『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第19節は、10月26日(土)に5試合、10月27日(日)に1試合が行われた。
今節は首位・明治大学、2位・筑波大学がともに勝利し、上位2チームが同勝点でせめぎ合う構図に変化はなかった。優勝の可能性を残すのは、同勝点でせめぎ合う首位・明大と2位・筑波大の2チームのみ。得失点差は、筑波大が勝点1を縮め"3"に。また年末のインカレ出場権は4位の中央大学までが確定。5位の東京国際大学も総理大臣杯で3位を獲得したためインカレへの出場が決まっており、残る出場枠は3となっている。
一方、下位グループでは3連勝を逃した12位・関東大が厳しい状況に。次節は10位・東海大と11位・駒大の直接対決があるため、中央大学との試合に敗れれば、2部リーグ降格が確定する。関東大にとっては1部残留を懸けた大一番となる。
泣いても笑っても残るは3試合。次節・第20節は11月2日(土)に全6試合が行われる。
1部リーグ第19節 全結果・順位表
1部リーグ第19節マッチレポート
日本大学 1(0-0)1 東京国際大学 @日本大学アスレティックパーク稲城 サッカー場
5位の東京国際大学と7位の日本大学の試合は、後半にスコアが動いた。両チーム無得点のまま迎えた後半、日大は後半頭から関日向多を投入。するとこの交代起用が的中。日大は63分、関が右サイドから攻撃を仕掛け熊倉弘達にパス。ペナルティーエリアに侵入して再び熊倉弘達からボールを受けると、そのままシュートを突き刺して先制点を挙げる。しかし東国大も81分、スローインからボールをつないでチャンスを作ると古谷柊介が左サイドを突破しクロスを入れる。これを尾崎岳人が左足のダイレクトシュートでゴールに叩き込み同点に。その後は両チームともに追加点はなく1-1で勝点1を分け合った。
東洋大学 4(2-0)2 関東学院大学 @東洋大学朝霞キャンパス・サッカー場
3位の東洋大学は2連勝と勢いに乗る最下位・関東学院大学と対戦。前半は東洋大が試合の主導権を握り、23分には髙橋輝が鮮やかなミドルシュートを決めて東洋大が先制。さらに36分には、最終ラインから稲村隼翔が蹴り込んだロングパスが髙橋の足元にピタリと収まり、そのままGKをかわしシュートを流し込んで追加点。髙橋の連続ゴールで東洋大が2-0とリードし、試合を折り返した。
しかし後半に入ると、降格圏脱出にもう後がない関東大が反撃に移る。関東大は攻勢を強めて東洋大ゴールを狙うと、65分、相手ペナルティーエリア内でボールを奪った中田舜貴が素早くシュートを流し込んで1点を返す。関東大はその5分後にも、GKの弾いたボールを堀金峻明が蹴り込んで追加点。2点のビハインドを負いながらも2-2と同点に追いつく。前節の逆転勝利を彷彿とさせる展開に勢いを増す関東大だったが、東洋大もその直後に立て続けに選手交代してゲームを落ち着かせる。すると試合最終盤の90分、東洋大は途中出場・鍋島暖歩のクロスを髙橋が頭で押し込み追加点。髙橋のハットトリックで、東洋大が再び勝ち越す。髙橋はアディショナルタイムの90+5分にも左サイドで相手からボールを奪い、個人技で相手をかわし、ゴール右隅にシュートを決めてダメ押しの4点目。髙橋が4ゴールを挙げる活躍で東洋大が4-2で勝利し、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の出場を確定させた。
国士舘大学 0(0-0)0 流通経済大学 @国士舘大学楓の杜キャンパスサッカー場
6位・流通経済大学と9位・国士舘大学の対戦は、流経大が試合を優位に進めながらも決め手を欠き、両チーム無得点のまま後半へ。後半、流経大はさらに攻勢を強め、松永颯汰、清水蒼太朗らが国士大ゴールに迫るが、最後まで国士大を崩しきれずにスコアレスドローで終了。ともに勝点1を積み上げる痛み分けとなった。
中央大学 0(0-2)2 明治大学 @中央大学多摩キャンパスサッカー場
首位・明治大学と3位・中央大学と上位対決は、明大が前半のうちに試合を決定づける形となった。明大は28分、木内達也からのパスを受けた中村草太が、ドリブルで相手をかわしペナルティーエリアに侵入。中村が体勢を崩しながら出したボールに、ゴール前に上がってきた藤森颯汰が右足で合わせて明大が先制する。対する中大は田中幹大らがチャンスを作るも決めきれず、逆に40分過ぎにはハンドの判定で明大にペナルティーキックを献上することに。42分、これを明大・中村がきっちりと沈めて0-2に。明大がリードを広げて前半を終了した。
2点のビハインドを負った中大は60分過ぎからの選手交代で流れを引き寄せようとするが、ゴールまでは至らず。前半に挙げた2点を守りきった明大が0-2で勝利し、首位を堅持した。中大はリーグ終盤でまさかの2連敗で、3位・東洋大学と1ゲーム開く結果に。それでも下位グループが勝点を伸ばせなかったこともあり、8位内が確定し全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の出場が決定した。
東海大学 0(0-0)3 筑波大学 @東海⼤学湘南キャンパスサッカー場
首位と同勝点差で2位につける筑波大学は10位に沈む東海大学と対戦。前半は低調な展開となり両チームとも無得点に終わったが、後半に入ると筑波大の攻撃力が爆発。後半序盤の52分、池谷銀姿郎のアーリークロスを内野航太郎が巧みなトラップで収めると、右足を振り抜いて先制する。さらに64分、角昂志郎がペナルティーエリアの左外から鮮やかなドライブシュートを決めて追加点。リードを2点差に広げると、コーナーキックを福井啓太が頭で合わせてダメ押しの3点目を決め0-3で東海大を下した。同勝点の首位・明治大学も勝利したため首位奪還は叶わなかったが、明大を上回る3ゴールを上げたため、得失点差を4から3に縮めた。
桐蔭横浜大学 3(2-0)0 駒澤大学 @桐蔭学園多⽬的グラウンド
唯一、10月27日(日)に行われた8位・桐蔭横浜大学と11位・駒澤大学の試合は、桐蔭大が序盤から得点を重ねて駒大に圧勝。前節の逆転負けの悪いムードを一掃した。桐蔭大は22分、池田柚生の左コーナーキックをファーサイドの渡邊啓吾が頭で合わせて先制。さらに前半終了間際の45+1分、斉藤夏が右サイドからペナルティーエリアにカットインして入れたボールを池田が合わせて2点目をマーク。桐蔭大がリードを広げて試合を折り返した。
ビハインドを負った駒大は、59分に今井拓人、鈴木心月のふたりを同時に投入して試合の流れを引き寄せようとするが、逆にその3分後に桐蔭大が追加点。62分、桐蔭大はロングスローからチャンスを作ると、笠井佳祐が鮮やかな切り返しで左サイドを突破。ゴール前に入れたボールを池田が合わせ、試合を決定づける3点目を決めた。試合は3-0のまま終了し、池田が2ゴール1アシストと全得点に絡む活躍で勝利の立て役者となった。桐蔭大は勝点を22に伸ばし、1部残留、インカレ出場に向けて大きな勝利となった。