『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第18節は10月25日(土)に2試合、10月26日(日)に4試合が行われた。
前節、首位に立った駒澤大学は後半に挙げた1点を守り切り、7位・立正大学を下して首位をキープ。3位の早稲田大学も2-0で12位・東京農業大学に勝利を収めた。一方、2連敗中の2位・法政大学は5位・産業能率大学に先制点を奪われるも、アディショナルタイムのゴールでドロー決着。辛うじて追いついたものの、3戦連続で勝利から遠ざかりついに3位へと転落。首位との差は勝点4。2位・早大とも勝点2差が開く結果となった。
勝点1差の4位・拓殖大学と6位・神奈川大学の対戦は、前半のうちに3点を先取した神大が、後半の拓大の猛追を振り切って3-2で勝利。神大は無敗記録を12に伸ばした。5位・産能大が引き分けに終わったため4位に神大が浮上。勝点差1刻みで5位・産能大、6位に拓大と4位~6位は日替わりで順位が変わる接戦となっている。また8位・関東学院大学は9位の國學院大學に3-1で逆転勝利を収め、立正大学の勝点を1ポイント上回り7位に。駒大に敗れた立正大は6位に順位を落とした。
2部残留争いでは、10位・順天堂大学と11位・山梨学院大学の試合がスコアレスドローに。ともの勝点1を積み重ねた結果、順大は國學大と勝点17で並ぶことに。得失点差で上回った順大が10位に順位を上げたが、8位・立正大とは2ゲーム差が離れており降格圏脱出は厳しい状況だ。また、最下位・東農大の最終順位が降格圏内であることが確定し3部自動降格も"待ったなし"の状態に。次節の結果次第では3部への自動降格が決まる。
次節は中2日、中3日の平日開催となり、10月30日(木)に全6試合が行われる。第19節では勝点2差の首位・駒澤大学と2位・早稲田大学が激突。駒大が勝てば早大との差が5ポイントに広がり、優勝に向けて大きく有利な状況に。一方、早大は首位を奪還するまたとないチャンスとなる。このシックスポイントマッチが優勝戦線にどのような影響を及ぼすのか。勝っても負けても残るは4試合。どのチームにとっても大一番の試合が続く。
2部リーグ第18節 全結果・順位表
マッチレポート
前節の結果、首位に勝点2差に迫った3位・早稲田大学は、2部残留に待ったなしの状態となっている12位・東京農業大学と対戦。首位・駒澤大学、2位・法政大学より1日早く行われたこの試合は、早大にとってライバルたちにプレッシャーを与えられる絶好の機会となる。立ち上がりから優位に試合を進め、何度となく東農大ゴールに迫る早大だったが、得点までは至らず0-0で試合を折り返した。突破口を探す早大はハーフタイム、久米遥太に代えて鳥取内定・本保奏希を投入。するとこの起用が的中し、早々に試合が動き始める。後半序盤の55分、早大は細かくパスをつないで前線にボールを運ぶと、伊藤稜介から左サイドの本保にボールを展開。本保がゴール前に入れたクロスを森田大智がダイビングヘッドで押し込み早大が待望の先制点を挙げる。その後は両チーム、選手を次々と入れ替えて流れを引き寄せようとするが、交代起用が奏功したのはまたもや早大だった。75分、早大・伊藤が放ったフリーキックは東農大に防がれるものの弾かれたボールを拾った本保がシュート。これは途中出場・佐久間真寛に当たるが、佐久間がすかさず体勢を入れ替えてシュートを流し込む。その後も早大は主導権を握り続け、危なげなく0-2で試合終了。これで3連勝となった早大が勝点3を積み上げて翌日の駒大、法大の結果を待つこととなった。一方、完敗を喫した東農の2部残留は、次節で引き分け以上の結果が必須。勝利しても上位の結果次第では3部降格が確定する厳しい状況となった。
前節に連敗を喫し、ついに首位から陥落した2位・法政大学。ここ3戦負け無しと調子を上げている5位・産業能率大学との試合は、一進一退の拮抗した展開に。両チーム無得点のまま折り返すかと思われたが、前半終了間際の45+1分、産能大・保竹駿斗がハーフウェーライン付近でボールを奪うとそのまま持ち上がり、30メートル超のロングシュートを放つ。ボールはGKの頭上を越えてネットに突き刺さり、ホーム・産能大が先制して前半を終えた。ビハインドを負った法大は後半に入ると次々と交代選手をピッチに送り出すが、試合の流れは産能大に傾いたまま。試合はアディショナルタイムに突入。産能大がこのまま逃げ切り、法大が3連敗かと思われた。だが90+3分、法大はGK寺田周太がゴール前にロングキックを放つと、ワンバウンドしたボールを清水内定・大畑凜生が強烈なボレー。土壇場で法大が同点に追いつき3連敗を免れた。勝点1を積み上げた両チームだが、前日の試合で同勝点の3位・早稲田大学が勝利しているため法大は2位から3位に後退した。
前節に第2節以来となる首位を奪還したものの、勝点2差の3位・早稲田大学が勝利したことで首位を奪われる可能性も出てきた駒澤大学。7位・立正大学をホームに迎えての試合は、双方慎重な入りとなり前半は大きな動きなく0-0で折り返した。後半に入ると駒大は攻勢を強め、63分に左コーナーキックを獲得。木村匡吾がゴール前に入れたキックは立正大DFに弾かれるものの、こぼれ球を亀井大和が再びゴール前に入れると、三浦翔遼人が頭で合わせて駒大が先制する。試合はその後も駒大が優位に進め、立正大の攻撃を防ぎきって1-0のクリーンシート。後半戦負け無しの駒大は3連勝で首位の座を守り、2位・早大との勝点2差もキープした。
勝点1差内でせめぎ合う4位・5位・6位の3チーム。今節は勝点1差の4位・拓殖大学と6位・神奈川大学が直接対決。後半戦だけで19得点を叩き出し、総得点では12チーム中トップの拓大と11戦負け無しの神大。2部リーグきっての"ほこたて"対決は、立ち上がりこそ拓大がボールを握るものの、すぐに神大が主導権を奪い返す。神大は序盤の10分、山本颯太が倒されてペナルティーキックを獲得。山本自身がこれを決めて先制すると、30分には安原太洋の右コーナーキックを福島内定・藤田仁朗がペナルティーエリア外からダイレクトシュート。これはゴール前で弾かれるものの、こぼれ球を拾った藤田が強烈な左足のミドルを突き刺して追加点。さらに42分、神大は海貝俊輔が仕掛けたショートカウンターに山本が反応。前に出てきたGKの頭上を越すループシュートを決めて3-0とリードを広げた。対する拓大は、ボールを保持し攻撃の形を作ることはできるものの決定機を作らせてもらえず前半のシュートは0。だが、後半は状況が一転。3点のビハインドを負った拓大が反撃に出る。拓大は前半終了間際の45分、G大阪内定の吉原優輝を投入。すると拓大は神大のゴールを脅かし始め、59分にはその吉原が左サイドから中央にドリブル突破。マイナスのパスを入れると、これを受けた松村拓実が放ったミドルシュートはワンバウンドしてゴールネットを揺らした。拓大はその後も積極的に攻め続け、79分には右サイドでフリーキックを獲得。吉原のキックは相手GKに弾かれるが、ペナルティーエリアの外でこれを拾った大西裕大が鮮やかなミドルシュートを決めて追加点。3-2と拓大が1点差に詰め寄る。しかし神大も堅固な守備でこれ以上のゴールは許さず、1点差を守り切ってタイムアップ。3点を先取した神大が逃げ切りに成功し3-2で勝利。無敗記録を12に伸ばした神大が4位に浮上し、代わって拓大が6位に後退した。
7位以下の対戦では、順位が隣り合うチーム同士の直接対決が続いた。8位・関東学院大学は9位・國學院大學と対戦。両者の勝点差は4ポイントと開いているが、降格圏の國學大にとっては勝点差を縮める絶好のチャンスだ。大一番ともいえる試合に、國學大は立ち上がりから積極的に関東大ゴールへと迫る。3分には右サイドを突破した長谷川幸蔵のマイナスのパスに、磯丈成が合わせて國學大が開始早々に先制点を挙げる。対する関東大は國學大の厳しいプレスに苦戦し、なかなかパスをつなぐことができない。前半をシュート0で終えることとなった関東大だが、後半に入ると状況が一転する。まずは54分、関東大は白須健斗が左サイドから中央に向けてドリブルで突破。ペナルティーエリア前で國學大DFに囲まれてボールを失うものの、これを拾った吉沢実頼が強烈なドライブシュートを決めて同点に追いつく。このゴールで歯車が回り始めた関東大は何度となく國學大ゴールを脅かすと、76分には鈴木楽維夢からサイドチェンジのパスを受け、黒澤光成が左サイドをフリーで独走。そのままペナルティーエリアに侵入すると、左足のシュートをゴール右隅に突き刺して関東大が逆転に成功する。関東大はその直後に野嶋圭人が倒されてペナルティーキックを獲得するが、野嶋の放ったキックはバーを直撃してゴールならず。それでも終了間際の89分、コーナーキックからのこぼれ球を石川穂高が押し込んで3点目。國學大を3-1と突き放してタイムアップとなった。関東大はこの勝利で順位をひとつ上げて7位に。一方、國學大は順天堂大学と勝点で並び、得失点差の関係で10位に後退。降格圏外の8位・立正大学とは6ポイント差が開いており、降格圏脱出が厳しい状況となってきた。
ともに降格圏に沈む10位・順天堂大学と11位・山梨学院大学のシックスポイントマッチ、最初にチャンスを掴んだのはアウェーの順大だった。立ち上がりから積極的な攻撃を展開していた順大は10分、ペナルティーエリアに侵入した齊藤慈斗が倒されてペナルティーキックを獲得。キッカーは齊藤自身が務めるが、右足のシュートは山学大GK・廣瀨大翔がストップ。齊藤はこぼれ球を押し込むも、廣瀨がそれもキャッチし順大は絶好の得点機を逸することとなった。対する山学大は、リーグ戦初スタメンのルーキー、ミキヴィトルがアグレッシブにシュートを狙うが最後までゴールを割ることなく両チーム無得点のままドロー決着。ともに勝点1を積み上げ、國學院大學と勝点で並んだ順大は得失点差で上回り9位に。2試合連続ドローの山学大は11位のまま、最終順位は降格圏の9位以下となることが確定。残る4試合は、プレーオフ出場の10位・11位を目指して戦うこととなる。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。