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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・1部第13節レポート

2017/09/28
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』1部リーグ第13節は、9月23日(土・祝)に2試合、9月24日(日)に4試合が行われた。



〇1部残留のために何としてでも勝点3を勝ち取りたい日本体育大学(勝点11・10位)と、上位に食い込むためにも勝利が欲しい東洋大学(勝点15・6位)の一戦。

 東洋大のキックオフで始まったゲームは、両チームともに慎重な立ち上がりを見せる。東洋大はサイドからゲームを組み立てようと、14番・宮吉悠太、18番・松崎快らの両翼にボールを集め攻撃を試みる。すると29分、その18番・松崎を起点にリズムよくパスをつなぎ、最後は中央でフリーの11番・坂元達裕がダイレクトでシュートを放ち、東洋大が先制する。続く37分には、日体大GKのキックミスを拾った9番・丹代藍人がシュートを流し込み、東洋大が2-0と難なく得点を重ねる。対する日体大は42分、29番・小林颯が、右サイドをオーバーラップした3番・福田圭佑のクロスをコントロールし、ゴール真上にシュートを突き刺す。29番・小林の関東リーグ初ゴールで1点を返し反撃の狼煙を上げる日体大だったが、前半終了間際の45+2分、右コーナーキックから東洋大2番・渡邉拓也に追加点を許す。「相手のいける、という気持ちを折ってくれた大きな意味をもつゴール」(古川毅監督)という東洋大が3-1とリードし、前半戦が終了する。
 自らのミスから失点を重ねた日体大は後半の頭から26番・山下諒也を投入。悪い雰囲気を払拭し、得点を狙う。日体大は1得点をマークした29番・小林と26番・山下の2年生コンビが絶妙な連携を見せて東洋大のディフェンスを崩そうするが、なかなかシュートまで持ち込むことができない。すると59分、東洋大は前がかりになった日体大のスキを突き、ショートカウンターから最後は6番・勝野瑛が落ち着いてシュートを決めダメ押しの4点目。なんとか1点を返したい日体大だったが、スコアを動かすことなく試合は終了。東洋大が4-1と、3点差をつけての勝利で勝点3を上積みした。
 勝利した東洋大の古川監督は「強風の中、風下で甘い入りをしてしまった。相手の4-1-4-1のシステムに対するミスマッチもあり、どちらに転んでもおかしくない試合だった」と立ち上がりを振り返ったが、日体大にプレッシャーをかけ続けることで「先制点も、2点目も相手のミスを誘い出すことができた。よくがんばってくれた」と選手たちを評価する。ただ逆転前を喫した前節の流経大戦でも「やられる気配がないのに失点した」ように、この試合でも「前半の残り僅かで失点した」ことは課題とした。次節は勝点2差の4位・東京国際大学と対戦。「後期初勝利をしたことで、落ち着いて戦っていけるのではないかと思う」と古川館t区。今季ともに昇格した"同期"との戦いを制し、2連勝といきたいところだ。一方、ミスが相次ぎ悔しい敗戦となった日体大は次節、首位の筑波大学と対戦する。昨年のインカレ決勝のリベンジを果たす特別な一戦。また11位に後退し、ついには降格圏内へ落ちることとなった日体大にとっては、何としてでも勝点3を勝ち取りたい試合だ。


〇総理大臣杯優勝の勢いのまま、前節に首位の筑波大学を撃破した法政大学(勝点19・5位)と、降格圏内に位置し、勝点を得ることが至上命題である慶應義塾大学(勝点11・11位)の戦い。

 試合は、1部残留のために負けが許されない慶大がキックオフ直後からエンジン全開でゲームの主導権を握った。好調を維持する法大も負けじと速攻を仕掛け、序盤から目まぐるしく攻守が入れ替わる白熱した展開が続く。そんな中、15分に慶大は9番・池田豊史貴のパスを受けた7番・渡辺夏彦が右足を振り抜き、先制点をマーク。追いかける形となった法大も36分、9番・ディサロ燦シルヴァーノがパスを受け、22番・黒崎隼人の放った豪快なシュートがゴール右上に決まり、ゲームを振出しに戻す。
 後半は互いにいくつかのチャンスを作るが、ゴールを決めるまでには至らず、一進一退の展開に。そのままドロー決着かと思われた試合終了間際の90分、慶大は11番・近藤貫太のクロスに途中出場の13番・渡辺恭平が反応。振り向きざまに右足一閃でゴールネットを揺らし、勝ち越しに成功する。ほどなく試合は終了し、激戦を制した慶大が、1-2で法大を下した。
 最後の最後で得点を許し、勝点を取りこぼした法大。長山一也監督は「自分の采配ミスもあったが、最後の最後でクロスをあげられたのは、選手たちにも隙があったと思う」とコメント。「慶大のほうが勝利を強く欲していたし、それをはね返す力がなかった」と肩を落とした。次節は流通経済大学と対戦するが「流経大は力のあるチーム。今季は連勝か連敗かどちらしかないので、連敗にならないよう守備から入って粘り強く戦っていきたい」と語った。一方、今節の勝利で降格圏を脱した慶大の須田芳正監督は「ラスト15分が勝負だと思っていたので、最後にフレッシュな選手を入れた」とコメント。その采配はピタリ的中。交代選手の13番・渡辺が決勝点をあげたが「あれは(13番・渡辺)だけが入れたゴールでなく、部員150人の力が後押ししたゴール」という。「選手たちは苦しい時間をよく我慢したし、ようやく全員のベクトルが勝利に向かった」と第4節、5月7日以来となる勝利に感慨深げだったがすぐさま「これで終わったわけではない」と気を引き締めた。次節は専修大学と対戦。残留を確実なものとするためにも、「一戦一戦、決勝戦のつもりで戦う」。主将の2番・手塚朋克も「ずっと勝ちがなかった分、今日の勝利が自信になると思う」としながらも「次の試合がいちばん大事」とコメント。まだまだ負けられない戦いは続く。


◯後期は黒星スタートとなり、今節から巻き返しを狙う明治大学(勝点15・7位)と、同じく悔しい結果で終わった前節から切り替え、勝利し勝点3を取りたい専修大学(勝点15・8位)の一戦。

 勝点15で並ぶ両者の戦い。勝てば今後が有利になる大事な一戦は序盤から激しくスコアが動いた。まずは18分、明大8番・金原唯斗のコーナーキックを13番・岸本英陣が弾き、こぼれたボールを6番・柴戸海が右足で押し込み、明大が早い時間に先制する。さらに24分、またもや8番・金原が試合の流れを変えた。8番・金原が左サイドから中央へドリブルで切り込み、横にパスを出すと、それを26番・中川諒真が押し込んでゴール。明大が2点をリードとして前半を終了した。
 専大はハーフタイムに選手ふたりを交代し、システムを変更。「相手がポジションを変えたことに対応しきれなかった」(6番・柴戸)という明大の隙をついた専大にチャンスが訪れる。61分、交代出場の11番・中山克広の突破を止めようとした明大の13番・岸本がハンドの判定を受け、専大がペナルティーキックを獲得。このチャンスに専大は18番・岸晃司が落ち着いて決め、1点を返す。その後専大が試合の主導権を握るものの、その流れを11番・櫻井敬基が再び明大に引き寄せた。80分、11番・櫻井が右サイドを突破。そこから出した横パスを、途中出場の明大主将10番・木戸皓貴が決め、試合を決定づける3点目を挙げた。専大も87分に19番・氣田亮真がセンターラインから華麗なドリブルでゴール前まで一気に突破。そのままシュートを決め1点差に詰め寄るも、あと一歩及ばずタイムアップ。3-2で明大が逃げ切り、後期初勝利を挙げた。
 ゲームキャプテンを務めた6番・柴戸は「前節に情けない試合(東京国際大に1-4で敗戦)をしたあとだったからこそ、いい準備ができた」とコメント。「後半に相手の攻撃を受けてしまったことや、相手がポジションを変えたことに対して守備が修正しきれなかった」ことを課題としながらも「終盤に2トップを変えたことで、逆にやることがはっきりした」ことが、終盤で勝利を引き寄せた。次節、明大は順天堂大学と対戦。後期はスタートから連勝し首位・筑波大に迫る勢いの順大だが「前期も「アミノバイタル?」、カップでも逆転負けしている相手なので、勝利は絶対条件」と強い気持ちで挑む。一方の専大は、降格圏を脱した慶應義塾大学との一戦を控える。後期にいい流れを掴むためにまずは後期初勝利が欲しいところだ。


◯前節の勝利のままの勢いにのりたい順天堂大学(勝点25・2位)と、優勝争いに向け2連勝を目指したい東京国際大学(勝点20・3位)、2位と3位の直接対決。

 互いに上位に位置する両者の一戦は、13分に試合が動いた。順大がコーナーキックのチャンスを獲得。キッカーの7番・名古新太郎がショートパスで11番・旗手怜央に通すと、左サイドから上がったクロスに2番・柳澤亘が合わせてゴールネットを揺らす。さらにそのわずか5分後の18分、再び順大にチャンスが訪れる。ゴール前でボールを収めた13番・浮田健誠が14番・杉田真彦にパス、さらに10番・米田隼也へとつなぐと、10番・米田が右足を振り抜いて2点目を決める。2点を追う形となった東国大だが、19番・町田ブライトの献身的な守備と素早いカウンターで順大ゴールを脅かし、28分には順大DFのハンドからペナルティーキックを獲得。これを10番・安東輝が落ち着いて決め、東国大が1点を返す。後半立ち上がりは互いに決定機を作れず一進一退の攻防が続く。その均衡を崩したのが東国大の9番・音泉翔眞だった。85分にピッチに送り出されると、その1分後の86分、10番・安東のフリーキックからの混戦の中で、右足を押し込んでゴール。ファーストタッチが同点に繋がる得点となった。東国大が土壇場で2-2と追いつき、このまま試合終了かと思われたアディショナルタイム突入後の90+3分、またもや試合が動いた。左サイドバックの3番・原田鉄平がオーバーラップ。10番・米田に預けたボールを受けると、相手DFに囲まれながらも、ゴール上にシュートを突き刺す。「ドリブルで仕掛けた瞬間にゴールを意識した。コース的にもあそこしかなかった」(3番・原田)というゴールが試合を決定づける3点目となり、そのままタイムアップ。順大が終了間際の得点で3-2とし、東国大との上位対決を制した。
 決勝点を決めた3番・原田は「3位以下を突き放すために大事な一戦だった。最後に2点目をとられたのは課題だけど、最後に3点目がとれてよかった」と笑顔を見せた。「前節の駒澤大学戦では2点をとったあとに1失点したので、今日も2点をとってから自分たちがどういうサッカーをするかが大事だと思っていた」とも。次節は明治大学と対戦。2連勝と好調な順大だが、勝点差1の筑波大学から首位を奪うためにも、勝点を積み上げていきたい。一方東国大は前節4-1で大勝しただけに今節は非常に痛い敗戦となった。順位も3位から4位に後退。前田秀樹監督は「前半の2失点が最後まで響いた。前半は0-0か0-1で後半に仕掛けようと思っていたのだが、前半に簡単にやられすぎた」と守備的に入った前半のプランを崩されたことを嘆いた。それでも「後半はある程度はまっていたし、よく追いついた。守備的なオプションも目処がつき、チームとしてはよかったと思う」と、この結果を前向きに捉える。「最後は個の力でやられた。もっと個の力を磨かないと」という反省を活かし、次節からの巻き返しに注目したい。


〇前節に東洋大学に逆転勝ちし、波に乗る流通経済大学(勝点19・4位)と、勝点を少しでも積み上げて降格圏から抜け出したい桐蔭横浜大学(勝点9・12位)の一戦。

 試合は開始早々の3分に動いた。中央で19番・國場龍之介からパスを受けた10番・石川大地がドリブルで突破してゴール前まで持ち上がると、そのまま右足でシュート。桐蔭大がいきなり先制点を挙げる。桐蔭大は18分にも、中央で6番・山下優人から15番・山崎健之郎、10番・石川まで繋ぐと、10番・石川がそのまま右足を振り抜いて追加点。0-2とリードを広げる。桐蔭大は前半だけで10本のシュートを打つなど流経大を圧倒。桐蔭大が攻める展開が続いた。防戦一方となっていた流経大は前半終盤の43分、8番・森永卓に代えて11番・渡邉新太を投入。するとその直後に流経大がフリーキックを獲得。2番・小池裕太のキックは桐蔭大のGK1番・田中雄大に弾かれるものの、そこに詰めていた11番・渡邉新太が右足で押し込み、流経大が1点を返して前半を終える。
 後半は、前半と一転して流経大が攻める展開となった。流経大は後半序盤に立て続けにチャンスをつくると一気に主導権を握る。しかし得点までにはいたらず、64分に、23番・渋谷峻二郎を投入。すると71分、流経大は右サイドでフリーキックを獲得。キッカーの2番・小池が蹴り込んだボールは相手フィールドプレーヤーにクリアされたものの、こぼれ球に詰めていたのが交代したばかりの23番・渋谷。左足で押し込んだボールがゴールネットを揺らし、流経大が同点に追いつく。流経大はさらにその4分後の75分、には13番・小野原和哉が中盤で相手のパスをカット。前線に繋ぐと、23番・渋谷がドリブルでゴール前まで持ち込み、右足でシュート。23番・渋谷の連続得点で、流経大が逆転に成功する。前半は攻勢だった桐蔭大だったが、後半は流経大がシュートを0本に抑えるなど好守備を見せた。結果、2点差をひっくり返し3-2で流経大が勝利を収めた。
 前節に続き、セットプレーからの得点で逆転に成功した流経大はこれで2連勝。順位もひとつ上げて3位に浮上した。しかし2位の順天堂大学とは勝点差6と、その差はまだ縮まらない。次節は、総理大臣杯優勝校の法政大学と戦うことになるが、1つでも多くの勝点を積みたい。一方、2点リードからショッキングな逆転負けを喫した桐蔭大は次節駒澤大学と対戦。する。前期から4戦白星がなく厳しい状況だが、切り替えて悪い流れを早く断ち切りたいところだ。


〇前節は法政大学に敗れたものの首位をキープしている筑波大学(勝点26・1位)と、6位から9位まで勝点が並ぶ中、上位への抜け出しを狙う駒澤大学(勝点15・8位)の一戦。

 駒大のキックオフで始まった試合は、前半の終盤に差し掛かった31分に動いた。筑波大は相手のハンドによりペナルティーキックを獲得。これを10番・北川柊斗が落ち着いて決め、筑波大が先制する。筑波大はその6分後に、25番・西澤健太が縦に抜け出すと、右サイドの17番・近藤太にボールを預け、中央で再びパスを受け取りゴール前へ。相手GKとの1対1を制すると、右足を振りぬいて2-0とする。しかし43分。駒大も右サイドでフリーキックを獲得する。キッカーの8番・中原輝が中央へと蹴り込んだ浮き球は相手GKに阻まれるが、そのこぼれ球を6番・渡邉黎生が右足で押し込み、2-1に。駒大が1点を返して試合を折り返す。
 そのまま追いつきたい駒大だったが、後半開始早々の48分に突き放される。左コーナーキックを獲得した筑波大は、キッカーの25番・西澤が中央にボールをあげると、10番・北川がヘディングシュートを叩き込み、この日2点目を決めてダメ押しの3点目。1点でも返したい駒大は前線から激しいプレスをかけて筑波大からのボール奪取を狙うが、なかなかボールを奪うことができない。総理大臣杯、天皇杯と連戦が続く筑波大は試合終盤に足が止まり、駒大が攻撃のペースをつかむ場面も見られたが、あと一歩及ばず3-1のまま試合終了。筑波大が勝点3を得て首位をキープした。
 筑波大は次節、日本体育大学と対戦。首位をキープしてはいるものの、2位の順天堂大学との勝点差は1と追い上げられている状況に変わりはない。1戦1戦、勝ち進めて首位固めをしたい。一方の駒大は、次節に最下位に沈む桐蔭横浜大学と戦う。9位とはいえ、降格圏内の11位・日本体育大学との勝点差は4と、こちらもあまり差がない状況だ。とにかく勝点を積んで、まずは1部残留を確実にしたいところだ。



 次節、第14節は9月30日(土)に龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて流通経済大学と法政大学が対戦。翌10月1日(日)には龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて筑波大学と日本体育大学、佐倉市岩名運動公園陸上競技場にて専修大学と慶應義塾大学、順天堂大学と明治大学、成田市中台運動公園陸上競技場にて駒澤大学と桐蔭横浜大学、東京国際大学と東洋大学が戦う。
第13節では順大が東国大との2位、3位直接対決を制したが、筑波大も手堅く勝点3を獲得し、首位の入れ替わりは起こらなかった。一方、残留争いでは劇的な勝利を収めた慶大が降格圏を脱し、日体大が降格圏へ転落するという大きな動きを見せた。今後も一つとして落とせない試合が優勝争い、残留争いの双方で続く。次節にも予期せぬ大きな展開が待っているかもしれない。

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