた。法大も終了間際の89分に、途中出場の田中恵大がドリブルで中央突破。いったんボールを小湊絆に預けてゴール前に抜け出すと、小湊からのパスを受けてシュート。1点を返すが、法大の反撃はここまで。同点に追いつくことはできず、2-1で拓大が逃げ切った。松村が2得点に絡む形で2連勝を収めた拓大は、6位から4位に浮上。また松村も得点、アシスト双方のランキングでトップに。一方、2連敗の法大はついに首位から転落することとなった。
首位・法政大学の試合と同時刻に行われていたのが、3位・早稲田大学と7位・関東学院大学の試合だ。試合は立ち上がり、関東大がアグレッシブな攻撃で早大を圧倒。しかし早大も徐々に主導権を奪い返し、前半アディショナルタイムにゴール前に抜け出した伊藤猛志がGKに倒されてペナルティーキックを獲得。これを伊藤自身がきっちりと決めて早大が先制する。しかし関東大も後半の立ち上がりから攻勢を強め、56分には野嶋圭人が早大のルーズなパス回しからボールを奪取。そのまま一気にドリブルで突破すると、ペナルティーエリア手前から左足のミドルを決めて試合を振り出しに戻した。早大はその後、積極的な選手交代で試合の流れを引き寄せるが、ゴールを決めきることができない。このまま引き分けで終わるかと思われたが、アディショナルタイムに突入直後の90+2分にスコアが動く。早大は佐久間真寛が放ったアーリークロスに本保奏希が収め、左サイドからペナルティーエリアにカットイン。マイナスのパスを入れると、これを森田大智が収め、冷静に左足のシュートをゴール右隅に突き刺した。試合はほどなくしてタイムアップ。途中出場の3人が絡む土壇場の決勝点で早大が勝利を収め2連勝。2位・駒大が勝利したため順位アップとはならなかったが、首位とは勝点2差、そして2位・法大とは同勝点で得失点差1とわずかな差に迫った。
3位・駒澤大学はアウェーで9位・國學院大學と対戦。今節唯一のナイター開催となったこの試合は、首位・法政大学が敗れ、3位・早稲田大学が敗れたため上位グループの動向を決める注目の一戦となった。前半は、降格圏に沈むホームの國學大が優位に試合を進めるが、駒大の堅固な守備を崩しきれない。対する駒大は立ち上がりこそ慎重な入りとなったが、徐々にチャンスを作り前半終了間際の45分に石川大也がゴール前の跳ね返りをボレーで突き刺す。ルーキー・石川の今季5得点目で駒大が先制して試合を折り返した。後半は渡邉幸汰を中心に駒大が國學大ゴールを攻めるが、追加点まで至らず。しかし國學大も同点に追いつくことができず0-1で試合終了。リーグ戦後半負け無しの駒大が第2節以来となる首位の座に立った。
4位・産業能率大学は11位の山梨学院大学と対戦。スコアは後半に動いた。前半、試合を優位に進めながらも無得点で後半を迎えたホーム・産能大だったが、序盤の57分に土岐泰斗が左に展開したパスを池松聖那が受けゴール前にクロスを入れる。これはタイミングが合わなかったものの、右サイドに流れたボールを前線に上がってきた山口諒真がダイビングヘッド。産能大が先制点を挙げるが、山学大もその3分後、片岡空良がペナルティーエリア内でボールをキープし、すかさず池田悠夢にパス。これを受けた池田はボックス左隅から強烈なミドルシュートを放ち、同点に追いつく。しかし、その後は両チーム決定機を決めきれず1-1のまま試合終了。勝点1を分け合った。この結果、産能大は順位をひとつ落として5位に後退した。
前節、首位・法政大学を破る大金星を挙げた5位・神奈川大学だったが、12位・東京農業大学との試合では主導権を握りながらもゴールまでは至らない。後半は東農大もチャンスを作り、膠着状態となったがどちらも局面を打開できず0-0のまま試合終了。スコアレスドローでの痛み分けとなった。神大は勝点1差の6位・拓殖大学が勝利したこともあり、順位をひとつ下げて6位となった。
降格圏が近づく8位・立正大学は降格圏に沈む10位・順天堂大学と対戦。試合は立ち上がりからホームの立正大が主導権を握り、順大ゴールを脅かす。序盤の9分には、順大GKのパスミスを古川結翔がカット。ペナルティーエリアの左から折り返すと、ゴール前に上がってきた寺田海成が右足で合わせて立正大が先制点を挙げる。対する順大も23分、松本琉雅が左サイドをドリブルで突破。そのままペナルティーエリアに侵入すると齊藤慈斗にパス。齊藤がゴール前に入れたボールを竹腰智也が冷静にトラップして収めると、豪快なシュートを突き刺して順大が同点に追いつく。振り出しに戻った試合はしかし、コーナーキックの流れから古川結翔がゴール前で倒され立正大がペナルティーキックを獲得。30分、これを藤枝内定の中村優斗が沈めて立正大が再びリードを奪う。後半に入っても立正大が試合を優位に進め、62分には中村の左からのクロスに古川が頭で合わせ3点目。その2分後にも中村が左サイドでボールを奪い逆サイドの武藤尋斗にパス。ペナルティーエリアの外から上げたクロスを途中出場の阿部日夏太が頭で押し込みゴール。立正大が1-4と順大を突き放した。試合の流れを変えたい順大は失点直後の67分に田邉海斗と田口輝一のふたりを同時投入。77分には山﨑湘太、84分に川口敦史と次々にフレッシュな選手をピッチに送り出す。しかし85分、交代してわずか1分の原壮志が中盤でボールを受けると猛然とドリブル突破。ゴール前まで持ち上がると、ゴール右隅にシュートを流し込んでダメ押しの5点目を決めた。終わってみれば1-5と立正大が圧勝。この勝利で立正大は7位に浮上。降格圏とは2ゲーム差に開いた。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。