『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第18節は、10月19日(土)に全6試合が行われた。
首位グループが揃って足踏み状態で、今節も大きな動きのなかった第18節。4位の東洋大学は終了間際のゴールで筑波大学の首位奪還を阻むと同時に、勝点1を重ねたことで3位に浮上。首位・明治大学と勝点を分け合った9位の国士舘大学も8位となり、プレーオフ出場圏外へ抜け出した。一方、5位・東京国際大学、6位・流通経済大学、7位・日本大学は順位こそ変わらないものの、インカレ出場、1部残留に向けて大きな勝点3を積み上げた。
優勝はほぼ明大と筑波大の一騎打ちとなった。また関東大の躍進もあり1部残留争いも混戦模様に。残るは4試合、はたしてどんなドラマが待っているのか。第19節は10月26日(土)に5試合、10月27日(日)に1試合が行われる。
1部リーグ第18節 全結果・順位表
1部リーグ第18節マッチレポート
筑波大学 1(0-0)1 東洋大学 @筑波大学第一サッカー場
ともに4連勝中の2位・筑波大学と4位・東洋大学の試合は、後半にスコアが動いた。前半は東洋大が優勢ながら、先にゴールネットを揺らしたのは筑波大。53分、ペナルティーエリア手前でボールを受けた田村蒼生が、そのままボックス右角外から右足を振り抜いてミドルシュート。このゴールで勢いに乗った筑波大だが追加点は挙げられず1-0のままアディショナルタイムへ。すると90+1分、東洋大は髙橋輝とのワンツーでゴール前に抜け出した中山昂大がシュートを突き刺して同点に。同勝点の首位・明治大学がスコアレスドローに終わったため、勝てば首位奪還となった筑波大。しかし終了間際の失点でそれも幻となった。一方、東洋大は土壇場に得た"勝点1"で中央大学と勝点は同数に。得失点差で上回ったため、3位に順位を上げた。
東京国際大学 3(1-0)1 東海大学 @東京国際大学第1グラウンド
現在4連敗中の5位の東京国際大学は、こちらも3連敗中と不調の9位の東海大学と対戦。立ち上がりは一進一退の状況となったが、東国大は42分、吉田桂介のアーリークロスを巧みに収めた松本翔がゴールネットを揺らして先制する。
1点リードで試合を折り返した東国大は、古谷柊介を後半の頭から投入。すると50分、東国大はコーナーキックの流れから交代したばかりの古谷がこぼれ球を蹴り込んで追加点を挙げ、2-0とリードを広げる。東海大もその直後にペナルティーエリア内に侵入したところを倒されてペナルティーキックを獲得。これを桑山侃士が沈めて1点を返すが、試合の流れは東国大に傾き、東海大はなかなかシュートまで持ち込むことができない。対する東国大は終了間際の89分、交代出場したばかりの三枝虎太郎がグラウンダーのクロスを入れると、古谷がこれを突き刺してダメ押しの3点目。交代起用が的中し、東国大が3-1で東海大を下し5試合ぶりの白星を挙げた。一方、これで4連敗の東海大は2部プレーオフ出場圏の10位に後退した。
明治大学 0(0-0)0 国士舘大学 @明治大学八幡山グラウンド
首位の明治大学は2部参入プレーオフ圏内の10位・国士舘大学と対戦。1部リーグ残留のためにはもう後がない国士大は、序盤から勢いのある攻撃を見せるものの明大の攻撃を崩しきれない。対する明大は怪我で試合から離れていた熊取谷一星がスタメンに復帰し、攻撃力アップが期待されたものの決め手のないまま、「残念なスコアレスドロー」(明大・栗田大輔監督)で勝点1を分け合った。
首位転落かと思われた明大だが、筑波大が終了間際に失点し、引き分けに終わったため辛うじて首位をキープ。また勝点1を積み重ねたことで国士大は10位から9位に順位を上げ、降格圏から脱出した。
流通経済大学 2(1-1)1 中央大学 @RKUフットボールフィールド
3位・中央大学は6位の流通経済大学と対戦。4連勝を目指す好調・中大だったが、先手を取ったのは流経大。17分、GK・デューフエマニエル凛太朗のロングキックを起点に攻撃を仕掛けると、松永颯汰の右からのクロスに光廣健利が飛び込んでゴールネットを揺らす。だが中大も33分、加納大がミドルシュートを放つと相手DFに当たってコースが変わりそのままゴールイン。中大がラッキーなゴールで同点に追いつき、試合を折り返した。
試合を振り出しに戻して迎えた後半は、どちらも攻め手に乏しく膠着状態が続いた。しかし76分、流経大は中盤でボールを奪うと清水蒼太朗が右サイドに展開。渋谷諒太が右から入れたクロスに逆サイドの光廣が頭から飛び込んでゴール。光廣のこの試合2点目となるゴールで勝ち越した流経大が2-1で勝利を収めた。敗れた中大は勝点1差の4位・東洋大が筑波大と引き分けたため、同勝点ながら得失点差の関係で4位に後退となった。
駒澤大学 3(1-3)4 日本大学 @駒澤大学玉川キャンパス
7位・日本大学と11位・日本大学の試合は、激しいゴールの奪い合いとなった。立ち上がりから試合を優位に勧めていた日大は、20分に左サイドから攻撃を仕掛けると熊倉弘達のスルーパスを受けた大久保帆人がシュート。これは相手DFに弾かれるものの、こぼれ球を長谷川皓哉が蹴り込んで日大が先制する。日大は32分にも、素早いパスワークで駒大の守備を崩し最後は大久保がシュートを突き刺して追加点。さらにその2分後にも植木颯が前線にスルーパスを入れ、これを熊倉弘達が決めて0-3に。日大がわずか15分間で3点のリードを奪い駒大を突き放した。だが、2部リーグ自動降格圏から逃れるためにもこれ以上負けられない駒大は、ここから驚異的な粘りを見せる。日大が3点目をマークしてからわずか4分後の39分。左コーナーキックを獲得した駒大は、GKが弾いたボールを藤田和也が厳しいマークに遭いながらも押し込んで1点を返し、1-3で試合を折り返した。
2点を追う駒大は後半の頭から髙橋修斗を投入して攻勢を強めると、57分に渡邉幸汰がペナルティーエリア左に出ていたGKからボールを奪取。そのまま無人のゴールにシュートを放って追加点。駒大が1点差に詰め寄った。その後は膠着状態になったが、試合終盤の82分にスコアが動く。駒大は最終ライン、小林栞太からのロングキックを加茂隼が頭でつなぐと藤田がこのボールに反応。前に出たGKをかわしてそのままシュートを流し込んでついに同点に追いつく。3点のビハインドから試合を振り出しに戻した駒大は、その後も何度となく決定機を作るが、どうしても勝ち越し点を奪うことができない。すると試合終了間際の89分、日大は丁寧なパスワークでボールを持ち上がり、最後は熊倉弘達が個人技でDFをかわしゴール左隅に狙い澄ましたシュートを放ち4点目。土壇場で駒大を引き離した日大が3-4で勝利した。
関東学院大学 3(0-1)2 桐蔭横浜大学 @関東学院大学金沢八景キャンパスグラウンド
第18節で唯一のナイターゲームとなった8位・桐蔭横浜大学と12位・関東学院大学の試合は、開始早々の5分に桐蔭大が先制。桐蔭大はスローインからチャンスを作ると、遠藤貴成の右からのクロスに笠井佳祐が頭で合わせて先制点を挙げる。桐蔭大は後半の62分にも笠井が左足のシュートを決めて0-2に。関東大とのリードを広げた。
このまま桐蔭大が主導権を握って逃げ切るかと思われたが、前節に待望の2勝目を挙げた関東大がここから底力を見せつける。78分、関東大は桐蔭大からボールをインターセプトすると、野嶋圭人が持ち上がってゴール前にボールを入れる。これを堀金峻明が頭で合わせて1点を返すと、84分にハーフウェイライン付近から野嶋がドリブルで一気に駆け上がりペナルティーエリアに侵入。そのままシュートを放ち、関東大が同点に追いつく。関東大の勢いは止まらず、その3分後には堀金が左から入れたクロスを油野匠栄が押し込んで劇的な逆転ゴール。関東大が終盤の猛攻でスコアを3-2としホーム初勝利、そして今季初の2連勝で勝点を12に伸ばした。この結果、自動降格圏外の10位との差を2ゲームに。残る4試合で、逆転残留を目指す。