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JR東日本カップ2020 第94回関東大学サッカーリーグ戦・1部第17節マッチレポート

2020/11/20


 『JR東日本カップ2020第93回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ17節は、11月14日(土)に2試合、11月15日(日)に1試合が行われた。


慶應義塾大学 対 順天堂大学 @流通経済大学龍ケ崎フィールド


 後期リーグ未だ勝利なし、今節こそ勝点を獲りたい慶應義塾大学(勝点16・暫定9位)と、勝利して上位浮上のきっかけとしたい順天堂大学(勝点26・暫定5位)の一戦。

 両チーム、慎重な立ち上がりとなった。最初のチャンスは順大。7番・杉山直宏の右からのコーナーキックは、慶大のGK1番・田原智司の正面へ。立ち上がりからボールを持つ時間帯の多かった順大は、最終ラインでしっかりと組み立て、FWの18番・大森真吾を起点に試合を動かそうと試みる。一方の慶大にも最初のチャンス。相手のミスからショートカウンターを展開。10番・松岡瑠夢を起点にパスをつなぐと、19番・宮本稜大と9番・古川紘平の2トップがゴールへと襲い掛かるも。しかしシュートを放つまでは至らない。25分には、相手ゴール前でパスミスを拾った9番・古川が、ペナルティーエリア外からシュートを放つが、これは順大GK1番・佐藤久弥の正面に。順大も、40分には18番・大森からのボールを26番・新関成弥が左足でダイレクトシュート。しかしこちらも相手GKに阻まれてネットを揺らせない。その後は目立ったチャンスはなく、0-0のまま前半が終了した。

 後半も拮抗した試合展開となった。51分には、慶大DFのハンドにより、順大が直接フリーキックを獲得。7番・杉山が直接狙うが、壁に跳ね返されてしまう。スコアレスのまま時間だけが過ぎるが、70分、ついに順大が試合を動かす。14番・津島孝至の、ハーフウェーライン付近からの前線へのフィードを、18番・大森が丁寧に処理。前を向いて放ったシュートは、相手GKに触られながらもゴールラインを割り、順大が先制に成功する。だが、慶大も黙ってはいない。順大の得点の1分後には、絶好のチャンスを迎える。途中出場の11番・内桶峻がDFラインの裏へと抜け出し、GKと一対一に。ループシュートを狙うが、クロスバーに阻まれてしまう。さらに、跳ね返ってきたボールを19番・宮本がヘディングで押し込むが、これは順大DFがクリア。その後も慶大は攻勢に出るが、順大も24番・小林夏生、2番・山﨑大地らが冷静に対応。慶大に決定機を作らせない。順大は試合終了間際、交代で入った9番・上野瑶介が相手のコーナーキックからカウンターを仕掛けてボールを運び、25番・後藤裕二にパス。しかし放ったシュートは枠の上。1-0のまま試合は終了した。

 勝った順大は5位から4位に浮上。3位の駒澤大学と勝点で並び、3位も視野に入ってきた。一方の慶大はまたしても勝利を逃し、10位に後退。降格圏とは2ゲーム以上差がついているものの、そろそろ勝点を挙げないと厳しい状況に追い込まれるだろう。


明治大学 対 早稲田大学 @AGFフィールド


前節の国士舘大学戦で敗れ首位の座を明け渡した明治大学(勝点34・暫定2位)と、前節の引き分けで明大に並び、得失点差で首位に浮上した早稲田大学(勝点34・暫定1位)の一戦。

 勝点で並ぶ両チームの首位攻防戦。満員御礼となったスタジアムは、試合開始前から最高潮の盛り上がりを見せた。両者のプライドがぶつかり合う、激しい展開となった試合は、序盤から明大が主導権を握る。明大は攻撃的なフォーメーションから繰り出される流動性の高いパスワークに加え、個人技も織り交ぜながら早大ゴールへと襲い掛かる。対する早大はキャプテンの5番・杉山耕二と、GK1番・山田晃士を中心とした堅い守備からリズムを作る。ともに球際の攻防戦では激しさを見せるが、今季の関東リーグを牽引する両チームとあって、狭いエリアでも高い技術力で巧みな抜け出しを見せる。明大は18番・杉浦文哉が中央から思い切りの良いミドルシュートを放ち、キャプテンの5番・須貝英大も左サイドから右足を振り抜くなどしてゴールを狙うが、早大のGK、1番・山田のセーブに阻まれる。早大も10番・加藤拓己をターゲットに、ロングボールや二列目の選手の追い越し、サイド攻撃など多彩なバリエーションで明大ゴールに迫るが、シュートまでは持ち込めない。0-0のまま前半終了かと思われたが、45+4分に王者・明大が試合を動かす。センターバックの3番・佐藤瑶大が自陣からの正確なロングフィードを放つと、これに抜け出した11番・佐藤凌我が右足を振り抜く。豪快なシュートはバーをかすめながらもゴールに吸い込まれ、明大が先制点を挙げて前半を終える。

 前半はシュート0本に抑え込まれた早大。後半は中盤から攻め込む形を増やし、途中出場の19番・倉持快の右サイドからのアーリークロスに8番・田中雄大が合わせるが、シュートは枠の外に。この天王山に負けるわけにはいかない早大は、試合終盤には怒涛の攻撃を展開。アディショナルタイムへ突入すると、相手ゴール前で波状攻撃を見せる。早大は最後まで決定機を作り、5番・杉山が放ったボレーシュートは決まったかと思われたが、シュートは無情にもポストを直撃。これを明大DFが決死のクリアをしたところでタイムアップ。今後の優勝争いを左右する天王山は明大が制し、首位に再浮上した。

 明大の栗田大輔監督は「1点を争うゲームになると思っていた」とコメント。後半は攻め込まれる時間が増え「修正すべき点は多い」としながらも「今日は試合を通じて明大が積極性を出せた。今日は大学サッカーで一番いいゲームができるといいと思っていたので」と満足げな表情を見せた。決勝点を挙げた11番・佐藤凌我は、第2節から守り続けてきた首位から陥落してきたことに責任を感じ「この1週間、ずっと裏を抜け出す練習を重ねてきた」とコメント。「(3番・佐藤)瑶大からきたボールは、長さも強さもちょうどよく、あとは力強く打つだけだった」という。ただ「ゴール以外の部分で満足のいくプレーはない」ときっぱり。さらなる向上を誓った。

 一方、天王山に敗れ再び2位後退となった早大。外池大亮監督は「勝って、これまで積み上げてきたもので、課題を乗り越えようと思っていただけに残念」と肩を落とした。課題ははっきりしている。「ここ2試合、「アミノバイタル®」カップの決勝戦を含め、90分内でとれたゴールがペナルティーキックしかない」という得点力の欠乏。今季は「何よりもゴールを主眼に置いてきた」という言葉どおり、今季は最多得点を挙げ、得失点差では圧倒的有利な状態でこの天王山に臨んだ。しかし結果はまたもや0得点。「ここで勝てば明大に勝点3差をつけられた」(主将・5番・杉山耕二)というチャンスを逃す結果となった。だが、まだ勝負はついていない。「2位ではあるが、常にたくましく、高みを目指せるチームでありたい」(同監督)という早大にとってはここが正念場。優勝戦線はまだまだ熱い。




筑波大学 対 中央大学 @味の素フィールド西が丘


 昨季の中筑戦に続き、今季も勝利したい筑波大学(勝点14・暫定10位)と、降格圏から抜け出すためにも絶対に負けられない中央大学(勝点9・暫定11位)の一戦。

 コロナ禍のため開催が困難となっていた『中筑サッカー定期戦』。それが、リーグ戦内の一戦として行われることとなった。午前中には同会場で「中筑定期戦 ・二軍戦」を実施。4年生同士の激突は、2-1で筑波大の勝利で終わった。二軍戦の熱量を保ったまま始まったこの試合は、62年の伝統を誇る中筑戦に相応しくインテンシティの高いゲームとなった。両チーム、ゴール前に抜け出すシーンやセットプレーからの得点を予感させたが、筑波大GK1番・櫻庭立樹と中大GK45番・猪越優惟、両チームGKの立て続けのファインセーブにより、スコアレスで前半を終える。

 後半、筑波大は33番・庄司夢ノ介と8番・知久航介を投入して攻撃の活性化をはかる。しかし中大も東京ヴェルディ内定の3番・深澤大輝を中心に、筑波大の攻撃を跳ね返す。両チームゴールネットを揺らせないまま、試合は終盤に突入。すると81分、筑波大は27番・瀬良俊太に代えて、16番・石川吉輝を投入し勝負に出る。この起用が的中。投入直後から得意のドリブルで積極的にゴールを目指していた16番・石川が試合を動かした。90+2分、中大DFがクリアしたボールを、高い位置にいた筑波大の3番・角田涼太朗が拾うと前線へとボールを送る。そのボールに反応したのが16番・石川。豪快に右足を振りぬき、ゴールへと突き刺した。「1度仕掛けたシュートは外していたので、次は思い切りけろうと思っていた。勇気を持って足を降ってよかった」(16番・石川)。結果、筑波大が劇的なアディショナルタイムの得点を守り切り、試合は終了。

 6年前の11月15日、中大に敗戦し2部リーグに降格した苦い思い出がある筑波大にとって、中大は因縁のチーム。4年生のゴールで中大に勝ったことは、勝点3以上の価値を持つ。一方の中大は、この敗戦で10位との差をさらに広げる結果に。目の前で逃した勝点1に、選手たちががっくりと肩を落とした。



 次節の第18節は、11月21日(土)に流通経済大学龍ケ崎フィールドで11:00から慶應義塾大学と筑波大学が、13:30からは桐蔭横浜大学と立正大学が対戦する。また早稲田大学と順天堂大学、国士舘大学と専修大学の試合も行われる。

 明大と早大の首位争いは、前半終了間際の得点を守り切った明大が勝利。早大と勝点3差をつけて首位に返り咲いた。延期試合を消化して連戦となった順大は、慶大相手に苦戦しながらも勝利を収めた、順位を上げている。「中筑定期戦」として行われた筑波大と中大の一戦は、4年生同士の対決である二軍戦とともに、筑波大に軍配が上がった。

 新型コロナウイルス感染症の影響で3試合の実施に留まった第17節だが、天王山ともいうべき明大と早大の首位攻防戦が行われるなど、残りわずかとなったリーグ戦は熱戦が繰り広げられている。節ごとに入れ替わる首位戦線、そして全国大会出場を懸けた戦いなど、見どころは多数。次節も熱量の高い試合を期待したい。
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