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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第15節レポート

2016/09/28
 『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』後期4試合目となる第15節は、9月24日(土)に4試合、25日(日)に2試合が行われた。



◯3連敗中でなんとしても勝点の欲しい順天堂大学(勝点17・7位)と、最下位脱出に向けて勝点を積み上げたい国士舘大学(勝点10・12位)との一戦。

 天候、ピッチコンディション共に良好とは言えない状況でのキックオフとなった試合は、立ち上がりから国士大ペースで試合が進む。浮き足だった順大は守備が安定せず、何度もピンチを招く。31分、中央で20番・本間達耶が27番・田場ディエゴへと縦パスを入れ、これを20番・本間が再び受けるとドリブルで中に切り込み右足でシュート。国士大が先制に成功し、前半を1-0で折り返す。
 後半も変わらずに激しい雨と濃霧の中試合が行われた。そんな中、順大は61分、左サイドで11番・米田隼也と19番・津島孝至とのパス交換から9番・松島奨真に縦パスを入れる。9番・松島がこのボールを落としたところを、11番・米田がダイレクトでシュートを打ち、順大が得意のパスワークで同点とする。追いつかれた国士大だったが、すぐさま反撃に出る。68分、18番・大石竜平の右サイドからのクロスにフリーで走り込んでいた10番・松本孝平がヘディングでゴール。4試合ぶりの先発となった10番・松本のゴールで国士大が再びリードする。そのまま国士大が逃げ切り試合終了。
 現在最下位に沈む国士大だが、この結果により勝点13とし、11位専大との勝点差を2と縮めた。一方の順大は4連敗を喫し、順位も8位と後退。次節の専大戦が大きな鍵を握る。


◯現在2位と好調の法政大学(勝点24・2位)と、前節で引き分け、白星が欲しい桐蔭横浜大学(勝点17・8位)との一戦。

 9月24日に富士北麓公園で行われるはずだった両チームの一戦は、雷雨のため延期となり、翌日の25日に法政大学城山サッカー場にて行われた。
 試合序盤はお互い慎重に試合を運び、落ち着いたゲーム展開となった。徐々に法大がペースをつかむと、カウンターなど素早い攻撃で決定機をいくつか作るが、いずれも決めきることはできず、前半を両チーム無得点で折り返す。
 後半も法大ペースで試合が進んだ。52分、17番・武藤友樹のクロスから19番・清谷陸がヘディングで合わせ先制点。19番・清谷の2試合連続ゴールで法大がリードを奪う。しかし75分、桐蔭大11番・鈴木国友がドリブルを仕掛けると、これを法大ディフェンダーがペナルティエリア内で倒してしまう。ペナルティーキックのチャンスを獲得した桐蔭大は、11番・鈴木が自ら決めて同点に追いつく。このまま試合終了かと思われたが86、分法大27番・紺野和也の右サイドからのクロスに13番・青柳燎汰がヘディングで押し込みゴール。この得点が決勝点となり、法大が2-1で勝利を収めた。
 勝った法大は勝点を27とし2位をキープ。勝点差は開いているものの、首位の明治大学に少しでも近づきたいところ。一方桐蔭大は、勝って下位との勝点差を離したかったがこの敗戦で9位に後退。次節、なんとしてでも勝点3を得たいところだ。


◯前節の順天堂大学戦では待望の後期初勝利を挙げ、調子を上げていきたい慶應義塾大学(勝点21・4位)と、後期未勝利の専修大学(勝点14・11位)との一戦。

 先にペースを掴んだのは、後期初勝利を目指す専大だった。試合開始から果敢に攻め上がると、14分には19番・氣田亮真のコーナーキックを24番・中杉雄貴がニアで合わせて、専大が先制する。あいにくの雨となったカシマスタジアムのピッチは、スリッピーなコンディションであったが、丁寧にパスをつなぐ専大にとっては好条件だった。対する慶大は、ペースを握られながらもチャンスをうかがう。すると前半アディショナルタイム、慶大23番・近藤貫太の巻き気味のクロスボールが専大DFの足に当たってコースが変わり、そのままゴール。思いもよらぬ形で慶大が同点に追いつき、1-1で前半を折り返す。
 後半に入ると前半から降り続く雨は勢いを増し、ピッチにはところどころ水たまりができ始める。ピッチ状況の変化に思うようなプレーができなくなった専大は58分に9番・下田悠哉を投入。その下田が源平貴久監督の期待に応える。交代から4分後の62分、9番・下田が左足のシュートでネットを揺らし、専大が再びリードを奪う。しかし、慶大も諦めなかった。失点から4分後の66分、6番・井上大のフリーキックに2番・豊川功治が頭で合わせてゴール。すぐさま同点に追いつく。その後も慶大は果敢に攻め、後半計8本のシュートを放つも得点には至らず。激しい雨の中で行われた白熱のシーソーゲームは、両者譲らず2-2で勝点1を分け合った。
 専大の倍のシュートを放ちながらも勝ち越す展開に持っていけなかった慶大。順位をひとつ下げ、5位に交代した悔しさは残るものの、着実に勝点を積み上げて中位をキープ。対する専大は、後期未だ勝利なし。また、最下位の国士舘大学が後期2勝目をあげたことにより、残留争いはさらに激化。残留圏内から抜け出すためには、一刻も早く勝利が欲しいところだ。


◯前節茨城ダービーを制し、好調の兆しを見せる筑波大学(勝点23・3位)と、後期負けなしと好調をキープし、着実に順位を上げてきている日本体育大学(勝点21・5位)の一戦。

 日体大が勝利すれば筑波大と順位が入れ替わる大事な一戦は、開始早々から試合が動いた。2分、日体大10番・高井和馬がドリブルから右足を振り抜いてネットを揺らし、日体大が早くも先制する。序盤からリードを許した筑波大だったが、テンポの良いパスワークで中盤を支配し、徐々にリズムをつかんでいく。すると36分、右サイドから8番・吉田直矢のクロスボールに11番・中野誠也が合わせて同点に。さらに2分後の38分、今度は左サイドから攻め上がった筑波大は、17番・野口航がシュート。このシュートはクロスバーに弾かれるも、そのこぼれ球を14番・会津雄生が頭で押し込んでゴールを決め、2分間で試合をひっくり返す。
 日体大は、ハーフタイムに30番・瀧本高志、4番・輪笠祐士を投入。後半はその鈴木政一監督の起用が効いて、完全に日体大ペースとなった。筑波大の攻撃を集中した守備陣が封じ込め、奪ったボールを素早く縦に運ぶサッカーを展開。筑波大ゴールに襲いかかった。74分には、2番・高野遼のクロスから10番・高井が頭で合わせて、この日2点目となるゴールで同点に追いつく。その2分後の76分にも、30番・瀧本からのパスを受けた17番・平川元樹が右足を振り抜いてゴール。前半の筑波大と同じく、日体大も2分間で再び試合をひっくり返した。一気に追う展開となった筑波大だったが、日体大の勢いは止めることができず。追加点こそなかったものの、逆転後も攻勢を強めて筑波大ゴールに迫った日体大が2-3で筑波大を下した。
後半のシュート数は筑波大1本、日体大9本。その数字から見てもわかる通り、後半の戦いが命運を分けたといえる。筑波大の小井土正亮監督は「ちょっとしたボタンの掛け違い」としながらも「後半、ここまで変わってしまうと敗因そのものを探すのが難しい」と思案顔だった。筑波大は、連勝ならず4位に後退。「正直、優勝は難しくなった。ターゲットをインカレ出場に組み立てなおして、ひたむきにやる以外はない」と、残り試合を切り替える。
 一方、勝った日体大は、これで3位に浮上。前期終了時点の8位から一気に上位まで浮上し、台風の目となっている。「前期は2部から1部に上がったチームということもあって、相手をリスペクトしすぎていたように思う」と振り返るのは、この試合2得点を挙げた10番の高井。この試合でも前半は「相手のやりたいことをやらせてしまった」が、ハーフタイムにきっちりと修正。2点目は「(2番・高野)遼からいいボールがきたので触るだけだった」が、この同点弾で一気に試合の流れを引き寄せた。日体大は次節、2位の法政大学と対戦。勝利すれば2位に浮上するチャンスとなる大一戦だ。「相手どうこうではなく、自分たち次第」(高井)とはいうものの、次節の上位直接対決は見逃せない。


◯後期が始まってから波に乗り切れない流通経済大学(勝点16・9位)と、前節は4失点と守備が崩壊し、悪い流れを断ち切りたい駒澤大学(勝点15・10位)の一戦。

 試合は一進一退の攻防が続く展開。流経大はボールを保持しチャンスを作り出す。前半15分に10番・ジャーメイン良がキーパーと1対1になり決定機を迎えるが、決めることができない。対する駒大は10番・吉岡雅和を中心に縦に速い攻撃を仕掛ける。流経大の猛攻を受ける駒大だったがGK21番・輪島稜がファイセーブを連発し失点を許さない。
 後半に入ると試合が動いた。後半開始わずか1分、13番・小川礼太のスローインから9番・大谷真史がヘディングでそらし、17番大村英哉がヘディングで押し込みゴールを決める。駒大が立ち上がり早々、幸先よく先制する。その後は、流経大が積極的に攻めるも、「ディフェンスの意識を徹底して、最後まで労を惜しまずやろう」(秋田浩一監督)という駒大の守備を崩すことができない。駒大はその後、1点差で逃げ切るために守備に徹し、1-0のまま試合は終了。
 勝利を掴んだ駒大は残留に希望を繋ぐ貴重な勝点3を手に入れた。秋田監督も「暑い中、選手たちは粘り強くがんばってくれた」と選手たちをねぎらう。しかし「下位はまだ団子状態。"勝って兜の緒を締めよ"ではないが、次節も粘り強く速いサッカーをやるだけ」とその姿勢に変わりはない。一方、敗れた流経大は直近3試合勝ち無しと苦しい状況が続いている。次節からの巻き返しを期待したい。


◯リーグ戦7連勝と絶好調の明治大学(勝点33・1位)と、後期3試合負けなしと勢いに乗る早稲田大学(勝点20・6位)の一戦。

 試合は序盤から早大が積極的に攻撃を仕掛ける展開に。7番・相馬勇紀と8番・秋山陽介の2人のサイドハーフを軸に両サイドからの攻撃を仕掛ける。相手に主導権を握られてしまった明大だったが、現在、怪我で欠場中の1番・服部一輝に代わりキャプテンを務める4番・小出悠太が統率するディフェンスラインが集中した守備で得点を許さない。しかし、21分に予想外の出来事が起きる。早大が自陣エリアからロングボールを入れ、9番・中山雄希が相手ディフェンスラインの裏に抜け出す決定的な場面が訪れる。それを阻止しようと明大22番・山崎浩介が、ボディコンタクトで相手を倒してしまい、審判が下した判定はレッドカード。一発退場を告げられてしまう。22番・山崎は今季リーグ戦初出場だっただけに悔しい結果となった。10人での戦いを強いられた明大はボランチの6番・柴戸海をセンターバックに、FWの15番・丹羽詩温をボランチに配置する応急処置でその場に対応するも、早大が数的優位になり苦しい展開に。ヒートアップする試合のスコアが動いたのは40分、なんと先制したのはひとり少ない明大だった。9番・土居柊太の落としたボールを受けた15番・丹羽が、ペナルティエリアすぐ外から右足で蹴り込み、ゴールネットを揺らす。「これまでもミドルシュートを打ちたい気持ちはあったが、FWのポジションではなかなかチャンスがなかった」と15番・丹羽。予想外の状況でボランチにコンバートされ「ひとつさがったことで、ミドルを打てるスペースを探した」。15番・丹羽が得点ランキングトップの力をいかん無く発揮して待望の後期初得点を挙げ、1-0で明大がリードし前半終了。
 後半に入るとひとり多い早大が攻め、明大が守るという極端な展開になる。早大は12番・木下諒を起点として前線にクロスボールを供給するが、攻撃陣とのタイミングが合わず得点を決めることができない。明大は後半から5番・河面旺成と4番・小出のJクラブ内定組がセンターバックを務め、強固な守備を形成。何としても得点が欲しい早大は55分に10番・山内寛史を、63分に25番・蓮川雄大を投入する。攻撃的なカードを使った早大だったが最後まで得点を決めることはできずに1-0のまま試合終了。
 数的不利という状況でも粘り強い守備で勝利を掴んだ明大は勝点3を手に入れ、早くもリーグ戦の優勝が現実味を帯びてきた。想定外の退場劇があったものの、栗田大輔監督は「10人になっても選手がメンタル的に落ちず、ぶれずにサッカーをしていたので勝ちきれると思った」と、選手たちの成長に手応えを感じている様子。決勝点を決めた15番・丹羽に対しては「先週、"(ゴールを)決める感覚がまだ残っていると言っていた。総理大臣杯に優勝して、試合を決めることのできる選手になったという自信がついたと思う」と信頼を寄せる。「流通経済大学戦、日本体育大学戦とタフなゲームが続くが、なんとか乗り切りたい」と首位の余裕を見せた。一方、敗れた早大はここ3試合負けなしだっただけに痛い敗戦となった。インカレ出場のためにも、次節からの巻き返しを期待したい。



 次節第16節は、10月1日(土)に、千葉県総合スポーツセンター東総運動場にて順天堂大学対専修大学、明治大学対流通経済大学が対戦。翌2日(日)には同じく千葉東総で慶應義塾大学対駒澤大学、筑波大学対早稲田大学が、国士舘大学町田キャンパスサッカー場では桐蔭横浜大学対国士舘大学、法政大学対日本体育大学の試合が行われる。
 じわじわと追い上げを見せ、現在3位の日体大が2位法大と直接対決。明大は次節も勝ち、この両校をさらに突き放してリーグ優勝をほぼ手中におさめられるのか。一試合の結果で大きく順位が変動する可能性もあり、激化する残留争いも見逃すことはできない。

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