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【結果・レポート】JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦・2部第20節

2024/11/08


 『JR東日本カップ2024 第98回関東大学サッカーリーグ戦』2部リーグ第20節は、11月3日(日)に全6試合が行われた。

 今節注目の一戦は、首位・慶應義塾大学と最下位・城西大学の対戦だ。慶大はこの試合に勝ち、2位と3位のいずれかが引き分け以下であれば2位内が確定し、1部リーグ昇格が決定。対する城西大は、今節10位・山梨学院大学と11位・立教大学が直接対決することもあり、2部リーグ残留のためには勝利が絶対条件となる。試合は、昇格が近づき固さの見える慶大を、"負けられない"城西大が押し込む展開となった。しかし慶大も20分過ぎから少しずつボールを動かし始め、31分にはコーナーキックの流れからチャンスを作ると田中雄大が右サイドからクロス。これをファーサイドの三浦成貴が頭で叩き込んで慶大が貴重な先制点を挙げる。しかし後半は前半以上に城西大が攻撃を仕掛け、慶大は防戦一方に。それでも最後までゴールを死守した慶大が0-1で勝利。この瞬間、城西大の3部リーグ降格が決定した。また、試合終了後に3位・順天堂大学が引き分けに終わったとの報が入り、慶大の1部リーグ昇格も決定した。

 4年前に1部から2部に降格した慶大は、翌年プレーオフ参入戦で青山学院大学に敗れて3部に降格。しかし昨年、プレーオフ参入戦で同じ青学大相手に雪辱を果たし2部に復帰。まさにジェットコースターのように昇降格を繰り返した慶大だが、今節に昇格を決めたことで来季は4年ぶりとなる1部リーグの舞台に復活する。

 首位・慶大を追う2位の日本体育大学は2部プレーオフ出場圏の9位に沈む産業能率大学と対戦。前半は両チーム無得点に終わったが、後半に入ると日体大が攻勢を強め52分に宮下菖悟のゴールでリードを奪い、終盤の86分にも菅野隆星が追加点を決め0-2で勝利。逆転優勝に望みを繋げた。

 3位の順天堂大学は8位の拓殖大学に先制点を許す展開に。後半、岩井琢朗のゴールで追いつくものの、勝ち越し点を奪えないまま1-1で試合終了。この引き分けによって、首位・慶大の1部リーグ昇格が確定した。一方、4位の立正大学は勝点1差の5位・早稲田大学と対戦。試合は立正大が多数のチャンスを作るものの、早大が松尾倫太郎、西凜誓のゴールで2点を先取。立正大も終盤にペナルティーキックで1点を返すものの、早大がリードを守りきって2-1で勝利した。この結果、早大が5位から3位に浮上。同勝点で4位に順大、勝点2差で5位に立正大が続いており、昇格圏入りを目指す戦いはまだまだ変動がありそうだ。

 6位・法政大学と7位・神奈川大学の試合は激しいゴールの奪い合いとなった。法大が28分、29分に立て続けにゴールを挙げてリードすると、神大もすぐさま1点を返し1-2で前半を終了。法大は後半に3点目を決めて神大を引き離そうとするが、神大もその後2点を返し3-3で試合終了。ともに勝点1を分け合った。

 下位グループでは勝点1差の10位・山梨学院大学と11位・立教大学が激突。3部リーグ自動降格圏の11位から逃れたい両チームの対戦は、山学大が前半21分に挙げた吉長由翔のゴールを最後まで守りきってフィニッシュ。直接対決を制した山学大が立教大との勝点差を4に広げ、自動降格圏からの脱出向けて大きな勝利を得た。


 11月10日(日)に全6試合が行われる次節も、大きな動きがありそうだ。首位・慶大が勝利を収め、2位の日体大が引き分け以下であれば慶大の優勝が決定。日体大は最終節に残す慶大との直接対決に逆転優勝を繋ぐためにも、また自動昇格圏の2位内を守るためにも負けるわけにはいかない。一方、下位グループでは11位・立教大が敗れると3部リーグ降格が決定。勝利しても産能大、山学大の結果次第では降格が決まる厳しい状況だが、まずは勝つことが絶対条件となる。





2部リーグ第20節 全結果・順位表





2部リーグ第20節マッチレポート



山梨学院大学 1(1-0)0 立教大学 @山梨学院大学川田ツインサッカー場

 勝点1差の10位・山梨学院大学と11位・立教大学、ともに降格圏に沈む両チームの直接対決。前半は山学大が試合を優位に進めると、21分に池田悠夢がペナルティーエリア内で立教大のバックパスを奪取。そのままボールをキープしてGKを引き付け、すかさずゴール前にパスを入れる。これを吉長由翔が押し込んで山学大が先制点を挙げた。
 後半は立教大も攻撃の回数を増やし、両チーム早めの選手交代で試合を動かそうとするが一進一退のままタイムアップ。山学大が前半に挙げた先制点を最後まで守りきってウノゼロ勝利を収めた。直接対決を制した山学大は、7試合ぶりの白星を挙げるとともに、立教大との差を4ポイントに広げて自動降格圏から大きく抜け出した。


早稲田大学 2(0-0)1 立正大学 @早稲田大学東伏見サッカー場

 連勝中の4位・立正大学は、勝点1差の5位・早稲田大学と対戦。試合は立ち上がりから立正大が多数のチャンスを作るものの、早大のゴールを割ることができないまま前半を終了。後半も立正大が積極的に攻撃を仕掛けるが、先手を取ったのは早大だった。48分、サイドチェンジのパスに反応した右サイドの佐々木奈琉がゴール前にクロスを入れると、ワンバウンドしたボールを松尾倫太郎が押し込んでゴールネットを揺らす。松尾の2試合連続ゴールで先制した早大は、その4分後の52分にも鮮やかなカウンターから得点機を演出。ゴール前に入れた佐々木のクロスをワンタッチでつなぐと、石川真丸が相手DFにつぶされながらもパス。これを西凜誓が蹴り込んで追加点。早大がわずか4分の間に2点のリードを奪った。
 対する立正大も終盤に鈴木隼が倒されてペナルティーキックを獲得。82分、これを鈴木自身が決め手1点を返すものの、早大のリードを崩せず2-1で試合終了。シックスポイントマッチに勝利した早大は5位から3位に浮上。1部自動昇格圏の2位・日本体育大学に勝点2差に迫った。


産業能率大学 0(0-0)2 日本体育大学 @産業能率大学第二グラウンド

 2位・日本体育大学と9位・産業能率大学の試合は、2部プレーオフ出場圏から抜け出したい産能大が積極的に攻撃を仕掛けるものの、両チームゴールのないまま前半が終了する。試合の流れを引き寄せたい日体大は後半の頭から宮下菖悟を投入。するとこの起用がピタリ的中。日体大は後半序盤の52分に松原海斗が左サイドを突破。ペナルティーエリアにカットインしてシュートを放つと、そのこぼれ球を交代したばかりの宮下が押し込んで先制点を挙げる。日体大はこのゴールで勢いに乗り、試合の主導権を握り産能大の攻撃をシャットアウト。終盤の86分にも菅野隆星が鮮やかなミドルシュートを突き刺して追加点を挙げ、0-2で勝利を収めた。首位・慶應義塾大学も勝利したため2ゲーム差は縮まらなかった日体大だが、最終節の直接対決に向けて逆転優勝に望みをつないだ。


順天堂大学 1(0-1)1 拓殖大学 @順天堂大学さくらキャンパスサッカー場

 1部リーグ昇格圏の3位・順天堂大学は8位の拓殖大学と対戦。4位以下を引き離したい順大と2部リーグ残留のため8位以上を死守したい拓大、どちらも負けられない試合は序盤から激しい攻防戦となった。スコアが動いたのは35分。ショートカウンターを仕掛けた拓大は、松村拓実が右サイドからゴール前にクロスを入れると、糸永誠也が右足を振り抜いてネットを揺らす。糸永の2試合連続ゴールで拓大が先制する。
 1点を追う順大は41分に井上太聖、後半の頭から岩井琢朗を投入。対する拓大は後半開始早々の46分、拓大は井上恋太朗が2枚目の警告で退場に。数的優位に立った順大が拓大を押し込むが、なかなかゴールを割ることができない。だが69分、順大は左サイドから攻撃を仕掛けてチャンスを作ると入江羚介のクロスに岩井琢朗が頭で合わせて同点に追いつく。このまま追加点を狙う順大だったが、最後まで勝ち越し点を奪えないまま1-1で試合終了。引き分けの痛み分けとなった。順大は早稲田大学と同勝点ながら得失点差で下回り4位に後退することとなった。


城西大学 0(0-1)1 慶應義塾大学 @JOSAI SPORTS FIELD 第1グラウンド

 2位に2ゲーム差の首位・慶應義塾大学はこの試合に勝ち、2位と3位のいずれかが引き分け以下であれば2位内が確定。1部リーグ昇格が決定する。対する最下位・城西大学は、今節10位・山梨学院大学と11位・立教大学が直接対決することもあり、負ければ3部リーグ降格が決定。2部リーグ残留のためには勝たなければならない試合だ。

 試合は、昇格が近づき「明らかに堅かった」(慶大・中町公祐監督)という慶大を、"負けられない"城西大が押し込む展開となった。しかし慶大も20分過ぎから少しずつボールを動かし始め、31分にはコーナーキックを獲得。これは城西大に跳ね返されたが、再度ボールをキープした田中雄大が右サイドからクロスを入れると、ファーサイドの三浦成貴が頭で叩き込む。セットプレーを跳ね返されてからのオーガナイズは「あまりやっていなかった」が、「あそこにいればボールが来るのではないかと思っていたので、クロスが上がった瞬間に"来た"と思って思い切り飛び込んだ」(慶大・三浦)。三浦の大学初ゴールで慶大が待望の先制点を挙げ、試合を折り返した。

 しかし後半は前半以上に城西大が攻撃を仕掛け、慶大は防戦一方に。それでも最後までゴールを死守した慶大が0-1で勝利し、城西大の3部リーグ降格が決定した。試合終了後には3位・順天堂大学が引き分けに終わり、その瞬間に慶大の1部リーグ昇格も決定した。慶大は来季、4年ぶりに1部リーグを戦うこととなった。



 夏の中断期間にはチームの得点源のひとりであった塩貝健人がNECナイメヘン(オランダ)に移籍。チーム力の低下も囁かれたが、中町監督は「プロを経験した自分からしたら、彼のことを考えて早いタイミングで送り出すというのは想定内」ときっぱり。「彼は確かに特別な選手ではあったが、彼に依存するようなチームにはしていないし、塩貝がいないことで逆に選手たちに責任感をもたせることができた」という。

 慶大の4年生は入学時に1部ながら2部に降格し、2年時には3部に降格。昨年2部に昇格し、最後に1部昇格を成し遂げる、稀有な4年間を経験してきた。中町監督は「彼らにはこの成功体験とともに卒業してっていってほしい」と呟くが、そのためにも残り2試合で2部リーグ優勝の経験も積み重ねたいところだ。




神奈川大学 3(1-2)3 法政大学 @神奈川大学中山キャンパストラック内フィールド

 6位・法政大学と7位・神奈川大学の試合は激しいゴールの奪い合いとなった。勝てば1部昇格圏内が近づく法大は立ち上がりから積極的に攻撃を仕掛け、28分にスローインからチャンスを作ると中村翼が一気呵成に左サイドを突破。ペナルティーエリアにカットインすると、そのまま左足を振り抜いて先制点を決める。さらに法大はその1分後、中盤で神大からボールを奪うと松村晃助が浮き球のパスを前線に配球。前に出てきたGKをかわし、小湊絆がバウンドしたボールを頭で押し込むが、ボールはポストを直撃。しかし跳ね返りを小湊が左足で再度蹴り込んで追加点を挙げる。わずかな時間で2点のリードを奪った法大だが、その直後に神大・小林洸をボックス内で倒してペナルティーキックを献上。33分、藤田仁朗がこれをゴール右隅に沈めて神大が1点を返し、1-2で前半は終了する。

 神大は後半の頭から前田柊を投入。58分には安木颯汰、宗次柊磨をピッチに送り出すなど早めの選手交代で試合の流れを変えようとする。だが、次にスコアを動かしたのは法大だった。65分、法大は揖斐俊斗のフリーキックがゴール前でバウンドしたところを薬師田澪が押し込んで3点目。再びリードを2点とし、神大を突き放した。しかし2部リーグ残留を確実にしたい神大も粘り強く法大ゴールを狙う。神大は71分に渡邉陽路、74分に伯野航太と立て続けに投入するとこれが奏功。78分、交代したばかりの伯野は左サイドでボールをキープすると、一気に前線まで突破しペナルティーエリアにカットイン。そのまま巻いたシュートをファーサイドに突き刺して1点差に迫る。神大はさらにアディショナルタイムに突入した90+2分、ペナルティーエリア近くからの前田快のロングスローを安木颯汰が頭で合わせて3点目。土壇場で神大が同点に追いつき、試合は3-3で終了。ともに勝点1を分け合った。

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