『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第18節は、10月20日(日)に全6試合が行われた。
今節は首位の慶應義塾大学が順調に白星を重ねた一方、3位以下の上位チームがそろって黒星を喫し、大きな順位変動があった。
2位と勝点4差で首位を快走する慶大は、試合終盤に挙げた齋藤真之介のゴールを守りきって4位・法政大学に勝利。3連勝で首位を堅持した。一方、2位・日本体育大学は神奈川大学とスコアレスドローに終わり勝点1差を積み重ねるに留まった。この結果、首位と2位は2ゲーム差に広がり、慶大が首位独走態勢に入った。
3位の順天堂大学は6位・立正大学とシーソーゲームに。順大が常に先手を取りながらも、すぐに立正大に追いつかれる展開となり、2-2でアディショナルタイムに突入。すると90+6分に立正大が水戸ホーリーホック内定・多田圭佑が劇的な逆転ゴールを決めて2-3で立正大が3試合ぶりの勝利を収めた。5位・早稲田大学は川崎フロンターレ内定・神橋良汰のゴールで先制するも、終盤の86分に拓大にゴールを許し同点に。だが、その1分後に西凜誓が勝ち越し点を挙げ2-1で逃げ切りに成功した。
この結果、順大と勝点29で並んだ早大が得失点差で上回り3位に浮上。1部自動昇格圏の2位にも勝点2差に迫った。立正大も順位をひとつ上げて5位となり、3位・4位の1部プレーオフ参入戦出場圏に勝点1差に。首位・慶大に敗れた法大は4位から6位に後退。しかし3位・4位とは1ゲーム差とまだ逆転範囲内にある。
2部残留を懸けた戦いが続く下位グループも熱戦が繰り広げられた。8位・産業能率大学と11位・山梨学院大学の試合は、自動降格圏からの脱出を狙う山学大が2度にわたりリードを奪う。だがアディショナルタイムの90+4分、産能大はジェフユナイテッド千葉内定・猪狩祐真がゴールを決めて2-2に。両チーム痛み分けに終わった。3部プレーオフ参入戦圏の9位・立教大学と自動降格圏の12位・城西大学の下位直接対決は、終始積極的に攻め続けた城西大が0-2で完勝。城西大が待望の4勝目を挙げた。
この結果、ドロー決着で勝点1を積み重ねた産能大は7位に、神大は8位、山学大は10位と順位をひとつずつ上げた。一方、早大に敗れた拓大は7位から3部プレーオフ出場圏の9位に後退。同じく黒星を喫した立教大は、3部自動降格圏の11位に転落した。
城西大は最下位脱出とはならなかったものの、自動昇格圏外の10位・山学大との勝点差が5に縮まった。残る4試合で自動降格圏脱出の大逆転はあるのか。1部自動昇格、1部プレーオフ出場を争う上位グループの戦いも激化している。次節・第19節は10月27日(日)に開催。なかでも首位・慶大と3位・早大の"早慶戦"は注目の一戦。今年度は定期戦も含め3度にわたり激突している両チームの戦績は、早大が2勝1敗とリード。慶大は1部昇格を確実なものとするためにも、慶大は自動昇格圏内に入るためにも、絶対に負けられない今季最後の早慶戦だ。
2部リーグ第18節 全結果・順位表
2部リーグ第18節マッチレポート
日本体育大学 0(0-0)0 神奈川大学 @日本体育大学 横浜・健志台キャンパスグラウンド
首位を勝点4差で追う2位・日本体育大学は2部参入プレーオフ出場圏内に沈む9位・神奈川大学と対戦。日体大は首位との差を縮めるために、また神大は降格圏からの脱出のために勝点3を切望する状態だったが、どちらも決定機を得点に繋げられずスコアレスドローのままタイムアップ。勝点1を分け合う形となった。日体大は2位をキープも、首位・慶大が順調に勝点を伸ばしたため2ゲーム差が開くこととなった。一方、神大は勝点1を重ねたことで8位に浮上。降格圏内からの脱出に成功した。
法政大学 0(0-0)1 慶應義塾大学 @法政大学城山サッカー場
首位を快走する慶應義塾大学と1部昇格圏入りを狙う4位・法政大学の直接対決は、どちらも一歩も引かないタイトな展開となった。試合は両チーム相手を崩しきれないまま後半終盤に突入。スコアレスドローも想定される中、慶大は81分に法大からボールを奪うと田中雄大がゴール前にアーリークロスを入れる。齋藤真之介はペナルティーエリア内でこれを収めると、鮮やかな切り返しでDFをかわし、角度のないところから左足を振り抜く。シュートは右ポストに当たりそのままゴールへ。慶大が待望の先制点を挙げる。しかしその直後の85分、慶大はハンドの判定で法大にペナルティーキックを献上。絶体絶命のピンチを迎えるが、法大キッカー・青木俊輔のシュートをGK村上健がストップ。絶好の得点機を逸した法大はその後ゴールを割ることなく0-1で試合終了。慶大が3連敗で首位を堅持した。敗れた法大は4位から6位に大きく後退。昇格圏とは1ゲーム差が開く結果となった。
早稲田大学 2(1-0)1 拓殖大学 @早稲田大学東伏見サッカー場
5位の早稲田大学は7位の拓殖大学と対戦。先手を取ったのは早大。31分、バーに当たったシュートの跳ね返りを駒沢直哉が胸トラップで落として横パス。これを神橋良汰が蹴り込んでゴールネットを揺らした。しかし、その後は両チーム一進一退の攻防戦に。1点を追う拓大は後半の58分、和田力也と糸永誠也のふたりを投入して流れを変えようとするが拮抗した状況は変わらない。だが試合も最終盤の86分、拓大は川村舞弥がペナルティーエリア右外の位置からフリーキックを直接決めて同点に追いつく。試合を振り出しに戻した拓大だったが、早大はその1分後の87分、石川真丸が左からゴール前にクロスを入れる。これは相手に弾かれるものの、こぼれ球を途中出場の西凜誓が頭で押し込んで追加点。再び早大がリードを奪い返すと、そのまま1点差を守りきって試合終了。早大が2-1で逃げ切りに成功した。3位の順天堂大学、4位の法政大学がともに敗れたため、順大と勝点29で並んだ早大が得失点差で上回り3位に浮上。1部自動昇格圏の2位にも勝点2差に迫った。敗れた拓大は2部参入プレーオフ出場圏内の9位に後退した。
立教大学 0(0-1)2 城西大学 @立教大学富士見総合グラウンド
10位の立教大学と12位の城西大学、ともに降格圏に沈むチーム同士の対戦は、"勝つしかない"城西大が終始主導権を握る展開となった。城西大は立ち上がりから立教大陣内に攻め込むと、41分に北条真智の最終ラインからのロングキックを起点に攻撃を展開。川崎涼介が右サイドで粘ってボールをキープしゴール前に入れたクロスを、佐藤遼が頭から飛び込んで先制点を挙げる。後半に入っても城西大が主導権を握り、何度なく攻撃を仕掛ける。すると73分、城西大は途中出場の山根成陽が、ゴール前に入ったバウンドボールを頭で押し込んで追加点。2-0とリードを広げてそのまま試合を終えた。敗れた立教大は自動降格圏の11位に後退。一方、待望の4勝目を挙げた城西大は、自動昇格圏外の10位・山学大との勝点差を5に縮めた。
産業能率大学 2(0-1)2 山梨学院大学 @産業能率大学第二グラウンド
8位・産業能率大学と11位・山梨学院大学の試合は、自動降格圏からの脱出を狙う山学大が先制点を奪う。29分、山学大はコーナーキックからのこぼれ球を池田悠夢が右サイドでキープ。相手DFをかわしゴール前にクロスを入れると、これを原田蓮斗が頭で押し込んでリードを奪い、0-1で試合を折り返した。
だが後半に入ると、負ければプレーオフ出場圏も有りうる産能大が反撃に出る。後半開始早々の52分、保竹駿斗のスルーパスに松山碧が反応。松山がゴール前に入れたボールに鈴木琉矢が走り込んで右足を振り抜き、産能大が同点に追いつく。しかし山学大もその7分後、相手GKの弾いたボールを、ペナルティーエリア外にいた中根悠衣がダイレクトで蹴り込みネットを揺らす。山学大が中根の鮮やかなボレーで再び勝ち越した。その後は産能大が猛攻を仕掛けるが、山学大も集中した守備でゴールを守り山学大リードのまま試合はアディショナルタイムに突入。すると90+4分、相手DFのこぼれ球を拾った猪狩祐真がペナルティーエリア外からのミドルシュートをゴール左下に決めて2-2に。終了間際で産能大が追いつき、両チーム勝点1を分け合うこととなった。結果、産能大は7位に、目前で勝点2を失った山学大も10位と、ひとつずつ順位を上げた。
順天堂大学 2(1-1)3 立正大学 @順天堂大学さくらキャンパスサッカー場
3位の順天堂大学と6位・立正大学の試合はシーソーゲームになった。スコアが動いたのは開始直後の4分。順大はコーナーキックからの混戦の中、谷口大晟が押し込んで先制する。しかし立正大も19分、武藤尋斗と中村優斗のコンビネーションで左サイドを崩し、ペナルティーエリアに侵入した中村がパス。これを市川遥人がキープ。再び中村に戻すと、中村が押し込んで同点に。立正大が試合を振り出しに戻して前半を終えた。
後半に入っても両チーム一歩も譲らない展開が続いた。55分、清水勇貴のクロスに今井啓太が頭で合わせて順大が勝ち越すと、立正大はその1分後に福地亮介のワンタッチパスを受けた川上航立が、左足の技アリシュートを決めて再び同点に。その後は立正大が試合を優位に進める場面が増えるものの、ともに追加点を挙げられず2-2のままアディショナルタイムへ。ドロー決着かと思われた90+6分、宮崎海冬の右からのクロスを、多田圭佑がダイレクトで合わせて立正大が勝ち越し弾。後半から出場の多田の劇的なゴールで、立正大が3試合ぶりの白星。順位をひとつ上げて5位に。自動昇格圏を勝点2差に捉えた。敗れた順大は4位に後退したが、3位・早稲田大学との差は得失点差のみとなっている。