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JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦・2部第4節レポート

2017/05/10
 『JR東日本カップ2017 第91回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』2部リーグ第4節は5月6日(土)に3試合、5月7日(日)に3試合が行われた。



〇下位相手に勝利を逃し、波に乗り切れない神奈川大学(勝点4・5位)と、いまだ負けなしと好調、集中応援日に勝利したい中央大学(勝点7・3位)の一戦。

 両チームともに固い入りであったが、終わってみると互いに得点を奪い合う展開となった。まず均衡を破ったのは中大。19分に2番・安在達弥からのクロスを19番・加藤陸次樹が頭でしっかりと合わせて先制点を得る。しかし26分、神大9番・吉田蓮が同点ゴールを決め、すぐに試合を振り出しに戻す。38分には中大がゴールから少し距離のある位置で直接フリーキックのチャンスを獲得。キッカーを務める10番・寺村介が鮮やかな弾道のシュートを直接叩き込み、またしても中大がリードする展開で前半を終える。
 後半に入ると、徐々に神大がボールを自由に動かす時間が増えてくる。すると75分、78分と立て続けに神大9番・吉田がゴールを挙げ、ハットトリックを達成。負けられない中大は、関東リーグ初出場となるフレッシュなメンバーを投入し攻撃の活性化を図る。このまま神大の勝利で試合を終えるかと思った85分、中大の2番・安在がまたしても正確なクロスを上げると、これを主将の5番・須藤岳晟が左サイドへと流す。そこに走り込んでいたのが17番・大橋祐紀。「前半にも似たようなシーンがあったし、ちょうどいい位置で左足のところにきたので」とダイレクトで振り抜き、貴重な同点ゴールを決める。試合終盤の土壇場でゴールを挙げた中大が引き分けに持ち込み3-3で試合終了。
 神大は9番・吉田の活躍で勝点1を獲得。「前節は調子が悪かったので本人も納得していなかったと思う」と長谷川大監督は振り返るが、今説はそれを払拭する活躍を見せた。しかしここ数試合、得点は得るものの失点の多さが目立ちなかなか思うように勝点を伸ばせていない。「前回よりは修正できると思うが、前半は能力の高い相手に好きなようにやらせてしまった。また後半のようにいい流れのときに失点してしまうところがある。この引き分けは神大にとってもったいないし、前半を見る限り中大にとってももったいなかったと思う」とコメント。それでも「上位相手に負けなかったのは、次につながる勝点1だったと思う」という。次節は下位に苦しむ青山学院大学と対戦。これ以上の取りこぼしは許されない。
 対する中大は攻め続ける時間が多かったにもかかわらず、一瞬の隙を突かれ勝点3を逃した。「この3連戦で唯一主導権を握れていた試合だったが、3失点をしてしまうようではかなり難しい」と手塚聡監督。4戦負けなしと好調を維持しているものの、「チームとしての守備をもう少し改善しないと、安定したゲームはできない」ことは確かだ。次節の対戦相手は日本大学。ディフェンシブにくる相手に対して「どう崩すか。守備を整理しながら、コンディションを整えて臨みたい」。


○開幕こそ白星もその後は連敗を喫し、調子の上がらない拓殖大学(勝点3・8位)と、集中応援日の大きな声援を背に勝点3を取りたい日本大学(勝点3・9位)の対戦。

 連戦最終日とあって疲れもみえる中、試合は日大が主導権を握った。攻撃ではMF6番・内田主理が中心となって展開。対する拓大は、押されながらもDFの4番・田代圭亮を中心にゴールを守り、前半を0点で守りきる。 しかし前半をシュート0本に抑えられた拓大は、後半に25番・冨澤数馬を投入。開始早々からシュートを放つと、流れが次第に拓大に傾く。巻き返しを図りたい日大も、29番・押尾大貴、32番・馬場拓哉と、前線の選手の投入。しかし、互いにチャンスをつくるがゴールネット揺らせないまま、試合はアディショナルタイムに突入。このアディショナルタイムに、試合は劇的な幕切れを迎える。拓大は90+1分、14番の大山徹を投入。すると90分+4分、その14番・大山からドリブルで中央を突破。その突破からパスを受けた、こちらも途中交代の31番・稲垣達也がゴール前でボールをコントロールし、右足でシュートを突き刺し、拓大が先制。31番・稲垣の劇的ゴールが決勝点となり、拓大が勝点3をゲットした。 敗れた日大はこれで2連敗。第2節で初勝利を挙げるも、その後勝利がなく苦しんでいる。次節は、未だ負け無しの中央大学と対戦。1部昇格有力候補の強豪から、何としても勝点を奪いたい。
 玉井朗監督の采配が的中し、大きな勝点3を得た拓大は次節、朝鮮大学校と対戦。相手は前節初勝利を挙げているだけに、勢いがあることが予想されるが、今節の勝利をきっかけに調子をあげていきたい。


〇開幕から3連勝で首位を独走する国士舘大学(勝点9・1位)と、黒星発進だったもののここ2戦は負けなしと調子をあげている立正大学(勝点4・6位)の対戦。

 序盤から国士大がボールを支配する時間が多い中、スコアを動かしたのは立正大だった。11分、国士大のパスミスをカットした10番・山口滉大が、前線の11番・雪江悠人に素早くくさびのパスを入れる。これを11番・雪江が確実に決め、立正大が先制する。リーグ初失点を喫した国士大。2試合ぶりにスタメン復帰となった10番・平野佑一を中心に、3バックで守る立正大のサイドを幾度となく破るも、決定力を欠くプレーが続く。それでも33分、7番・荒木翔が右サイドを突破、ゴール前にクロスをあげると、これを19番・高橋利樹がオーバーヘッドキックで合わせてゴール。国士大が同点に追いつき、1-1で試合を折り返す。
 後半開始早々、再び試合が動く。46分、先制点を決めた立正大の11番・雪江が右サイドでボールを受けると、前線の3番・鈴木順也へとスルーパス。うまくマークを外してフリーになった3番・鈴木が右足を振りぬき、国士大から再びリードを奪う。そこからは前半とうってかわって、立正大ペースとなった。流れを変えたい国士大は、78分に11番・田場ディエゴを投入。するとその1分後、みたび試合が動く。クロスボールに合わせた22番・諸岡裕人のシュートは立正大GK1番・中村慧に阻まれるも、そのこぼれ球を14番・大石竜平が押し込み、国士大が試合を振り出しに戻す。この同点打をきっかけに、流れは一気に国士大へ傾いた。81分、国士大は、立正大GK1番・中村のファウルでペナルティキックを獲得。これを10番・平野が確実に決めて、土壇場で逆転に成功。苦しい試合でも勝ち切る強さをみせた国士大が3-2で連勝を「4」に伸ばした。
 終盤の2失点で悔しい敗戦を喫した立正大は次節、ホームグラウンドである立正大学熊谷キャンパスサッカー場にて、東京学芸大学と対戦。首位の国士大相手に2度のリードを奪った攻撃力を次節に活かしたい。さらにその日は立正大の集中応援日。応援の力を背に、勝利をおさめたいところだ。
 逆転勝利を収めた国士大は、次節、東京農業大学と対戦。圧倒的な強さをみせる国士大が、どこまで連勝を伸ばせるか注目だ。


〇3連勝して勢いに乗りたい東京農業大学(勝点6・4位)と、開幕から3連敗を喫し悪い流れから脱出したい朝鮮大学校(勝点0・12位)の一戦。

 試合は開始早々から動く。2分に朝鮮大がコーナーキックを獲得。10番・金成純があげたキックに14番・金将来がヘディングで合わせ、朝鮮大が先制する。早い時間帯から失点を許してしまった東農大は早々に反撃を開始。22番・安藤一哉が得意のドリブルで攻撃の起点となり、朝鮮大のゴールに迫る。しかし、なかなか得点には繋がらない。追加点を狙う朝鮮大も9番・梁碩柱がサイドから果敢に攻め上がるが、こちらもスコアを動かすことができず0-1で試合を折り返す。
後半に入ると東農大が猛攻を仕掛ける。右サイドの2番・加藤徹が高い位置にポジションを取り、朝鮮大の守備ブロックを崩しにかかる。57分には主将の5番・割田大遥を投入し、攻撃の活性化を図るが、朝鮮大のGK1番・辛洸徹が好セーブやディフェンスラインの体を張ったプレーで1点が遠い。東農大は71分に36番・山本侑史、77分に10番・牧寛史といった攻撃的なカードを使ったが、スコアを動かすことはできずに0-1で試合終了。朝鮮大が、待望の今季節初勝利を収めた。
 開始早々の失点を取り返せず、惜敗を喫した東農大。攻め込む時間は長かったものの、前半の総シュートが0本と攻撃面に課題が残った印象だ。次節の対戦相手は国士舘大学と攻撃的なチームとなるだけに、今節よりは守備の時間帯も増えるだろう。その中でいかにチャンスを決めきるか。一方、今季初勝利で、勝点3を獲得した朝鮮大。金載東監督は、「泥臭い、みっともない試合だったが、そうしなければ勝てない」と今期の戦いを振り返る。「今日は入りのところ、球際、セカンドボールへのプレッシャー、集中力といったところで、少しだけ相手を上回ることができた」ことが勝因と分析する。「昨年もリーグの序盤は上位校との対戦が続いて連敗をしたので、この状況は想定内。ただ、連戦中にひとつくらい勝ちたいと思っていた」とする中で「今日の勝利は次につながる」とする。次節は拓殖大学と対戦。この勝利を、どうつなげるか。


〇1勝2敗で迎えた4節目、連敗は避けたい青山学院大学(勝点3・10位)と、ここまで勝利なし、今節こそ勝点3が欲しい東海大学(勝点1・11位)の一戦。

 試合は前半から東海大が数多くのチャンスを作り、青学大DFを圧倒しながら積極的に勝点3を狙いにいく。前半42分、東海大がカウンターから決定的なチャンスを作ると、青学大3番・池庭諒耶がたまらずファウルをおかす。これにレッドカードの判定が下り、3番・池庭は退場に。青学大は1人少ない状況になってしまう。そこから試合は一気に東海大にペースが傾く。このファウルで得たフリーキックを蹴るのは期待の1年生、31番の面矢行斗。31番・面矢のシュートは直接ゴール右隅に突き刺さり、43分に東海大が待望の先制点を得る。続く45+1分にも東海大がまたもや直接フリーキックを獲得。14番・若林涼太のキックに、2番・浦野将がヘディングシュートで合わせて追加点。0-2と東海大のリードで試合を折り返す。
 後半に入っても東海大の攻撃は衰えず。62分、相手のボールをカットした31番・面矢がドリブルで中央を突破しゴール前でシュートを放つと、自身2得点目となるゴールを得て0-3に。さらに71分、14番・若林の直接フリーキックから青学大のオウンゴールで4点目を得ると、79分にはスローインから14番・若林がダメ押しの5点目を決めて試合は終了。試合の立ち上がりには何度かシュートチャンスを得ていた青学大だったが、東海大は前半だけでシュート10本、直接フリーキックも試合を通して21本と、数字を見るだけでも青学大を圧倒する結果となった。また、5得点中4得点はセットプレーからの得点と、退場者を出した影響を免れない内容となった。
 下位の東海大相手に大量失点を喫した青学大はこれで連敗。次節は波に乗り切れずにくすぶる神奈川大学との一戦が待っている。どちらも次節では勝点を積み重ねたいところだ。
一方、今季初勝利を大量5得点で飾った東海大。やっと手にした勝点3だが、いまだ勝点4というのは厳しい状況。次節は2位の早稲田大学と対戦、好調を維持する早大相手に連勝を掴み、この好調さを本調子としたい。


○前節朝鮮大学校に7-0と大勝した早稲田大学(勝点7・2位)と、勝星を挙げて3連戦を終えたい東京学芸大学(勝点4・7位)との一戦。

 前節の大勝の勢いを持ち込みたい早大だったが、先制点を挙げたのは東学大だった。15分、東学大が得意とするゴール前でのロングスローから、3番・鈴木翔太がボールをそらすと、走り込んできた5番・石川将人が頭で合わせてゴールネットを揺らした。その後は同点弾の欲しい早大が攻め込む時間帯が続くが、前半を無失点で終えたい東学大も守備陣が身体を張り得点を許さない。しかし前半終了間際の41分、左サイドから早大12番・木下諒がクロスを上げると11番・柳沢拓弥が頭で折り返す。そのボールに19番・武颯が反応。右足で押し込み1-1の同点として前半を終えた。
 後半に入っても依然として試合の主導権を握るのは早大だった。55分、7番・相馬勇紀が左サイドでボールを持ち14番・石川大貴との連携でサイドを突破。グラウンダーのクロスを入れるとファーサイドに走り込んだ11番・柳沢が右足で合わせて逆転に成功する。64分にはまたしても7番・相馬が起点となりゴール前へボールを入れる。そのボールに19番・武がダイレクトで合わせた。19番・武のこの日2点目となるゴールで3-1とリードを広げる。なんとか点を取り返したい東学大は67分、29番・半谷陽介の折り返したボールを途中出場の7番・色摩雄貴が右足で合わせて決め1点を返し、3-2に。残り時間に猛攻を仕掛けて同点に追いつきたい東学大だったが、早大も4番・鈴木準弥を中心としたDF陣がゴールを死守。そのまま試合が終了し、3-2で早大が1点差を守りきった。
 強豪の早大相手に先制点を挙げることに成功した東学大。それだけに、逆転を許してしまったことが悔やまれる。次節の対戦相手である立正大学は、前節で強豪の国士舘大学相手に2度のリードを奪った相手。"昇格組"とはいえ油断できない相手だ。
 一方の早大は土壇場で勝点3を勝ち取り、4戦負けなしと古豪の実力を見せつけた。次戦は今季初勝利を5-0の大差で収めた東海大と対戦。相手の勢いに呑まれないようにしたい。



 次節第5節は、5月13日(土)に日本大学稲城総合グラウンドにて中央大学と日本大学、国士舘大学と東京農業大学が対戦。5月14日(日)には拓殖大学八王子国際キャンパスサッカー場にて拓殖大学と朝鮮大学校、早稲田大学と東海大学、立正大学熊谷キャンパスサッカー場にて東京学芸大学と立正大学、神奈川大学と青山学院大学の試合が行われる。
ゴールデンウィークの3連戦を終え、徐々に勝点にも差がつき始めた。今季から2部リーグを戦う国士舘大学と早稲田大学が1位、2位を占めるなど、強豪の実力を見せつけ続けるのか。はたまたこの2チームを止めるチームは現れるのか。2部で繰り広げられる戦いから目が離せない。
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