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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・2部第6節レポート

2017/05/24
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第6節は、5月20日(土)に4試合、5月21日(日)に2試合が行われた。



○開幕5連勝で集中応援開催を迎える国士舘大学(勝点15・1位)と、こちらも集中応援の大きな声援を背に、開幕戦以来の勝利を目指す神奈川大学(勝点6・6位)の一戦。

 気温が30℃近くまで上昇し、5月とは思えない暑さの中で行われた一戦は、気温同様に熱い試合となった。試合は序盤から五分五分の展開。国士大は、司令塔の10番・平野佑一にボールを集めるが、対する神大もU-19日本代表に選出された32番・金子大毅がこれをマンマーク。加えて、攻撃のスイッチを入れる縦へのパスをことごとくカットするなどして、国士大の攻撃を封じる。しかし、国士大の裏を狙って前線にボールを入れる神大の攻撃も不発で、両チーム得点が動かないまま、0-0で前半を終える。
 しかし後半開始早々の47分、ついに試合が動く。神大の8番・野沢祐弥のコーナーキックから7番・河村英侑が左足で鮮烈なシュートを放ち、国士大ゴールのネットを揺らす。先制を許した国士大はこの失点で目を覚ますと、サイドを起点に幅を使った攻撃で神大を圧倒。たびたびゴールに迫るが、体を張って守る神大の守備陣をなかなか崩すことができない。このまま神大が逃げ切るかと思われた82分、国士大が首位の意地を見せる。今季初スタメンの12番・平野智也からのクロスにフリーになった7番・荒木翔が、技ありのボレーを放つ。「あれは、荒木にしかできない」と指揮官の細田三ニ監督が嘆息したシュートは、ゴールキーパーの頭上を越え、ゴールに吸い込まれた。試合はそのまま1-1で試合終了。両チーム勝点1を分け合った。
 この結果により、国士大は開幕からの5連勝、公式戦13連勝がストップ。細田三ニ監督は「(連勝記録は)いつかは止まるもの」とコメント。「今日は相手のやることが徹底していた。シュート数はそう打たれていないが、失点シーンは相手の見事なシュートだった」と相手の神大の戦いぶりを評価した。そのうえで「ウチは運動量が多いのだから(相手の足が止まる)後半こそ動かなければならないのに、動けていなかった」との反省点も。今節では、2位につけていた早稲田大学が勝利したため、得失点差でわずか及ばず、首位の座を明け渡す痛い引き分けとなった。それでも「ああいう時間帯に我慢して、勝点1を取れたことは次につながる」との細田監督の言葉どおり、この勝点1を次節の東京学芸大学戦につなげたいところだ。一方、1点を守りきれなかった神大は、4戦連続の分けゲーム。敗れた試合は1試合だけだが、なかなか勝点を伸ばすことができていない。しかし、波に乗る首位国士大に対しての善戦。「国士大(の連勝)を止めるとしたらウチだと思っていた。今日は流れ的に勝てるかもしれないが、負けるかもしれない展開だった」と長谷川大監督。「先に点をとったことで試合を優位に進めたかった」が「最後は相手の個人技にやられた」と、こちらも相手のゴールシーンを評価。しかし「これまではエンジンのかかるのが遅かった。けれど今日はサイドバックとセンターバックの間のスペースがよく流れて、意図しているところは出せたと思う」との収穫も。「何より、負けなかったことを評価したい。この凌ぎ合いが次に活きると思う」と、次節・拓殖大学戦に向けて巻き返しに期待できる試合となった。


○同会場で行われた国士舘大学が引き分けたことにより、勝てば首位浮上となる早稲田大学(勝点13・2位)と、頭一つ抜ける上位2校との勝点差を埋めたい拓殖大学(勝点7・4位)との一戦。

 両校集中応援となる一戦は、互いの気持ちがぶつかり合う好ゲームとなった。スタンドに多くの観客が詰めかける中、先に主導権を握ったのは拓大だった。拓大は特徴であるパスサッカーでボールを支配し、攻撃を組み立てる。対する早大は、14番・石川大貴、19番・武颯の2トップが起点となり、ボールを支配されながらもゴールに迫る。
 スコアレスで迎えた後半、この暑さの中で拓大は足をつる選手が続出。疲れの色が見え始めた拓大に対して、早大は、19番・武に代えて9番・飯泉涼矢を投入。この交代をきっかけに、試合は徐々にペースは早大に傾いていく。そして終盤の86分、ついに試合が動く。足が止まった拓大ディフェンスからフリーで抜け出した10番・秋山陽介がドリブルで突破。最後は途中出場の9番・飯泉がGKをかわしながら押し込んでゴール。「(GKがボールを)変なふうに巻き込んでいたから蹴りにくかった。だからゴールが決まって、うれしいというより"ホッとした"のが正直なところ」という、9番・飯泉の今季初ゴールで、早大が大きな先制点を得る。同点に追いつきたい拓大は、すぐさま14番・大山徹を投入。反撃に出るも同点弾は生まれず、そのまま早大が接戦を制した。
 勝利した早大は国士大と勝点16で並んだが、得失点差で上回ったため首位に浮上。引き分けを挟む苦しい試合でも勝点を重ねる強さを見せた試合で早大らしさを見せつけた。しかし、主将の4番・鈴木準弥は「相手が球際やハードワークのところで前からきていて、自分たちが強みとしていた部分でやられていた。1試合通して打ち負けたというか、最後まで自分たちの流れにもっていけなかったと思う」と課題を口にし、素直に拓大を「手強い相手だった」と評した。首位には立ったものの、2位・国士大との差は僅か。次節・青山学院大学戦に勝利し、首位を盤石なものとしたいところだ。
 一方、前半にはゲームを支配した時間があっただけに悔しい敗戦となったのが拓大だ。急速に疲れが見えた後半は、ゲームマネージメントの面でも大きな課題点として挙げられるだろう。次節は、神大との対戦。上位陣に引き離されないためにも負けられない試合になることは間違いない。


〇なかなか波に乗り切れず苦しい状況の東海大学(勝点4・9位)と、こちらも前節は立正大学に手痛い引き分けとなった東京学芸大学(勝点5・8位)の一戦。

 試合は序盤から、両チームとも激しく球際で奪い合う展開となった。東海大はエースナンバーを背負う10番・堀越大蔵を起点とし、前線の3人の連動的な攻撃でチャンスを演出。対する東学大は、この試合でボランチにコンバートされた29番・半谷陽介が的確なパスで攻撃を組み立てる。試合が動いたのは18分、東学大3番・鈴木翔太のパスを受けた9番・高橋滉也がドリブルで相手DFを抜き去ると、GKとの1対1から冷静に左足を振り抜きシュートを突き刺す。幸先良く先制した東学大は続く21分にも、29番・半谷のスルーパスから14番・山中海斗が左足のシュートで押し込み、2点目を決める。リードを広げられ、反撃に出たい東海大はゴール前で幾度か決定機を迎えるも、決め切ることができない。
 後半に入ると東海大はスピードが持ち味の11番・山内健史を投入。攻撃に変化を加えると、細かいパスワークからチャンスを演出。しかし東学大も、体を張った守りで得点を許さない。一進一退の攻防の中、スコアを動かしたのはみたび東学大だった。70分、29番・半谷のパスを受けた17番・林勇太が右足のシュートをゴールに流し込み追加点。3-0と東海大を突き放し、試合を決定づけた。3失点を喫した東海大は82分、コーナーキックから3番・榎戸晧平がヘディングシュートを決めて1点を返して意地を見せるが、追加点を決めることはできずにタイムアップ。東学大が勝利を収めた。
 敗れた東海大はこれで2連敗。第4節に待望の初勝利を挙げたものの2勝目が続かず、順位も11位に落とすなど、苦しい状況が続く。次節は中央大学と対戦。上位相手に、巻き返しのきっかけとしたいところだ。一方、今季2勝目となった東学大は、8位から4位に大きく浮上。また、ボランチにコンバートされた29番・半谷が2得点に絡む活躍で期待に応えるなどの好材料も。次節は無敗記録を更新中の国士舘大学と対戦するだけに、この好調さを維持して臨みたい。


◯ここまで1勝3敗1分と思うように波に乗れない青山学院大学(勝点4・11位)と、5試合を終えて7位ながらさらに上位進出を狙う立正大学(勝点5・7位)の一戦。

 試合は序盤からお互いに譲らない、激しい攻防が繰り広げられた。スコアが動いたのは17分、青学大9番・窪園大地が16番・尾ノ上幸生のスルーパスにタイミング良く抜け出すと、右足のシュートをゴール右上に落ち着いて決めて先制する。この得点で波に乗った青学大は、39分、10番・小泉佳穂が華麗なドリブルで相手をかわして追加点。さらに5分後の44分にもチャンスが訪れる。30番・清水映心が放ったシュートは相手GKに弾かれたが、すぐさまこぼれ球を9番・窪園が拾い10番・小泉にパス。10番・小泉が右足のシュートを突き刺し、3点目を決めた。青学大が前半だけで3-0とリードを広げ、前半を終了する。
 後半は3失点を喫した立正大が反撃に出る。61分、2番・冨江皓が左サイドからクロスをあげる。それに9番・関岡亮太がヘディングで合わせて1点を返した。この勢いのまま点差を縮めたい立正大だったが、次にスコアを動かしたのは青学大だった。80分、途中出場の33番・大竹颯は、10番・小泉からパスを受けると左足を振り抜き4点目。立正大を突き放すと、さらに終了間際の90+2分、8番・瀬川泰樹が9番・窪園のパスにうまく右足で合わせ5点目をマーク。試合は5-1で終了し、青学大が大量得点で3試合ぶりとなる勝利を収めた。
 勝点3を手に入れた青学大は勝点を7に伸ばし、降格圏内の11位から8位に浮上。次節は首位・早稲田大学と対戦する大一番となる。一方、敗れた立正大は順位を3つ落とし10位となった。6試合で9得点と攻撃はまずまずながら、この試合だけで5失点、これまで15失点と守備の脆さに課題が残るようだ。次節は朝鮮大学校と対戦する。


〇3試合連続の勝点獲得を目指す朝鮮大学校(勝点4・12位)と、4試合ぶりの勝利を狙う日本大学(勝点4・10位)の一戦。

 勝点4で並び、最下位争いから抜け出したい両チームの戦いは、互いに様子をうかがいあう慎重な立ち上がりに。試合が動いたのは24分。コーナーキックのチャンスを得た日大は、26番・川野勝裕のあげたボールに7番・金子拓郎が直接頭で合わせて先制。その直後の27分には、ペナルティーエリア内の決定機を防ごうとした朝鮮大の5番・文寿賢がファウルをおかし、日大にペナルティーキックを献上。これを日大の29番・押尾大貴がしっかりと決め、一気に2点差とリードを広げる。日大に押し込まれる展開となった朝鮮大だったが、徐々に流れを掴み始めると35分、10番・金成純が高い位置で相手ボールをカット。パスを受けた9番・梁碩柱が技ありのゴールを決めて、1-2で折り返す。
 前半は攻めの姿勢を見せていた日大だったが、後半は打って変わって守備を固める展開に。朝鮮大は5番・文を中心にチャンスを作るが、日大の堅い守備をなかなか崩せず厳しい時間帯が続く。試合が膠着状態に陥る中、日大は85分にカウンター攻撃を仕掛ける。7番・金子のラストパスを受けたのは、その2分前に途中出場したばかりの32番・馬場拓哉。32番・馬場が左足でゴールを決め1-3と突き放すと、そのまま試合は終了。川津博一監督の采配が的中した日大が3得点を挙げ、第2節以来の勝点3を手にした。
 朝鮮大は次節、1-5で青山学院大学に大敗した立正大学と対戦。2試合連続無失点だった堅い守備が、この試合では3失点を喫しているだけに、まずは守備の立て直しをはかりたいところだ。一方日大は4試合ぶりに、遠ざかっていた勝星をようやく手にし、10位から6位へ大きく浮上。勝点7に4チームがひしめき合う混戦となるが、次節は勝点1差と負けられない東京農業大学と対戦する。


〇勝てば順位が入れ替わり3位浮上の東京農業大学(勝点6・5位)と、勝点3を得て上位2チームに追いつきたい中央大学(勝点9・3位)の一戦。

 中大がコーナーキックやフリーキックなど、セットプレーからチャンスを作る序盤となったが、試合の流れは東農大。前半16分、東農大は17番・手塚竣一朗が34番・吉田将也のクロスに合わせて先制点を挙げる。しかし中大も38分、17番・大橋祐紀が相手DFのボールをカットするとGKをかわし、最後は落ち着いて無人のゴールに流し込んで同点ゴールを決める。
 1-1の同点で迎えた後半、先に追加点を挙げたのは中大だった。52分、20番・野口竜彦が自身で獲得したペナルティーキックを決め、2-1と逆転に成功する。だが東農大もそのわずか3分後の55分、相手のルーズボールを拾った29番・渡辺太一がそのまま同点弾を決め、再び試合を振り出しに戻した。しかし、ここから試合はまたもや中大のペースに。72分、中大は19番・加藤陸次樹のシュートのこぼれ球を11番・石井光が押し込み勝ち越しの3点目。さらに75分には19番・加藤がダメ押しの4点目を決め、2-4で試合は終了した。
 東農大はこれで3連敗となり混戦状態の2部リーグで5位から9位に急転落。次節は昇格組ながら6位と奮戦する日本大学と対戦する。順位的にも、勝点的にもこれ以上は負けられない。一方負けなしで前期リーグを折り返した中大は、久しぶりの勝点3を手にした。前半は主導権を握られたものの、後半は落ち着いてボールを支配し、東農大を圧倒するなど、内容的にも次につながる一戦となった。勝点も12に伸び、早稲田大学、国士舘大学に続く3位をキープ。上位2チームとは勝点4差と、徐々にその差を詰めつつある。次節は2連敗中の東海大学と対戦。確実に勝利を手にし、上位争いについていきたいところだ。



 次節、第6節は5月27日(土)に県立保土ヶ谷公園サッカー場にて、東京農業大学と日本大学、相模原ギオンスタジアムにて、早稲田大学と青山学院大学が対戦。また、中央大学多摩キャンパスサッカー場では中央大学と東海大学、国士舘大学と東京学芸大学、立正大学熊谷キャンパスサッカー場にて、朝鮮大学校と立正大学、神奈川大学と拓殖大学がそれぞれ戦う。
 ついに国士舘大学の連勝がストップし首位から陥落。代わりに早稲田大学が首位に浮上した。勝点16で並ぶ2校に、勝点12の中央大学が続き、そこから勝点4が離れた4位東京学芸大学と12位朝鮮大学校の8校が勝点4差でひしめく2部リーグ。下位9校が大混戦の様相をみせるなか、負けなしでひた走る上位3校との差は開きつつある。下位から抜け出し、上位3校の勢いを止めるチームは現れるのか。このまま上位が下位との差を広げ続けるのか。ついに前期リーグも折り返し。上昇し始める気温に負けない熱い試合に、今後も目が離せない。

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