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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・2部第17節レポート
2016/10/12
『JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦』の2部リーグ第17節は、10月8日(土)に2試合、9日(日)に4試合が開催された。
◯前節を勝利で飾り、連勝を狙いたい東京農業大学(勝点25・5位)と、2連勝で最下位から抜け出した明治学院大学(勝点13・11位)の一戦。
試合の主導権を握ったのは好調の明学大。ここ2試合で得点に絡んでいる10番・行武大希を起点とした攻撃で東農大の守備を崩しにかかる。明学大は積極的な攻撃で東農大を攻め立てるが、東農大の集中した守備を前にシュートチャンスを作ることができない。明学大の勢いが勝る展開だったが、スコアを動かしたのは東農大だった。29分、3番・加藤徹からのパスをバイタルエリアで受けた13番・糸川颯がそのまま右足でシュートを放ちゴールを決める。この後は、明学大が反撃を試みるも得点には結びつけることができず、少ないチャンスをものにした東農大がリードを奪い、前半は終了。
後半は、均衡した試合展開となった。追加点が欲しい東農大は後半開始から前半にアシストを記録した3番・加藤に代えて10番・岡庭裕貴を投入する。東農大は13時・糸川と10番・岡庭が立て続けにシュートを放つが、ゴールまではいたらない。一方、明学大は28番・土屋真輝と15番・近藤健太といった攻撃的なカードを使い、攻撃にアクセントを加えたが東農大の守備を前に決定機を作ることができない。互いに一進一退の攻防が続いたが、スコアは動かずに試合終了。東農大が勝点3を掴んだ。
高い集中力で1点を守り切ったこれで東農大は2連勝。一方、敗れた明学大は2連勝と好調で、このまま降格圏から脱出を目指していただけに痛い敗戦となってしまった。
◯前節、2試合ぶりの勝利をあげた東洋大学(勝点30・4位)と、前節は手痛い敗戦を喫し、残留に向けて勝利が欲しい拓殖大学(勝点18・8位)の一戦。
試合は、勝利が欲しい両チームの均衡した展開から始まった。東洋大は2試合ぶりのスタメンとなる、エースストライカーの10番・仙頭啓矢を起点とした攻撃で拓大の守備を崩しにかかる。対する拓大はリーグ戦11得点と好調の9番・小野瀬恵亮を中心とした攻撃で得点を狙う。前半から積極的に攻める両チームだが、ゴールを決めることはできない。サイド攻撃を織り交ぜて攻めた拓大は4本のコーナーキックを獲得したが、スコアは動かないまま前半終了。
後半も一進一退の攻防が続くが、拓大は71分、スーパーサブの15番・柴田隼人を投入して攻撃にアクセントを加える。対する東洋大は72分に11番・佐藤仁紀を投入。すると、東洋大にビックチャンスがおとずれる。ゴール前でフリーになった16番・宮野直也がヘディングシュートを放つ。しかしこれは、拓大GKの12番・谷田部晃輔がファインセーブで得点を許さない。両チーム共に攻撃的なサッカーで相手ゴールに迫ったが、結局スコアは動かずに試合終了。勝点1を分け合った。
勝点を31に伸ばした東洋大は得失点差で神奈川大学を上回り3位に浮上。このまま昇格のために勝点を積み重ねていきたいところだ。一方、拓大は勝点を19に伸ばし8位をキープ。残留のために1つでも多くの勝利を掴みたい。
○前節上位の中央大学相手に逆転勝利を収めた東海大学(勝点22・6位)と、3連敗の悪い流れを断ち切りたい東京学芸大学(勝点16・9位)との一戦。
前半の立ち上がりは両チームとも慎重に試合に入るが、徐々に東学大がペースを握り、サイドからチャンスを作っていく。対する東海大は前半の28分、16番・岡本光将が中盤でボールを奪うとすぐさま縦パスを送る。そのボールを受けた15番・堀越大蔵がカットインで東学大ディフェンスを置き去りに。しかし、左足で放ったシュートはゴールポストを直撃し、先制とはならなかった。そのシュートがきっかけとなり徐々に攻勢を強める東海大だが、東学大4番・石川将人と20番・鈴木翔太がゴール前に立ちはだかり得点を許さない。
後半に入ると東学大が得意のサイド攻撃から立て続けに攻撃を仕掛けるも、東海大のGK1番・堀田大暉がゴールマウスを堅守。83分、東学大が獲得したフリーキックは、32番・色摩雄貴がキッカーを務めると、混戦の中10番・平田惇がシュートを放つがわずかにクロスバーの上。その後も東学大は10番・平田が積極的に攻め上がり、いい形でゴール前までボールを運ぶが、最後のところで精度を欠き、なかなかシュートには結びつかない。試合はそのまま0-0で終了、互いに勝点を1ずつ分け合う結果となった。
勝点を17にした東学大は、勝点で並ぶ朝鮮大学校に得失点差で上回り9位をキープ。次節は2連勝中の東京農業大学と対戦する。熾烈な残留争いから抜け出すためにも、課題としている決定力不足を改善し、勝ち切る試合を増やしていきたい。一方の東海大は他会場で青山学院大学が中央大学に逆転勝利を収めたことで、得失点差により7位へ転落。次節の相手は下位とはいえ調子のいい明治学院大学。油断することなく好調の攻撃陣を抑え込み、勝点を積み上げることができるか、注目だ。
○8戦負けなしで首位をキープする東京国際大学(勝点37・1位)と、最下位に沈む関東学院大学(勝点12・12位)との一戦。
試合は、長い芝とスリッピーなピッチに足を取られ、両チームとも思うように攻撃をできない展開となった。互いに決定的なチャンスを生むことができないまま迎えた前半終了間際、関学大に決定的なチャンスが訪れるが、オフサイドの判定に。結局、ゴールは生まれないまま前半を折り返した。
後半に入ると関学大は27番・小池駿に代え22番・井上翔太郎を投入し、攻撃にアクセントを加える。一方の東国大は11番・進昂平に代え、今季リーグ戦初出場の15番・田山栄次を送り込む。得点のほしい東国大は9番・町田ブライトにボールを集めるが、関学大のDF陣に抑え込まれシュートに持ち込むことができない。90分を通して東国大は6本、関学大は3本という少ないシュートを決めきることができないまま試合は終了。互いに勝点1を分け合う結果となった。
関学大は、他会場で行われた東京農業大学対明治学院大学の試合で明学大が破れたため、勝点13で並ぶものの得失点差で11位へ順位を上げた。27番・小池と30番・見木友哉の1年生2トップの活躍で勝ち切る試合を増やし、残留争いから抜け出したい。一方、東国大の次節の対戦相手は前期リーグで唯一敗戦を喫した東洋大学。集中応援を開催するホームグラウンドに、負けられない相手を迎え入れる。リベンジを果たすことができるのか、目が離せない。
○4連勝中と好調、1部昇格へ向けて勢いにのる神奈川大学(勝点31・3位)と、後期リーグ戦に入ってから勝ち星なしの5連敗中、そろそろ連敗を止めたい朝鮮大学校(勝点14・10位)の対戦。
1部リーグ昇格争いをする神大と、2部リーグ残留を目指す10位朝鮮大という対照的な構図となったこの試合。神大は絶対的存在の6番・武田将平が累積警告による出場停止、4番・千田海人が不在という厳しい状況であった。朝鮮大が優位に進めていた前半の36分、神大は23番・河村秀侑のプレーで相手選手のファールにからペナルティーキックを獲得。これを10番・石川大輔が落ち着いて決め、神大が先制する。しかし神大リードのまま前半終了かと思われた45分に朝鮮大にチャンスが訪れる。15番・申聖峰が左サイドにいた16番・梁碩柱へとパス、16番・梁はドリブルで中央へボールを運ぶと最後は右足でシュートを放つ。朝鮮大が同点弾を叩き込み、1-1で試合を折り返す。
後半に入ると、前半とはうって変わり神大が圧倒的に攻め続ける展開に。しかし75分、左サイドからのクロスを13番・金舜志が頭で折り返し、28番・崔鉉奎が右足で合わせて逆転に成功。これが決勝点となり朝鮮大が逆転勝利を収めた。
朝鮮大は試合前にスタメン予定選手が体調不良で交代。急遽、28番・崔鉉奎が入るというアクシデントを乗り越えての、後期初勝利となった。「2トップがひとり変わって、結果的に前にパワータイプがふたりとなったのが功を奏したのかもしれない」と振り返るのは、朝鮮大の金載東監督。「前半はPKを与えるなど悪い流れもあったが、それを引き戻せる力があった」と選手たちを評価する。神大の攻撃の鍵であるサイドの攻撃をうまく抑えられたことも勝利につながった。次節は、優勝・昇格を目指す中央大学との対戦。「朝鮮大はこの後、中大や東京国際大学といった昇格を見据えているチームとの対戦が控えている。相手も僕たちに星を落とすわけにはいかないと思っているだろう。気持ちをこめて戦うしかない」(金監督)。
一方、下位の朝鮮大にまさかの逆転負けを喫した神大。16番・武田、4番・千田のみならず、右サイドバックの2番・南祥巧まで怪我で欠いたのは「正直、厳しかった」と長谷川大監督。昇格圏の2位を争う中大が敗れ、東洋大学も引き分けたため、ここで勝てば一気に2位に浮上できるチャンスだったが、結果や4位に後退。次戦は、その中大を破った青山学院大学が相手となるだけに気を引き締めてかかりたい。
○前節の東海大学戦は逆転負けし、2部優勝に向けて連敗は避けたい中央大学(勝点32・2位)と、「アミノバイタル」カップでは激闘を制したが前期のリーグ戦では中大相手に敗戦。リベンジを狙う青山学院大学(勝点20・7位)の一戦。
前期、そして「アミノバイタル」カップとともに点の取り合いとなっていた両校の対戦は、今節も互いに攻め合う展開となった。まず動いたのは青学大。18分、14番・小泉佳穂のパスから19番・三田真也が相手をかわしてから左足で強烈なミドルシュートを放ち、青学大が先制点を得る。しかし前日に行われた東洋大学の結果により、勝てば下位と勝点差を広げる絶好の機会でもあった中大は果敢に攻め続ける。そして前半26分、中大11番・翁長聖が右サイドからクロスをあげると、中央でまっていたのは長身のエース9番・矢島輝一。これを9番・矢島が相手GKと競りながら頭で押し込み同点弾を決め、中大が追いつく展開に。その後37分にも中大と9番・矢島が左サイドを突破し、中にいた2番・縣翔平へとグラウンダーのパス。左サイドバックの2番・縣は、ゴール前での1対1の局面で落ち着いて相手GKの動きを読みシュート。追加点が決まり、中大が前半のうちに逆転に成功する。
後半も、立ち上がりは中大が果敢にシュートを放ち攻撃を仕掛けていたが、徐々に青学大がボールを持つ時間が増えていく。両チーム果敢に攻めながらもゴールが決まらず、このまま中大勝利かと思われた試合終了間際に試合が大きく動く。90分、14番・小泉がゴール前へ縦パスを通すと、それを受けた9番・窪園大地が冷静に右足でシュートを放ち、青学大が同点弾を決める。歓声に沸く応援団の声を背に、勢いをました青学大はアデショナルタイムの90+2分に左コーナーキックのチャンスを獲得。14番・小泉のあげたボールは一度、相手にクリアされ混戦となるが、最後は青学大の一年生DFの16番・池庭諒耶がシュートを押し込み、逆転ゴールを決める。
わずか2分間で2得点を挙げ、劇的な逆転勝利を掴んだ青学大。主将の10番・伊藤光輝は「今日は失点したあと、連続で失点しなかったのがよかったと思う」と試合を振り返る。これまでは失点後に大きく崩れてしまっていたが、後期に向けて「球際、運動量、切り替え、といったベースの部分を強化」したことの成果がようやく出てきた。次節も上位 神奈川大学との対戦となるが、集中応援と重なるこの一戦を前にチームに勢いをもたらす貴重な勝利となった。
対する中大は下位校相手に2戦連続の逆転負け。「ボールに対してのマーキングが甘い。集中力に欠けていた」(中大・手塚聡監督)。勝利目前で失った勝点3は大きい。次節はホーム中央大学多摩キャンパスサッカー場で集中応援となり、降格争い中の朝鮮大学校との対戦。1週間で悪い流れを断ち切り、順調に勝点をのばす東京国際大学との差を縮めることができるのか。ここからが勝負だ。
次節第18節は10月15日(土)に中央大学多摩キャンパスサッカー場で神奈川大学対青山学院大学、中央大学対朝鮮大学校、東京国際大学第一サッカー場にて東京農業大学対東京学芸大学、東京国際大学対東洋大学、拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場にて関東学院大学対拓殖大学、東海大学対明治学院大学の試合が行われる。
残留争いを強いられている明学大は拓大Gにて、優勝争いを繰り広げている中大と東国大はそれぞれホームグラウンドで集中応援が開催される。後期リーグも折り返しに入り、残る試合数は5試合。勝点1の差で順位が入れ替わる熾烈な戦いから目が離せない。
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