『JR東日本カップ2023 第97回関東大学サッカーリーグ戦』3部リーグ第14節は、9月27日(水)に全6試合が行われた。
3部リーグ第14節 全結果・順位表
慶應義塾大 6(2-0)1 國學院大 @慶應義塾大学下田グラウンド
前節の結果により、順位を2位に上げた慶應義塾大学と8位・國學院大學の対決。國學大は、試合開始早々の3分に永川遼が退場。残る時間を10人で戦うことになったが、両チーム譲らずに緊張感のある展開が続いた。前半終了間際まではスコアレスという、拮抗した試合を最初に動かしたのは慶大だった。前半アディショナルタイムに突入してすぐの45+1分、中盤でボールを奪った慶大は鮮やかなにパス回しでディフェンスラインを崩すと、塩貝健人が滑り込みながら押し込んで先制点を決める。慶大は続く5分後にも、スローインから連携の取れたプレーでチャンスを作り、荘司慈英がゴール右隅に狙いすましたシュートを決めて追加点。2点をリードして後半を迎えた。
後半も慶大の攻撃は止まらず、67分にはコーナーキックの流れから、相手のクリアボールを拾った山口紘生がダイレクトシュートを決めて3点目を決める。國學大もその6分後に、フリーキックからのこぼれ球を岡田遼平が押し込んで1点を挙げるが、慶大も79分、田中雄大を起点に塩貝健人がチャンスを演出。最後は交代出場の塩貝亮太がゴールを決め、4-1と再びリードを3点差に広げる。さらに85分にはゴール前の混戦で國學大がハンドの判定を受け、慶大がペナルティーキックを獲得。このチャンスに茅野優希がきっちりと決めて勝負あり。慶大は90+4分にも、塩貝亮太のパスに香山達明が抜け出すとドリブルで一気にゴールまで運びダメ押しの6点目。そのままタイムアップの笛が鳴り、6-1で慶大が圧勝を収めた。
慶大は順位こそは変わらないものの勝点を30まで伸ばして2位を堅持。一方、大敗を喫した國學大は9位に後退した。
城西大 2(1-0)1 東京経済大 @JOSAI SPORTS FIELD 第1G
前節で3位に後退した城西大学と、対照的に5位へと浮上した東京経済大学の一戦。両チームロングパスを多用してチャンスをうかがう中、城西大は17分に早川凌介が相手のクリアボールを拾い、ゴール前にクロスを入れる。これを受けた石倉潤征がダイレクトでGKの股を抜くシュートを決め、城西大が先制する。しかし、次第に東経大がペースをつかみ城西大のゴールに迫るシーンも。「久しぶりのリーグ戦で、全体のバランスがずれていた」(城西大・東海林毅監督)。それでも両チーム、ゴールを割ることなく1-0と城西大リードのまま前半は終了した。
1点を追う東経大は後半の早い時間帯に3人の選手をピッチに送り出して反撃を開始。対する城西大も60分に得点ランク上位の佐藤遼を投入。すると79分、庄司景翔がハーフウェーラインから放ったロングパスに、ゴール前の佐藤が反応。フワリとした佐藤のヘディングシュートはGKの頭上を越えてゴールへ。「相手の意表をつくゴール。2点差になるとベンチも含め、いろいろな面で余裕が出てくる。そういう意味でもいい時間帯のゴールだった」(東海林監督)。一方、2点のビハインドを負った東経大も最後まで諦めることなく、90+4分、森下怜のクロスを仲佐友希が頭で合わせ1点差に追い上げた。しかし、東経大の追い上げもむなしく2-1で試合終了。
順位こそ変わらないものの、城西大が勝点3を獲得し、勝点を28に伸ばした。首位・神奈川大学との勝点差は8と開いたままだが、東海林監督は「我々は勝ちをたくさん積み上げていくしかない」と前を向いた。
東京学芸大 1(1-0)1 東京農業大 @東京学芸大学総合グラウンド
11位・東京学芸大学と9位・東京農業大学。関東リーグ残留に向けて後がないチーム同士の一戦は、最後まで両チームとも一歩も譲らない試合展開となった。最初にスコアを動かしたのは東学大。立ち上がりから主導権を握ると、25分、ペナルティーエリアすぐ外から放った立山大祐のミドルシュートが決まり先制する。一方の東農大は前半はシュート0本と、決定機を作れないまま試合を折り返した。
東学大の1点リードでは迎えた後半だったが54分に転機が訪れる。東学大は古関凌生のファウルがレッドカードと判断され、10人での戦いを強いられることに。すると数的優位に立った東農大が次第にペースを掴み、65分、岩永隆利のパスに抜け出した長谷川大貴が同点ゴールを突き刺す。だがその後は、両チームともに勝ち越しのゴールを決めることなく1-1で試合終了。東学大は第2節で勝利して以来の勝点獲得となったが、依然10位との差は開いたまま。厳しい状況が続く。
中央学院大 0(0-1)1 専修大 @中央学院大学つくし野総合グランド
前節の結果で6位・に後退した中央学院大学はリーグ戦5連勝中の4位・専修大学と対戦。試合は立ち上がりから専大がペースを掴むが、中院大も粘り強い守備でゴールを守る。しかし32分、専大は浦川流輝亜と山本隼大がパス交換をしながら左サイドを突破。山本はペナルティーエリアに侵入すると、エンドラインギリギリまで粘ってゴール前にクロスを入れる。これを松本皐誠が頭で合わせて専大が先制。
後半も専大が主導権を握ると、危なげない試合運びで前半のゴールを守り切り、ウノゼロ勝利で試合終了。順位は変わらないながらも、専大が6連勝で勝点27に伸ばした。一方、敗れた中院大は2連敗を喫し、5位以上と勝点差が開く結果に。上位進出に足踏み状態となっている。
平成国際大 1(1-0)2 神奈川大 @平成国際大学サッカー場
7位の平成国際大学が、3部リーグで圧倒的な強さを誇る首位・神奈川大学に挑んだ。両チーム慎重な滑り出しとなる中、26分には平国大がフリーキックを獲得。屋宜和真のキックに森下巧が頭から飛び込んでゴールを決める。先制点を挙げた平国大が1点リードのまま前半は終了。
後半は1点を追う神大が積極的に攻撃を仕掛ける。神大は60分過ぎから次々と選手を入れ替えると、73分、コーナーキックの流れから相手のクリアボールを拾った田畑麟がシュートを決めて試合を振り出しに戻した。その後は一進一退の攻防戦となったものの、終了間際の88分、またしても神大が試合を動かす。神大は左サイドで平国大からボールを奪うと、最後は細田皐太がペナルティーエリアのすぐ外から鮮やかなミドルシュートを放ち逆転に成功。神大が首位の意地を見せ、1-2で逆転勝利を収めた。
先制こそ許したものの神大が再開初戦で勝利を収め、勝点を35に伸ばして優勝に向けて着実な一歩を踏み出した。
共栄大 1(1-0)3 明治学院大 @共栄大学サッカーグラウンド
今季未勝利の12位・共栄大学は不調の10位・明治学院大学をホームに迎えての一戦。前半は両チーム一歩も譲らず、スコアレスのまま折り返すかと思われた。しかし前半終了間際の45+2分に共栄大がコーナーキックを獲得。ゴール前の混戦の中、山口登生がGKのこぼれ球を決め切って、共栄大が先制する。
初勝利に向けて勢いに乗る共栄大だが、後半に入ると明学大も反撃を開始。ボールを保持して共栄大ゴールを狙う。すると69分、明学大は鈴木太智が狙いすましたシュートを突き刺して同点に追いつく。その後は、明学大が優勢に試合を進めながらも、共栄大がゴールを死守し1-1のまま。だが84分、コーナーキックを得た明大は保土原大貴のキックをつなぎ、最後は萩原大翔が叩き込んでついに試合をひっくり返す。1-2とリードした明学大だが、最後まで攻撃の手を緩めない。後半アディショナルタイムの90+4分にもコーナーキックのチャンスを獲得。保土原のキックは一度共栄大にクリアされるが、鈴木、岡田朋也とつないでダメ押しの3点目。1-3で明学大が見事逆転勝利を収めた。
7試合ぶりに勝利した明学大は、勝点を16に伸ばし7位~9位グループに勝点1差に。降格圏脱出は目前に迫る。一方の共栄大は今節も勝点3を得ることができずに終わった
1部リーグ、2部リーグより少し早い再開となった3部リーグ。1位から4位までの上位グループがそろって勝利し、7位までは順位の入れ替わりがないという、ある意味“順当"な再スタートになった。前節から上位4大学の勝点の差に変化はないが、一方で上位と中位の勝点差は広がることに。唯一順位に変動があったのは東農大と國學大。東農大が8位浮上する一方、國學大は9位に後退した。また7位の平国大、8位・東農大、9位・國學大の3チームが勝点17点で並び、さらに10位の明学大が勝点1差の16に。降格圏内が迫るポジションにいるだけに、この4大学の動きにも注目したい。中断期間にどのチームが大きな成長を見せたのか、次節の展開に期待がかかる。第15節は9月30日(土)に5試合、10月1日(日)に2試合が行われる。