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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第19節レポート

2016/10/27
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』第19節は、10月22日(土)に2試合、23日(日)に4試合行われた。



○2連勝中と好調をキープし、インカレプレーオフ圏内に踏みとどまりたい流通経済大学(勝点22・7位)と、こちらも今シーズン初の2連勝を飾り勢いに乗る専修大学(勝点21・8位)との一戦。

 2連勝中と勢いのあるチーム同士の対決は、拮抗した試合展開が予想された。しかし、前半わずか2分に専大が先制に成功する。右サイドから8番・野田卓宏のクロスに、この日久しぶりにFWとして先発出場を果たした4番・柳育崇が頭で合わせゴールネットを揺らす。さらに8分には、コーナーキックから相手のクリアミスを一度は流経大GKの22番・オビパウエルオビンナがはじくも、そのこぼれ球を専大44番・田口圭介が右足で押し込み追加点。専大はディフェンスラインを高く保ち、コンパクトな状態でボールを奪い、終始安定した試合運びを展開する。そして41分には、自陣でボールを奪うと7番・三沢直人のロングボールに反応した27番・中山克広がゴールキーパーとの1対1を冷静に決め、3点差とリードを広げて前半を終える。
 後半に巻き返したい流経大だったが、54分には30番・藤原雅斗がこの日2枚目のイエローカードをもらい退場に。悪い流れを断ち切りたい流経大は、60分に17番・日高大がペナルティーキックを決めて1点を返すも、最後まで専大が落ち着いた試合運びを見せ、そのまま試合終了となった。
 勝利した専大は3連勝を果たし、1つ順位を上げて7位に。次節は同じ勝点24の駒澤大学との対戦となるが、この勢いのまま下位との差を広げていきたい。一方、連勝がストップした流経大は8位に後退。順位はひとつ下がっただけだが、最下位と勝点差が2と迫ってきた。次節はその最下位の国士舘大学と対戦。ここで本来の強さを見せつけ勝点3を勝ち取りたい。


○リーグ優勝は逃したものの、2位争いを制してインカレ出場権獲得に向けて弾みをつけたい筑波大学(勝点29・3位)と、前節後期リーグ初勝利を果たし勢いを取り戻していきたい桐蔭横浜大学(勝点20・10位)との一戦。

 開始早々にビッグチャンスを迎えたのは、残留争い中の桐蔭大だった。一瞬の隙を突き、桐蔭大8番・佐々木俊輝がゴールキーパーとの1対1を迎えるも、惜しくも外してしまう。その後は両チームともとも流れを掴むことなく0-0で前半を終える。
 後半も、開始早々の筑波大の立ち上がりの悪さを突いた桐蔭大は、11番・鈴木国友がシュートを放つが、これはポストに当たりゴールネットを揺らすことができない。対する筑波大は、11番・中野誠也を中心にチャンスを作るが、こちらも決めきれず。また筑波大は30番・阿部航斗が、桐蔭大は1番・田中雄大の両GKがビックセーブを連発。最後までゴールネットを揺らすことなく、結局はスコアレスドローのままタイムアップとなった。
 多くの課題が見られた筑波大だったが、この試合で勝点1を獲得し、1部残留を確定。2位争いを制し、インカレ出場権を得るためにも、次節の法政大学とのホームゲームでは勝ちにこだわりたい。一方の桐蔭大は勝点1差で降格圏にある早稲田大学と国士舘大学が迫ってきた。次節はすでに優勝を決めた明治大学と対戦。厳しい戦いになると思われるが、残留に向けて臆することなく真っ向から挑みたい。


○前節は国士舘大学に3-0と快勝し、現在2位につける日本体育大学(勝点30・2位)と、現在2連敗中で、下位チームの勝点差がわずかと厳しい状況にある駒澤大学(勝点21・9位)との一戦。

 序盤から駒大ペースの試合展開となったが、先制点を挙げたのは日体大だった。日体大の10番・高井和馬の左サイドからの突破を止めようと、駒澤大の5番・星キョーワァンがファウルをおかし、日体大がペナルティーキックを獲得。これを34分、10番・高井自身がしっかりと決め、日体大が先制に成功する。しかしその直後の36分、駒大2番・熱川徳政の左サイドからのクロスを9番・大谷真史が5番・星へ浮き球のパスを送る。このボールを5番・星が右足で冷静に決め、失点を挽回。駒大が同点に追いつき、前半を折り返す。
 後半も両者譲らぬ試合展開だったが、均衡を破ったのは駒大だった。52分、またしても左サイドから2番・熱川が中央へとクロスを上げ、9番・大谷がヘディングで押し込み追加点。駒大は逆転に成功すると、その勢いのままに67分、10番・吉岡雅和が右サイドから中央へパス。このボールに24番・初芝政弘が右足で合わせて、ダメ押しの3点目。終了間際の90+1分には、5番・星が2枚目の警告で退場になったが、24番・初芝の関東リーグ初得点が試合を決定づけ、駒大が1-3で勝利を収めた。
 上位グループがわずかな勝点差で競っているだけに、2位をキープするためにも勝利が欲しかった日体大だが、3失点と守備に課題が残る結果となった。次節は今節、明治大学の連勝を11で止め、4連勝と波に乗る順天堂大学と対戦する。一方この試合に勝利した駒大は、慶應義塾大学、専修大学と並ぶ勝点24で8位へ浮上。秋田浩一監督は「満点に近いで結果」と選手たちの奮闘に最大限の賛辞を送った。「今日は、日体大の2番・高野遼選手にオーバーラップされると主導権を握られるとわかっていたので、両サイドを厳しく守った」と、狙いどおりの守備で日体大の攻撃を封じ込めた。次節は同じくインカレ出場、そして残留を争う専修大学との直接対決。「相手はボールを回したり止めるのが上手いチーム。粘り強く守るしかない。選手たちも下に行くのはいやだろうから、自分たちのできることをやり続けるしかない」と、絶対に負けられない一戦に意気込んだ。


○現在3連敗中で思うような結果が残せていない法政大学(勝点27・4位)と、インカレ出場権獲得に向けて連敗は避けたい慶應義塾大学(勝点23・6位)との一戦。

 試合開始直後は慶大が細かいパスワークでペースをつくり、試合を優勢に進める展開となった。しかし25分、法大が右コーナーキックを獲得。15番・長倉颯の蹴ったボールを、慶大DFがクリア。このクリアボールに反応した7番・川崎雅哉が左足を振りぬく。7番・川崎がこの試合のファーストシュートとなる得点を決め、法大が1-0で前半を折り返す。
 後半は1点リードの法大が素早い攻撃で追加点を狙う。そんな中、63分に左サイドで6番・伊藤航希が26番・ディサロ燦シルヴァーノに縦パスを入れると、26番・ディサロが中央へとパス。このボールを途中交代で入った27番・紺野和也が左足で決め、法大がリードを2点に広げる。しかし73分、慶大は途中出場の14番・小谷春日がペナルティエリア内で倒され、ペナルティーキックを獲得。これを10番・山本哲平が落ち着いて決め、1点差に詰め寄る。法大はこのプレーで2番・山田将之が2枚目の警告で退場となり、10人で戦う厳しい状況に。1人少ない法大に対し、慶大は87分、11番・手塚朋克の右サイドからのクロスに途中出場の13番・松木駿之介が合わる。「手塚選手からのクロスは見えなかったが、結果的に自分の前にボールがこぼれてきたので、そのまま打った」(13番・松木)。慶大が土壇場で同点に追いつき、試合は終了。両チーム、勝点1を分け合う形となった。
 第15節から勝利のない法大は、順位を1つ落とし5位に後退。次節、筑波大学戦は上位対決となるだけに絶対に負けられない。一方の慶大は連敗を免れたことで順位に変動はなかったものの、インカレ出場権争いから置き去りにされることを回避。専修大学、駒澤大学が勝利したことで、勝点24に3チームが並ぶ形となった。また12位の国士舘大学が勝点20と差がわずかなだけに、次節の11位・早稲田大学戦は、伝統の早慶戦という以上に残り数試合となったリーグ戦の結果に非常に大きな意味を持つ試合となるだろう。


○4連敗となかなか波に乗れず、降格圏に沈む早稲田大学(勝点20・11位)と、残留のためには1試合も負けられない戦いが続く国士舘大学(勝点17・12位)の一戦。

 降格圏内に沈む両チームにとって是が非でも勝点が欲しい一戦の序盤は、早大がペースを握る展開となった。しかし4番・飯泉涼矢、9番・中山雄希の2トップを中心に攻めるが、なかなかシュートまで持っていくことができない。対する国士大は、10番・松本孝平をベンチスタートとし、9番・林祥太、27番・田場ディエゴを2トップの先発に起用。するとその2人が悪い流れを変える。17分、27番・田場のお膳立てから9番・林が右足を振り抜いてゴール。2トップの連携から、国士大が先制する。前半は、両チームチャンスらしいチャンスがなかったものの、数少ないチャンスをものにした国士大がリードし、試合を折り返す。
後半、早大は10番・山内寛史を投入し反撃を開始。すると73分、ゴール前でフリーキックのチャンスを得る。キッカーの7番・相馬勇紀のシュートは枠を捉えたが、国士大GK1番・奥津亮哉にはじき出されゴールならず。その後もゴールを果敢に狙うが、枠外のシュートが目立ち、結局追いつけずに試合終了。前半の1点を守り切った国士大が、3戦ぶりの勝利をあげた。
 勝利した国士大は、順位は変わらないながらもこれで11位の早大と勝点が並んだ。その上位のチームとも勝点差は1か2。1勝すれば順位が変わるチャンスだ。特に次節に対戦する流通経済大学とは勝点差がわずか2。連勝で一気に降格圏を抜け出したい。
 敗れた早大はこれで泥沼の5連敗。そのうえ、次節は伝統の"早慶戦"。意地と意地がぶつかりあう伝統の一戦で、待望の勝星をつかみ、降格圏から脱出したいところだ。


○前節、現行のリーグ戦では最速のリーグ優勝を決め、圧倒的な強さを見せる明治大学(勝点45・1位)と、3連勝とインカレ出場に向けて波に乗る順天堂大学(勝点26・5位)の一戦。

 今夏に行われた「第40回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント」決勝戦と同カードとなった一戦。明大は、優勝を決めた前節のスターティングメンバ―から、ディフェンスラインを中心に5人の選手を変更。新戦力の活躍に期待したいところだったが、試合は序盤から順大が主導権を握る。試合開始早々の5分、10番・佐野翼のヒールパスを17番・旗手怜央が受ける。17番・旗手はそのままキーパーとの1対1を冷静に決め、順大が幸先よく先制。対する明大は攻撃がうまくかみ合わず、ミスからショートカウンターを受けるなど悪循環に陥り、0-1のリードを許したまま、前半を折り返す。
 後半も変わらず順大ペースとなった。57分、相手のクリアボールをカットした11番・米田隼也のシュートのこぼれ球を、14番・杉田真彦が決めて追加点。明大を突き放す。明大は、失点直後に11番・岩田拓也を投入し、反撃に出る。84分、途中交代の5番・河面旺成が左サイドを抜け出すと、ファーサイドに待っていた8番・道渕諒平にクロスをあげる。8番・道渕が折り返すと9番・土居柊太が頭でつなぎ、最後は途中交代の11番・岩田がヘディングで押し込みゴール。1点を返したが、明大の反撃もここまで。順大が1-2で逃げ切り、総理大臣杯決勝での雪辱を果たした。
 この結果、明大の連勝は11でストップ。リーグ戦では、第3節の流通経済大学戦以来、16戦ぶりの黒星となった。すでに優勝を決めている明大だが、インカレに向けては残り3節の戦いぶりが正念場となるだろう。圧倒的な強さを見せる明大に勝利した順大。後期は開幕4連敗と苦しい出だしとなったが、そこから4連勝と一気に本来の実力を見せつけて、順位も4位に浮上。次節は、3位の日本体育大学との上位対決。インカレ出場に向け、負けられない戦いは続く。



 次節第20節は、10月29日(土)に、味の素フィールド西が丘にて順天堂大学対日本体育大学、慶應義塾大学対早稲田大学との試合が行われる。翌30日(日)には、味の素スタジアム西競技場にて駒澤大学対専修大学、明治大学対桐蔭横浜大学の試合が、筑波大学第一サッカー場にて流通経済大学対国士舘大学、筑波大学対法政大学との試合が行われる。
 ついに明治大学の連勝が11でストップした今節。優勝を決めた明大以外は、勝点差2に上位4チームがひしめく大混戦にある。次節は、順天堂大学対日本体育大学、筑波大学対法政大学の上位対決が実現するなど、注目カードが多数繰り広げられる。一方、6位から12位の7チームも勝点4差と混戦状態にある。、残留争いはもちろん、1つの勝負で大きく順位が動く可能性があるだけに、全チームにインカレ出場の可能性がある。リーグ戦も残り3節、まだまだ熱い戦いが続く。

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