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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・2部第8節レポート

2017/06/09
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第8節は、6月3日(土)に2試合、6月4(日)に4試合が行われた。



◯前節、中央大学に勝った勢いで連勝を狙う東海大学(勝点7・10位)と、連敗を食い止めて巻き返しを狙う朝鮮大学校(勝点4・12位)の一戦。

 試合は、東海大がロングボールを駆使して、11番・山内健史を起点とした攻撃で朝鮮大ゴールに迫る。受け身に回ってしまった朝鮮大だが、センターバックの6番・白明哲がヘディングで次々と東海大の攻撃を跳ね返し、得点を許さない。また、攻撃では5番・文寿賢が多彩なパスでチャンスを作り出すなど、どちらも一歩も譲らない。互いに積極的な攻撃を展開したが、スコアは動かずに0-0で試合を折り返す。
 後半は朝鮮大がボールポゼッションを高めて主導権を握る展開となった。前半とは一転、守備の時間帯が増えた東海大だが、GKの12番・千本松徹がファインセーブを連発。ゴールを許さない。66分、ついにスコアが動く。東海大はコーナーキックから混戦になった末に3番・榎戸皓平がヘディングで押し込み、先制点を決める。その後は朝鮮大が猛攻を仕掛けるも、東海大の守備を崩すことができず、1-0で試合終了。東海大が勝利を収めた。
 勝利を掴んだ東海大は勝点を10に伸ばし、8位に浮上。次節は神奈川大学と対戦する。3連勝で一気に上位グループにつけたいところだ。一方、連敗ストップとならなかった朝鮮大は依然最下位のまま。メンバーを大きく変えて臨んだこの試合では、主導権を握る時間帯もあったがゴールにつながらなかった。次節の対戦相手は上位の中央大学と、苦しい状況が続いている。


◯ここ6試合勝ちなしと苦況が続く神奈川大学(勝点7・10位)と、3戦負けなしで好調を維持する日本大学(勝点8・6位)の一戦。

 試合は立ち上がりから神大が主導権を握る展開となる。神大はボランチの22番・大塚一輝と6番・河村知侑を中心にボールを回し、日大ゴールに迫る。スコアが動いたのは11分。神大の7番・河村英侑がシュートを放ち、一度は日大DFにブロックされたが、こぼれ球を拾った9番・吉田蓮が右足を振り抜き、神大が先制する。さらに23分には味方のスルーパスに抜け出した6番・河村知侑が左足で落ち着いてゴールを決め、2点目をマーク。前半終了間際の42分には、8番・野澤祐弥がこぼれ球を押し込み3点目を決める。3点のビハインドを負った日大も果敢に攻めたが、前半のシュート数は1本と、チャンスを作りきれない。
  後半、0?3とリードされて反撃に出たい日大は中盤の選手が積極的に攻め上がり、猛攻を仕掛ける。しかし神大のDF陣が集中した守りで得点を許さない。このまま試合終了かと思われた試合終盤の85分、日大が意地を見せる。味方のシュートのこぼれ球に反応した36番・高田龍司が左足で押し込み1点を返す。その後も日大は神大ゴールに迫るものの、90+3分に前がかりになったところにカウンターから神大の11番・橋口元樹がゴールを決めて勝負あり。4-1で神大が勝利を収めた。
 神大は開幕戦以来となるうれしい勝利。次節は東海大学と対戦するが、これまで勝ちきれなかった分、前期残り3試合を連勝で終わらせたいところだ。一方、敗北を喫した日大は、6位から9位に大きく順位を落とした。次節は青山学院大学と対戦するが、関東リーグ残留のためにはこれ以上負けられない。


〇ともに今季初の連勝を狙う拓殖大学(勝点10・4位)と立正大学(勝点8・7位)の対戦。

 強風の吹き荒れる中始まった一戦は、序盤から一方的な試合となった。前節で負傷した9番・関岡亮太を欠く立正大は、フォーメーションを変えての試合に臨んだが、前半に試合を支配したのは拓大。序盤にはコーナーキックから5番・菅谷政博が立て続けにシュートを放つなどして、立正大を責め立てる。試合が動いたのは前半21分だった。拓大は7番・西山大輝が、今期、初のスタメンとなる34番・池田廉にパス、それをダイレクトで落とすと、28番・長尾吉家が落ち着いてGKの頭上を狙うシュートを決めて先制する。さらに前半37分にも4番・田代圭亮のくさびを28番・長尾が落とし、6番・岩出拓也がロングシュートで2点目をあげる。一方、立正大は前半のシュートがわずか2本と、自慢の攻撃陣が機能せず前半が終了した。
 後半は前半と打って変わって立正大が試合を進めた。しかし、徐々にペースを取り戻した拓大は63分、2番・細田真也のクロスを15番・益子大輝が合わせ、こぼれ球を34番・池田が押し込み3点目。74分には、同じくこぼれ球を昨年度新人賞受賞の7番・西山が、右から豪快なシュートを突き刺して立正大にとどめをさす4点目。4-0と拓大の完勝で試合が終了した。
 この結果、今季初の連勝を収めた拓大。玉井朗監督は「うちにとっては非常に大きな勝ち」と語る。「実力を十分に発揮できた。これまでチャンスがあっても(ゴールを)決められないことが多かったが、今日は決めきることができた」と満足顔だ。これまで「シュートを確実にしようとして、打つべきときに打たないシーンが多かった」。その意識を変えるために前線の選手を変え、今節では34番・池田をスタメンで起用。その効果が出た形だ。攻撃ばかりではなく無失点という結果も「選手たちの自信になったと思う」と玉井監督。次節は、首位でいまだ負けなしの国士舘大学と対戦。「簡単にはいかないと思うが、勝っても負けても今日のようなゲームができれば」と語った。一方、完敗を喫した立正大は、次節に早稲田大学と対戦。立正大にとっては残留を確実にするために、そして早大にとっては首位奪取のためにも負けることのできない厳しい戦いとなるだろう。


○今季未だ無敗、圧倒的な強さを見せる国士舘大学(勝点19・2位)と、現在11位となかなか調子の上がらない青山学院大学(勝点7・11位)の対戦。

 試合は、立ち上がりから青学大ペースで進んだ。ディフェンスラインから丁寧にビルドアップをする青学大に対して、前線からプレスをかける国士大はなかなかボールを奪うことができない。ボールを支配する青学大は、2回ほど決定的なチャンスから国士大ゴールに迫るが、決めきれず。国士大も何度かシュートを放つが、ゴールネットを揺らせずスコアレスで試合を折り返した。
 迎えた後半開始早々、ついに青学大が試合を動かした。52分、左サイドから18番・小田寛貴がドリブルでゴール前まで突破すると、右サイドを駆け上がった6番・佐藤凌輔にラストパスを送る。これを6番・佐藤がサイドネット際へと流し込みゴール。青学大が先制点を挙げる。その後もペースは青学大。国士大に攻め込まれるシーンもあったが、集中したディフェンスでゴールを許さない。1点を追う国士大は、11番・田場ディエゴを投入して流れを変えようとするが、攻撃の糸口を見つけることができないまま試合は終盤へ。試合時間が残り10分を切り始めたところで、国士大がチャンスをつくる場面が増えるものの、青学大もこれを死守。しかし、タイムアップが近づいてきた90+5分にまさかの展開が待っていた。エンドラインで粘る国士大の9番・本間達耶がクロスをあげようとすると、これが青学大DFの腕に当たり、ハンドの判定がくだされる。ペナルティーキックを獲得した国士大は、10番・平野佑一が冷静にゴール左にシュートを決めてここでタイムアップ。1-1で両校勝点1を分け合うことになった。
 土壇場の同点ゴールで勝点1を獲得した国士大は、首位を走る早稲田大学が敗れたため、首位に浮上。大きな勝点1となった。細田三二監督は「すべて言い訳だが」と前置きをしたうえで、移動時に電車トラブルが相次ぎ選手に精神的な疲労があったことを挙げた。また中心選手である7番・荒木、8番・山口、10番・平野が教育実習のため「ほとんど練習できないまま、ぶっつけ本番のような形で試合に臨んだ」という。GKの1番・野津幹陽も教育実習中で、「本来なら週末の試合には出られるはずだったが、今日は学校行事があってこられなかった」と二重三重の苦境に見舞われた。それを表すように、試合は終始相手のペースに。「うちは前に行く推進力が欠けるとダメになる。今日はその力がなかった」と振り返る。しかし、そんな劣勢のゲームでも勝点を積み続けられることが、今の国士大の強さを示している。「最後はPKだったしツキといえばツキ。だがチームには最後まで諦めないようなところがあった」と細田監督。次節は連勝で勢いに乗る拓大と対戦。細田監督は「早い、うまい、いやらしいプレーをするイヤな相手」と笑いながら警戒するが、きっちり勝って奪取した首位の座をキープしたい。
 一方、試合終了間際の失点で勝ち星を逃した青学大にとっては、悔しい勝点1となった。しかし、試合内容では完全に上位の国士大を圧倒。丁寧なビルドアップは目を見張るものがあった。前節、早稲田大学に1-5と大敗を喫したことで「ある意味吹っ切れた」と語るのは、青学大・流郷吐夢監督。「選手たちが勇気をもってボールを動かしてくれた。自分たちのもっているものを全部ぶつけてくれたと思う」と、試合内容を評価。しかし「勝負強さの面が(国士大に比べて)弱かった」ことが、勝点2を逃す結果となった。それでも「連敗せず、勝点1をとったことは評価したい」と流郷監督。次節は日本大学と対戦。流郷監督は「前期残り3試合は結果にこだわりたい」というが、今節の試合内容を続けることができれば、勝点もおのずと積み上げていけるに違いないだろう。


〇首位グループについていくためにも連敗は避けたい中央大学(勝点12・3位)と、最後までし終了間際の失点を防ぎたい東京学芸大学(勝点8・6位)の一戦。

 試合は立予想だにしない展開となった。開始早々の前半1分、中大のバックパスに対して、持ち前の速さを活かしてプレッシャーをかけた東学大の10番・岸寛太が、GKのボールをカットしてそのままゴールに流し込み、東学大が早々に先制点を得る。その後は中大がサイドを起点に攻撃を組み立てながら東学大ゴールに迫る。クロスバーに弾かれたものの、12分には20番・野口竜彦が決定的なシュートを放つなど、中大が次々とチャンスを作り東学大を圧倒していく。対する東学大は自陣でブロックを敷きつつも、10番・岸を前線に残し、カウンター攻撃のチャンスをうかがう。同点に追いつくべく、幾度もチャンスを演出した中大だったが、ゴールはならず0-1の東学大リードで折り返す。
 後半に入った57分、東学大は7番・色摩雄貴のフリーキックをGKが弾いたところに10番・岸が押し込む。しかし、これは中大3番・渡辺剛がカバーに入りギリギリのところでピンチをしのぐ。東学大は後半に入るとラインを高くして前からプレスをかけるが、中大も20番・野口や、怪我から復帰の10番・寺村介が相手の背後のスペースに抜け出して、攻撃の形を作る。10番・寺村の投入でさらに勢いづいた中大であったが、しかし最後まで東学大の堅い守備を破ることはできず。開始早々の得点を守り切った東学大が、無失点で勝利を収めた。
 中大は、内容では東学大を圧倒。ゲームを支配して攻め続けたもののショッキングな敗戦を喫した。そのうえ、立正大学相手に勝利を収めた拓殖大学に勝点で上回られ、ついには4位に転落することとなった。次節は最下位に沈む朝鮮大学校と対戦するが、ここでズルズルと調子を落とさないことが肝要だ。一方、勝利を収めた東学大は中大と勝点1差で5位と、ひとつ順位を上げた。次節は早稲田大学に勝利し、勢いに乗る東京農業大学と対戦。最後まで集中した戦いを見せた今節の勢いのまま、勝利を目指す。


〇開幕からいまだ負けなしの早稲田大学(勝点19・1位)と、ここ4試合勝利のない東京農業大学(勝点7・8位)の対戦

 勢いのある首位・早大と調子の上がらない東農大、対称的な両校の一戦は、波乱の展開となった。早大は、名古屋グランパスに加入が内定している10番・秋山陽介を中心に猛攻を仕掛けるも得点を決められない。一方、東農大は、前半36分に中央でボールを持った10番・牧寛史が左サイドの17番・手塚竣一朗に展開。中央にいる16番・影森宇京にパスを出し、ボールを受けた16番・影森は、チームのファーストシュートでゴールを決め、東農大が先制する。勢いにのる東農大は、前半43分に左サイドの17番・手塚が16番・影森にボールを預け、中央にいる18番・中野椋太にパスを出す。ボールを受けた18番・中野が追加点を決め、0-2と早大を突き放して前半が終了する。
 後半、猛攻を仕掛けた早大の攻撃がついに実る。65分、4番・鈴木準弥からのロングフィードを14番・石川大貴がボールを受け、11番・柳沢拓弥にパスを出す。するとボールを受けた11番・柳沢は、落ち着いてゴールを決め、スコアは1-2に。その差を1点差に詰める。逆転を狙う早大は、現在2部得点ランキング1位の19番・武颯に代えて9番・飯泉涼矢を投入。しかし85分、に早大のミスをつき途中出場の東農大29番・渡辺太一がカットし、そのままダメ押しの3点目。これが早大にとどめを刺し、1-3で試合が終了した。
 早大の今季初黒星は、国士舘大学に首位の座を明け渡す悔しい敗戦となった。次節は都県リーグからの昇格組で、波に乗りきれない立正大学と対戦する。勝点差はわずか1とはいえ、首位の国士大に引き離されないためにもぜがひでも勝利したいところだ。一方、5試合ぶりに勝利を収めた東農大。1部を目指すためには、ここで連勝して勢いをつけたいところだ。次節は、東農大と同じく今節で上位校に勝利し、今季初の連勝を目指す東京学芸大学と対戦する。勝てば順位が入れ替わるだけに勝点3を狙いたい。



 次節、第9節は6月10日(土)に古河市立古河サッカー場にて東京農業大学と東京学芸大学、早稲田大学と立正大学が対戦する。翌6月11日(日)には古河市立古河サッカー場にて青山学院大学と日本大学、中央大学と朝鮮大学校、拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場にて神奈川大学と東海大学、国士舘大学と拓殖大学がそれぞれ対戦する。
 今節、首位の早稲田大学がリーグ初黒星を喫し2位に後退、2位の国士舘大学が勝点1を積みあげ、今季無敗をキープして首位に再浮上した。上位2チームが頭一つ抜け出す様相をみせる2部リーグだが、下位チームは大混戦。勢いに乗れば、上位進出のチャンスはどのチームにもある。上位2チームの独走を止めるチームは現れるのか。前期リーグもいよいよ大詰め。一戦一戦の熱い戦いに、目が離せない。

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