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JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦・1部第1節レポート

2016/04/08
 『JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦【前期】』1部リーグの幕が今年もい開いた。昨季リーグ戦では早稲田大学が18年ぶりに優勝し、幕を閉じたが、今季もどの大学が90年目の栄冠を手にするか予想のつかない展開となりそうだ。


○前年度王者の早稲田大学が2連覇を狙う。立ち向かうのは前年度4位の流通経済大学。昨年度、中心メンバーとなっていた4年生が抜けた今季、新メンバーで開幕戦勝利を掴みに行く。

 試合序盤は両チームともにロングボールを中心に相手ゴールに迫るもシュートまで持ち込むことができない。しかし均衡を破ったのは前半40分、早大。左サイド8番・秋山陽介のセンタリングを9番・中山雄希がヘディングで決めて先制に成功。1-0で前半を折り返す。
 後半の開始すぐに流経大が反撃を開始するものの、60分に早大が一瞬のスキを突き、ゴール前のこぼれ球を拾った2番・新井純平が9番・中山へパス。これをゴールへと流し込み今節2点目を決めた。反撃を試みる流経大は失点直後の62分に12番・星野秀平を投入。早大ゴールへと迫るが、早大から主導権を奪うことができず、2-0で早大の勝利となった。
 2連覇へ向け好調なスタートを切った早大。一方、流経大は開幕戦での黒星と厳しいスタートとなりそうだ。


○2014年、2015年と2シーズン惜しくも準優勝となった明治大学。今季こそ優勝をつかみ取りたいところ。対するは全日本大学選抜を4人輩出した、今季注目の慶應義塾大学だ。

 立ち上がりは両チームともに相手ディフェンスの裏をついた展開となった。コーナーキックを得た明大が19番・岸本英陣のヘディングで決定機を作るも、慶大がクリア。この攻撃から流れをつかんだ明大が15分、左サイドフリーキックから再び19番・岸本のヘディングで先制点を挙げる。このまま明大が主導権を握り、前半終了間際のアディショナルタイム2分に、相手ディフェンダーのミスを見逃さなかった15番・丹羽詩温がファウルを誘いPKを獲得。これを15番・丹羽が自ら落ち着いて決め、2-0で前半を折り返す。
 このファウルにより、慶大は2番・豊川功治が退場となり10人に。「正当なジャッジだったと思う。残念ながらあれでウチはゲームが終わってしまった」(慶大・須田芳正監督)。数的有利に立った明大は終始ペースを握り、68分にまたしても19番・岸本のヘディングから、ゴールキーパーのこぼれ球を拾った11番・岩田拓也が押し込み、ダメ押しの3点目を決めた。
 試合後、慶大の須田監督はメンバーを一新して臨んだ明大を「チームに危機感があり、一丸となって素晴らしいひたむきさ、守備のプレスを見せていた」と絶賛。対して慶大については「これが実力。ウチは去年からの選手が多く残っていることで、何か勘違いをしていた。その傲慢さが今日のプレーにあらわれていた」とバッサリ。だが「そのことがチームとしてわかっただけでもいいゲームだった」と次節に向けての収穫を口にした。
 一方、勝利した明大の栗田大輔監督は「自分たちの実力を知ったうえで、自分たちに何ができるかを徹底したのが今日の試合」と、新チームの戦いぶりに手応えを得た様子だった。「去年のように個人で局面を打開して試合を決められる選手はいない。だからこそハイプレスを徹底して全員が連動するようなサッカーを意識した」。
 3-0と初戦から快勝となった明大。今年こそ悲願の優勝となるか。慶大は試合を通してシュート0本と苦しい初戦となった。


○昨年から活躍するメンバーに加え、新戦力も期待される、昨年度7位の法政大学と、1年で1部復帰を果たし、蹴球部120周年の節目にリーグ制覇を狙う筑波大学の対戦。

 1年ぶりの1部の舞台に気合は十分な筑波大だったが、堅守を誇る法大が立ちはだかる。前半は筑波大のミスもあり、法大が試合を有利に進めた。21分、ゴールキーパーのこぼれ球を31番・青柳燎汰が決めて先制すると、安定した守備で筑波大の攻撃陣を苦しめる。
 後半に突入すると、今度は打って変わって筑波大が猛攻を仕掛け、チャンスを量産するものの、ここでも法大の守備陣の粘り強さでゴールを割ることができない。すると試合終了間際の90分、法大33番・加藤威吹樹のパスカットから18番・玉田晃太郎のドリブルシュートで2点目を挙げ、試合を決めた。
 1部リーグ2年目となる法大。次節も堅守からの攻撃で連勝を狙えるか。筑波大は課題となるゴール前での決定力をどう改善するかに注目したい。


○今節の先発・サブメンバー18人のうち6名が1年生とルーキーの活躍に期待のかかる順天堂大学(昨季6位)と、昨季2部リーグで開幕から1位を独走し続け、1部へと昇格した日本体育大学の一戦。日体大が1部で波乱を起こせるか注目が集まる。

 両チーム試合立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛ける。順大は1年生の27番・浮田健誠がシュート2本を放つなど、リーグデビュー戦から持ち味を出していた。一方日体大はシュート1本にとどまるなど、前半は順大が試合を優勢に進めた。
 後半に入ると、日体大がリズムをつかみ、チャンスを量産する。流れが均衡し始めた61分、順大5番・毛利駿也が相手ディフェンダーのペナルティエリア内でのハンドによりPKを獲得。これを落ち着いて決め、待望の先制点を挙げた。その後試合は白熱し、日体大は終了間際にセンターバックの5番・ンドカ・ボニフェイスが退場するjど厳しい展開が続くが、1点を守り抜いた順大が勝点3を獲得した。
 なんとか白星を掴んだものの快勝とはいかなかった順大。次節は昨季王者の早大との対戦。気合を入れて臨みたいところだ。開幕戦から出場停止選手を出してしまった日体大。厳しい幕開けとなってしまった。


○昨季8位と悔しい結果に終わった専修大学。今季はリーグ王者奪還を狙う。対する駒澤大学は昨季10位と何とか残留を決め、こちらも不本意な成績に終わった。今季こそインカレ出場、ひいてはリーグ戦制覇を目指したいところだ。

 試合開始早々、専大がPKを獲得。これを8番・野田卓宏が右足で決めて、幸先よく先制。勢いの乗った専大だが、駒大の堅いディフェンスに阻まれ、追加点を奪うことができない。次第に駒大が試合の流れを掴み始め、徐々に専大ゴールへと迫るも、ルーキーの12番・西村慧祐の活躍もあり、最終ラインで気迫のこもったディフェンスを見せ、ゴールを許さない。
 先制した余裕からか、後半はなかなか攻める気配のない専大に対し、駒大は果敢にロングボールからチャンスを作る。最終ラインでボールを繋ごうとする専大だったが、ボールを奪われあわや失点という場面も。駒大の決定機が何度か続くが、あいにくの天候によりスリッピーとなったピッチにも助けられ、結局は1-0で専大の勝利となった。
 毎年ルーキーの起用が多くみられる専大。この試合ではセンターバックの西村に加え、2トップの23番・岸晃司、24番・中杉雄貴もそろってスタートメンバーに名を連ねた。今季はどんなルーキーが活躍するのか今後も注目だ。
 一方惜しい場面もあったものの、黒星となってしまった駒大。「決定力はない。シュートの正確性は課題」と秋田浩一監督は試合後苦笑いを見せたが、それでも「これだけチャンスを作れたことは評価できる」と試合内容には前向きな評価を与えた。「負けたので言い訳にはならないが、デイフェンスラインも集中を切らさずよくやったと思う」。次節は切り替えて試合に臨みたいところだ。


○昨季1位まで上り詰めたものの、結局5位に終わってしまった国士舘大学と、昨季もなんとか残留を決め、9位となった桐蔭横浜大学の対戦。

 開幕戦から良いスタートを切りたい国士大は、前線に昨季得点王の10番・松本孝平を配置。中盤・ディフェンスラインにはルーキーとして昨季も活躍した2年生を積極的に起用するなど、今季も大量得点を狙う。対する桐蔭大も昨季活躍した選手を中心に試合を進める。国士大は主将でセンターバックの4番・附木雄也、桐蔭大も守備の要である4番・尾崎快斗、そして天皇杯のラッキーボーイ、7番・依田隆希などを怪我で欠く厳しい状況の中での開幕戦となったが、両チームともに譲らずに前半のシュート数は国士大、桐蔭大ともに6本。両チームチャンスを多く作り出すものの、なかなか決められない展開が続く。その中36分、桐蔭大の22番・岡本一輝が右サイドを崩してクロスをあげると、11番・鈴木国友がこれに反応。放ったシュートのこぼれ球を12番・佐藤碧が右足で押し込んで先制する。「監督やコーチには、クロスに対しては逆サイドからも入るように言われていたし、こぼれ球がくるような気もしていた」(佐藤碧)。
 0-1で折り返した後半は、前半とは変わりお互いにシュートまで持ち込むことができない。それでも1点を追う国士大が積極的に攻め込むシーンが多く見られたが、桐蔭大がこれをシャットアウト。「ウチはアップテンポな試合をすることが多いが、今日に限っては相手にボールを持たせて回させるように伝えた」と、桐蔭大・八城修監督。その狙い通り、相手の攻めどころをしっかりと抑えて先制点を守り抜いた桐蔭大が勝利をおさめた。
 後半はディフェンスラインが引きすぎたという課題は残ったものの「ほぼ狙い通りの展開ができた。みんなよくハードワークしてくれた」と、開幕勝利に満足気。
 対する国士大の細田三ニ監督は「相手のほうが1枚も2枚も上手だった。戦いのうまさの前に、ウチの選手は相手の前にはりこむ余地もなかった」と桐蔭大のサッカーを評価。「ウチは迫力がなかった。順番にキレイに崩そうおしてもうまくいかない。相手の裏を欠いたり、少し乱暴なくらいの攻めも必要なのに、今日はそういうプレーがまったくなかった」と、終始“おとなしかった”チームへの課題を口にした。



 次節、第2節は4月9日(土)にて、味の素フィールド西が丘にて、明治大学と法政大学、早稲田大学と順天堂大学が、江東区夢の島競技場にて、駒澤大学と日本体育大学が、県立保土ヶ谷公園サッカー場にて、専修大学と桐蔭横浜大学が、龍ヶ崎市陸上競技場たつのこフィールドにて、慶應義塾大学と筑波大学、流通経済大学と国士舘大学が対戦する。
 ついに幕を開けた第90回目のリーグ戦。今季はどの大学が90回目の栄冠をつかみ取るか注目だ。
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