慶應義塾大学、神奈川大学、早稲田大学も参加した夏の全国大会『総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』を挟み、約1ヶ月間の中断期間を経て再開された『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』。2部リーグ第14節は、9月21日(土)に1試合、9月22日(日)に5試合が行われた。
第14節は首位・日本体育大学がスコアレスドローに終わる一方、2位の慶應義塾大学が3位の順天堂大学に勝利して首位に浮上するなど、大きな順位変動があった。9月29日(日)に行われる第15節で、首位奪還の慶大は好調・立正大と対戦。このまま慶大が首位をキープするのか、それとも勝点1差で2位につける日体大が首位を奪取するのか。また4位以下では上位チームが敗れる波乱もあり、中位以下でも順位に動きがあり、こちらも目が離せない。
2部リーグ第14節 全結果・順位表
2部リーグ第14節マッチレポート
立教大学 2(1-1)1 法政大学 @立教大学富士見総合グラウンド
唯一、21日(土)に開催された4位・法政大学と9位・立教大学の対戦。勝てば3位浮上の可能性もある法大は、開始早々の5分、スローインからボールをつなぎ溝口駿が左サイドを突破。パスを受けた中川敦瑛がゴール前に入れたクロスに石井稜真が左足でダイレクトシュート。ボールはGKの頭上を越えてネットを揺らし、法大が先制点を挙げる。だが、降格圏と勝点1差と"もう負けられない"立教大も反撃を開始。28分にショートカウンターを仕掛けると、本木紀慶が右サイドからクロス。これを古里健人が頭でつなぎ、ゴール前の松岡大起が押し込んで同点弾。1-1で試合を折り返した。
後半は一進一退の攻防戦となったが、61分、立教大に絶好のチャンスが訪れる。立教大は法大GKのボールの処理ミスから、西村航が高い位置でボールを奪うと左サイドに抜けた古里にパス。ゴール前に上げたクロスを庄司朗が頭でゴールに叩きつけて逆転に成功する。一方、法大はゴールを決めきれず、2-1のまま試合は終了。古里の2アシストで逆転勝利を収めた立教大が順位をひとつ上げて9位に。敗れた法大は5位に後退した。
山梨学院大学 0(0-0)0 日本体育大学 @山梨学院大学川田ツインサッカー場
首位の日本体育大学は7位の山梨学院大学と対戦。試合は前半、ともにチャンスを作りながらも決められない展開に。後半は日体大が積極的に攻撃を仕掛け、山学大にはシュートらしいシュートをうたせないまま。しかし、日体大も決定機をモノにすることができず、スコアレスドローでタイムアップ。両チーム、勝点1の痛み分けに。山学大は7位をキープしたものの、2位・慶應義塾大学が勝利したため日体大は首位を陥落し、2位に後退となった。
立正大学 4(1-1)1 産業能率大学 @立正大学熊谷キャンパスサッカー場
中断明け初戦の今節、大量得点で幸先のよいスタートを切ったのが6位・立正大学だ。11位・産業能率大学との試合は、34分に産能大・吉田愛哉の左からのシュートを、立正大GK・ジョーンズ レイがブロック。しかしこぼれたボールを鈴木琉矢が蹴り込んで産能大が先制する。しかし、試合はここから立正大の独壇場となった。立正大は失点の数分後、ゴール前に抜け出した福地亮介が倒されてペナルティーキックを獲得。これを40分、多田圭佑がゴール左下に決めて同点に追いつく。一方、産能大は福地へのファウルが得点機会阻止として、DFの佐久間翔士が退場に。残り時間を10人で戦うことになった。
後半に入ると、数的優位に立つ立正大が試合の主導権を握り、次々と攻撃を仕掛ける。54分には、宮崎海冬のコーナーキックに合わせて多田がヘディングシュートをゴールに叩き込んで立正大が逆転に成功。その後は攻めあぐねる時間帯もあったが、86分には中村優斗が左サイドからカットイン。ファーサイドに送ったボールを多田がゴールに突き刺して3点目をマーク。多田がハットトリックを達成した。立正大は終了間際の90分にも、途中出場の原壮志が個人技でゴール前までもちあがりゴール右隅にシュート。これが決まり、ダメ押しの4点目。産能大は後半、シュート0と反撃の機会を作ることができないまま。4-1で産能大を下した立正大が4位に浮上し、3位・順大と同じ勝点22で並んだ。
城西大学 2(0-0)1 早稲田大学 @JOSAI SPORTS FIELD 第1グラウンド
総理大臣杯ではベスト8進出という結果を残した8位・早稲田大学は最下位に沈む城西大学と対戦。試合は両チームやや低調な滑り出しとなったが、早大は本保奏希、駒沢直哉を中心にゴールを狙い、相手を押し込む時間帯が続く。しかし決めきれずに前半は両チーム無得点のまま。
スコアが動いたのは、後半開始直後のことだった。城西大は関野碧海が倒されてペナルティーキックを得ると、49分に石倉潤征が冷静にシュートを沈めて先制。石倉は61分にも、ロングスローの流れからヘディングシュートを叩き込んで追加点。城西大が主将・石倉の2ゴールで、早大から2-0とリードを奪う。早大もその5分後には、佐々木奈琉のクロスが城西大DFにあたりオウンゴールに。1点を返すが、城西大が最後までリードを守りきって2-1で勝利。待望の3勝目を挙げ、11位との差を4ポイントに縮めた。敗れた早大は8位から10位の降格圏に後退した。
神奈川大学 1(0-1)2 拓殖大学 @神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド
6大会ぶりに総理大臣杯出場を果たした5位・神奈川大学は、自動降格圏の11位と同勝点と厳しい状況にある10位・拓殖大学と対戦。試合は立ち上がりから拓大がアグレッシブな攻撃を展開。6分には鈴木斗真のコーナーキックを木元琢未が頭で合わせて先制する。その後も拓大が試合を優位に展開し、0-1で前半は終了。
1点を追う神大は、後半の早い時間帯に海貝俊輔を投入するなどして試合の流れを引き寄せようとする。だが64分、拓大は木元が激しいプレスで神大からボールを奪うと、ドリブルで前線まで持ち上がる。そのままGKとの1対1を制してシュートを突き刺して追加点。木元のこの試合2点目となる鮮やかなゴールで、拓大が0-2とリードを広げた。神大も守屋練太郎にボールを集めてゴールを狙うが、どうしてもゴールを割ることができない。終了間際の90+6分、途中出場の伯野航太が個人技で左サイドを切り崩してシュートを突き刺して1点を返すが、直後に試合終了のホイッスル。「大きすぎる1勝」(拓大・玉井朗監督)を挙げた拓大が9位に浮上し、自動降格圏との勝点差を広げた。
慶應義塾大学 3(0-0)2 順天堂大学 @慶應義塾大学下田グラウンド
勝点1差で首位を追う2位・慶應義塾大学は、勝点3差の3位・順天堂大学と"上位対決"。前半は両チーム攻めあぐねて無得点で終わるが、後半に入ると一気にスコアが動き始める。まずは開始早々の51分、慶大は角田惠風のスルーパスに齋藤真之介が反応。ゴール前で入れた早いグラウンダーのパスを茅野優希が押し込んで慶大が先制する。だが順大もその3分後に、フリーキックの流れから三輪椋平が決めて同点に追いつく。
一進一退の攻防戦はしかし、69分に慶大・角田がゴール左隅に鮮やかなフリーキックを直接決めて再びリードを奪うと、アディショナルタイムの90+1分にも辻野悠河が右サイドを独走。横パスを入れると、これを香山達明が決めて3-1とし、順大を突き放す。順大もその4分後、齊藤慈斗が40メートル強のロングシュートを決めて1点差に詰め寄るが、リードを守りきった慶大が3-2で勝利。この結果、慶大が再び首位を奪取し、日体大は2位に後退した。