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【結果・レポート】JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦・1部第15節

2025/10/09


 『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』1部リーグ第15節は10月7日(火)に全6試合が行われた。

 3連戦の2戦目、平日開催の第15節は、混戦の続く下位グループに大きな変動が見られた。
 まず、前節に首位を奪還した筑波大学は、11位の慶應義塾大学に0-3で完勝。その筑波大を勝点1差で追う2位の国士舘大学も、6位の東京国際大学を1-3で下し上位2チームの状況は変わりなし。だが3位の日本体育大学は最下位の東海大学に0-1で敗れる波乱。勝点2差の4位・明治大学が、8位の中央大学に勝利したことで、3位と4位の順位が入れ替わった。しかし、3位の明大と2位の国士大の間は3ゲーム・9ポイント差。大きな差がついており、ここからの巻き返しは相当厳しい。実質、優勝争いは筑波大、国士大の2チームに絞られたといっていいだろう。
 一方、勝点1差刻みの8位以下は今節の結果で大きく順位が入れ替わった。最下位の東海大は日体大に勝利し9位にジャンプアップ。また10位の桐蔭横浜大学も、7位の東洋大学に0-2で勝利して8位に浮上。ともに降格圏から脱した。代わりに降格圏に後退したのは、4位・明治大学に1-2で敗れた8位・中央大学。東海おと同勝点ながら得失点差で下回り、10位に順位を落とした。また9位の流通経済大学は、5位・日本大学に0-1で敗れ自動降格圏の11位に後退。最下位には、首位・筑波大に敗れた慶大が転落することとなった。
 とはいえ、9位から12位は勝点2差内とその差はわずか。一方で、6位・東国大、7位・東洋大、8位・桐蔭大も降格圏内とは1ゲーム差と油断は禁物だ。



 中2日の連戦ということもあり、メンバーの半数近くを入れ替えて試合に臨んだ首位・筑波大学。11位・慶應義塾大学とのアウェーでの対戦は、立ち上がりから筑波大が主導権を握るもののなかなか決定機を活かしきれない。ようやくスコアが動いたのはハーフタイムが近づいた42分。筑波大は中盤からサイドチェンジのロングパスを放つと、これを池谷銀姿郎がゴール前にクロス。池田春汰が落としたボールを清水大翔が蹴り込んで筑波大が先制点を挙げる。対する慶大の対応も早く、前半のアディショナルタイムには三浦成貴を投入してサイドからの攻撃力を強化すると、59分にも小野翔大をピッチに送り出す。一方の筑波大も59分に主将・山崎太新と山下景司を同時投入。その2分後には矢田龍之介と、前節のスタメンを入れて攻撃の活性化を図る。すると62分、ペナルティーエリアに侵入した小松悠太がマイナスに入れたパスを、清水が左足で合わせてシュート。これはGKに防がれるものの、こぼれ球を交代したばかりの山下景司が蹴り込んで筑波大が追加点を挙げる。筑波大は終了間際の90分にも「今の筑波大の中で、ひとりで突破できるのは彼しかいない」と小井土正亮監督が絶対的な信頼を寄せる山崎が、得意のドリブルからシュートを放ち3点目。「口で言うよりプレーで見せるタイプ」(同監督)という主将の一撃で筑波大が試合を決定づけて0-3でフィニッシュ。4連勝の筑波大が首位を堅持した。一方、敗れた慶大は12位の東海大学が勝利したこともあり再び最下位に沈むこととなった。

 2位の国士舘大学は6位の東京国際大学とアウェーで対戦。前節は退場者を出してスコアレスドローに終わり、筑波大学に首位を明け渡す結果となった国士大。その影響もあってか、試合序盤は低調な滑り出しに。「立ち上がりは東京国際大学さんのほうが勢いよくプレスをかけてきて、どちらかといえば東国大さんのほうに流れがあった」(国士大・前田隆司監督)。しかし20分、国士大は臼井春翔の右コーナーキックを工藤珠凜が押し込んで先制する。このゴールを機に流れを引き寄せ始めた国士大だったが、東国大も30分、佐藤柊椰の左コーナーキックを濵﨑聡馬が頭で合わせて同点弾。両チーム、セットプレーからの得点でスコアを1-1とし前半を終了した。しかし、後半に入ると国士大が主導権を握り東国大にゴールに迫り始める。65分、国士大はスピーディーなパスワークで東国大の守備を崩すと、皆川春輝が右から入れた鋭いクロスを田中祉同が右足ダイレクトで突き刺して追加点。再び勝ち越すと、交代出場の村上竜規、須藤太一らが積極的に攻撃を仕掛ける。防戦一方となった東国大に対し、国士大は終了間際の90分にも得点ランキングトップ・本間凜がダメ押しの3点目。「まずは東川(続・昨年の最多得点者《国士大→BGタンピネス・ローバースFC/タイ》)さんの12ゴールに追いつくことが目標」という本間が、目標に達する12ゴール目を挙げて試合終了。国士大が1-3で快勝し、首位・筑波大に勝点1差でピタリと追随する。国士大・前田隆司監督は「第13節の桐蔭横浜大学戦も、ずっと1-0のままだったが終盤に畳みかけるようにして勝った。大澤英雄(元)監督が健在の頃から"終盤で差をつけられる力を"と言われてきたので、今日の試合内容は大澤先生も喜ばれると思う」と、春先に亡くなったサッカー部の大恩人の言葉を噛みしめた。そのうえで「前期も、今のように勝って負けてを繰り返したあとに8連勝となったので、今日の試合からまた8連勝を狙いたい」と、首位・筑波大を射程圏内に置きながらの巻き返しを誓った。




 上位2チームとの差が開きつつある3位・日本体育大学と4位・明治大学は明暗が分かれる結果となった。

 前節の直接対決に勝利し3位に復帰した日本体育大学だが、今節は思わぬ伏兵に苦戦。最下位・東海大学をホームに迎えての一戦は、早い時間帯にスコアが動いた。16分、東海大は右コーナーキックからボールをつないでチャンスを作ると、磐田内定・松橋啓太が左サイドからペナルティーエリアにカットイン。右足を振り抜いてゴール右上にシュートを突き刺した。ビハインドを負った日体大は、ハーフタイムに198センチの長身FW、赤井ウェズリー景太を投入。66分には松原海斗と中島慧のふたりをピッチに送り出して巻き返しを図るが、最後まで東海大のゴールを揺らすことはできず。先制点を守り切った東海大が試合巧者ぶりを見せつけて0-1で勝利。勝点3を積み上げた結果、12位から9位に大きく躍進。降格圏からの脱出に成功した。一方の日体大は再び4位に後退。首位グループとの勝点差が10以上に開いた。



 前節で4位に後退した明治大学は、アウェーで8位の中央大学と対戦。前半は中大が積極的に攻撃を仕掛ける一方、明大は前半終了間際の44分に柏内定のボランチ、主将の島野怜が自ら×印を出して負傷交代するアクシデントも。しかし、先制点を挙げたのは明大だった。後半序盤の53分、明大は島野の代わりに入った稲垣篤志がスルーパスを送ると、これに高足善が反応。左サイドを一気に駆け上がると、そのままペナルティーエリアに侵入し、右足を振り抜いてシュート。さらにその6分後、明大は藤森颯太の右コーナーキックを稲垣が頭で合わせて追加点。交代出場の稲垣が2点に絡む活躍で、明大が0-2とリードを広げる。中大は2失点直後、尾川丈と中野裕唯のふたりを同時に投入。ラインを上げて明大ゴールに迫るが、明大も落ち着いてこれに対応。ゴールをこじ開けることができない。それでも78分、中大は途中出場の横山俊介が中盤でボールを奪って持ち上がると、豪快なミドルシュートを突き刺して1点を返す。だが、その後は明大がきっちりと中大の攻撃を抑え、1-2で試合終了。勝点1差の3位・日本体育大学が敗れたため、勝利した明大は再び3位に。一方、中大は2連敗となり降格圏内となる10位に後退した。



 夏の全国大会・総理大臣杯で初優勝も、リーグ戦最下位後は白星のない7位・東洋大学。降格圏に沈む10位・桐蔭横浜大学との対戦は、後半にスコアが動いた。東洋大は特別指定選手として富山の試合に出ていた湯之前匡央が復帰。対する桐蔭大も特別指定選手として横浜F・Mの試合に出ていた、2年生の関富貫太がスタメンに名を連ねた。しかし、前半はどちらもシュートチャンスに乏しい展開となり無得点のまま後半へ。東洋大は前半終了間際に鍋島暖歩が負傷交代するアクシデントもあり、ハーフタイムには得点力のあるルーキー・香取武を入れて攻撃のギアを上げる。だが先手を取ったのは桐蔭大だった。57分、桐蔭大は中盤で細かくパスをつなぐと、永井大士が左サイドにボールを展開。梁俊虎がゴール前に入れたクロスを櫻井勇斗が頭で合わせて先制点を挙げる。一方の東洋大は66分に湯之前と村上力己を下げ、依田悠希と鄭志錫を投入。天皇杯でもゴールを挙げているふたりを下げるという大胆采配で巻き返しを狙うが、香取、鄭の積極的な攻撃もゴールには至らず。逆に終了間際の89分、桐蔭大・永井の放ったシュートはGKに弾かれるものの、こぼれ球を途中出場の田村陸人が押し込んでダメ押しの2点目。桐蔭大が0-2で勝利して8位に浮上。降格圏を脱するとともに、7位の東洋大と同勝点に。6位・東京国際大学も勝点1差に捉えた。



 こちらも後半再開後は白星のない9位・流通経済大学は5位の日本大学をホームに迎えて対戦。降格圏との勝点差も近づき、そろそろ勝点3が欲しい流経大。前半は、そんな流経大が積極的に日大ゴールを攻めたてる展開となった。だが、どうしても日大のゴールを割れずスコアレスで前半は終了。すると、前半は防戦一方だった日大が反撃に出る。後半序盤の58分、日大はカウンターを仕掛けてチャンスを作ると、長谷川皓哉がゴール前に入れたクロスを流経大GKがブロック。そのこぼれ球を野澤勇飛が頭で押し込み日大が先制点を挙げる。日大はその後も、浦和内定・植木颯らがチャンスを作り優勢に試合を進める。対する流経大は選手交代で試合の流れを変えようとするが叶わず0-1で試合終了。日大が勝利し、4位との差を3ポイントに縮めた。敗れた流経大は、ついに自動降格圏内の11位に転落。9位・10位とは勝点1差とはいえ厳しい状況に追い詰められた。




 次節は10月11日(土)に5試合、12日(日)に1試合が行われる。3連戦の最終戦となる第16節。筑波大学は3連勝で首位固めとなるのか、はたまた2位・国士舘大学が再び首位を奪還するのか。大混戦となった残留争いにも要注目。中2日の3連戦、最後の1試合はチームとしての底力が試される。


※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。


1部リーグ第15節 全結果・順位表


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