『JR東日本カップ2025 第99回関東大学サッカーリーグ戦』3部リーグ第16節は、10月11日(土)に3試合、12日(日)に3試合が行われた。
上位5チームが僅差で優勝争いをしてきた3部リーグだが、この3連戦で少しずつ上下の差が開いてきた。首位・明治学院大学は激しいゴールの奪い合いの末、10位・中央学院大学を4-5で制して3連勝。首位の座を守った。2位の城西大学も11位・東京学芸大学を0-1で下して首位を勝点2差で追う。一方で、2位と同勝点の3位の専修大学は5位の共栄大学に2-3で逆転負けを喫し、4位・青山学院大学も6位・亜細亜大学に1-1で引き分けた。この結果、専大は順位変わらず3位を維持するも、2位・城西大とは勝点3差に。さらに4位には5位から浮上の共栄大が同勝点で並び、青学大は4位から5位に後退した。
中位グループでは、7位・作新学院大学がペナルティーキックで得た1点を守り切り、最下位の国際武道大学にウノゼロ勝利。勝点1差の6位・亜大が青学大に引き分け、また同勝点の8位・立教大学も9位の東京経済大学と引き分けに終わったため、作新大が順位をひとつ上げて6位に。勝点1差で7位・亜大、8位立教大と続く。下位グループでは10位・中院大、11位・東学大、12位・国武大の3チームがそろって敗れ、降格圏外の9位とは1ゲーム差以上に開く形となった。
次節、第17節は10月18日(土)に3試合、19日(日)に3試合が行われる。残るリーグ戦は6試合とそろそろ終わりが見えてくる時期だ。上位2チームがこのまま抜け出すのか、それとも3位以下が巻き返すのか。各チームの奮戦に期待したい。
3部リーグ第16節 全結果・順位表
マッチレポート
首位・明治学院大学と降格圏に沈む10位・中央学院大学の試合は激しいゴールの奪い合いとなった。先手を取ったのはアウェーの明学大。15分、寺村啓志の左サイドからの高速クロスに村井創哉が合わせて先制すると、27分にもペナルティーエリア内でパスを受けた村井が、ドリブルで相手をかわして追加点。明学大が2点をリードするが、中院大もその2分後の29分、玉置侑が奪ったボールを右サイドに展開。これを受けた中山葵がペナルティーエリアに切れ込み、左足を振り抜いて1点を返す。さらにその2分後、中院大はスローインからボールをキープした稲葉悠がゴール前にロングパス。これを小澤天之祐が頭で合わせて2-2に。中院大が連続ゴールで試合を振り出しに戻した。だが両チームのゴールラッシュはまだまだ終わらない。4分後の35分、今度は明学大が大竹駿のゴールで再び勝ち越すと、中院大も42分に上野光永がペナルティーエリア内から鋭いシュートを突き刺して再び同点に追いつく。両チームあわせて30分間で6ゴール。怒濤の展開で、3-3で試合を折り返した。降格圏脱出のためにも負けられない中院大は、ハーフタイムに土田純平を投入して攻撃のギアを上げるが、後半も先にスコアを動かしたのは明学大だった。51分、渡辺創太がペナルティーエリアのすぐ外から放ったミドルシュートは、相手に当たりGKの頭上を越えてゴールネットを揺らす。みたび勝ち越し点を挙げた明学大は、68分にも青木壮太が右から入れたクロスを村井がボレーで叩き込む。村井のハットトリック達成となる5点目決めた明学大が3-5と中院大を突き放した。対する中院大も終了間際の88分、途中出場のルーキー・横山聡のゴールで1点を返すが反撃はここまで。試合は4-5で明学大が勝利。激しい接戦を制した明学大が3連勝で首位の座を堅持した。
激しいゴールの奪い合いとなった首位・明治学院大学の試合とは対称的に、2位・城西大学と11位・東京学芸大学の試合は1点を争うタイトなゲーム展開となった。試合は立ち上がりからアウェーの城西大が攻め込むも、残留のためにはこれ以上負けられない東学大もなかなか得点を許さない。ようやくスコアが動いたのは39分。城西大は関野碧海がハーフウェーライン付近でボールを奪い田口聖にパス。さらに田口からのスルーパスを受けた関野がドリブルで一気にペナルティーエリア内へ。そのまま右足シュートを流し込んで先制点を挙げる。畳みかけたい城西大だったが、東学大の堅固な守りを崩しきれず0-1のままタイムアップ。ウノゼロ勝利の城西大が首位を勝点2で追随する。
3位・専修大学は勝点3差の5位・共栄大学と対戦。首位グループに近づきたい両チームの試合は、ゴールを奪っては奪い返すシーソーゲームとなった。先手を取ったのは、立ち上がりから主導権を握っていたホームの専大。20分、専大はフリーキックのこぼれ球に反応した道白優斗がGKに倒されてペナルティーキックを獲得。これを道白自身が冷静に沈めて先制点を挙げる。対する共栄大は36分、佐藤優心に代えて斉藤巧志を投入。すると42分、中盤でクリアボールを拾った斉藤が豪快なミドルシュートを突き刺して同点に追いつく。一方の専大も、ハーフタイムに志村ぼんを投入。後半開始直後の50分、この志村のグラウンダーのパスが雨で伸び左サイドの佐藤漣の元へ。カットインしてゴール前に上げたクロスを寺島サフィールマイサラが頭で合わせるもGKがこれをブロック。だがこぼれ球を道白が押し込んでゴール。道白のこのし合い2点目となるゴールで専大が再び勝ち越す。その後は専大が勢いを増し共栄大ゴールに迫るが、共栄大も少しずつボールを奪って流れを引き寄せ始める。63分には、馬場翔太が専大DFに猛然とプレスをかけてボールを奪取。そのままドリブルで前線まで駆け上がると、ペナルティーエリアすぐ外からミドルシュートを決めて再び試合を振り出しにもどした。共栄大はさらに71分、最終ライン・唐尼陽斗からのロングパスに馬場が反応。右サイドをオーバーラップした山崎颯大にすかさずボールを送ると、山崎はゴール前にグラウンダーのクロスを入れる。これを安倍颯汰が豪快に蹴り込んで3点目。共栄大が逆転に成功する。試合はそのまま2-3で終了し、数少ないチャンスを確実に仕留めた共栄大が逆転勝利。順位をひとつ上げて4位になるとともに、3位の専大と同じ勝点27で並んだ。
前節、3位・専修大学との上位対決に敗れ5位に後退した・青山学院大学。勝点3差の6位・亜細亜大学との試合は、前半に亜大が絶好のチャンスを掴む。30分、亜大は本橋雅人がペナルティーエリア内で倒されてペナルティーキックを獲得。だが、キッカー小池莉玖のシュートは青学大GK・沼田晃季が弾きゴールならず。前半を無得点で終えた両チームは、早めの選手交代で膠着状態となった試合の均衡を崩そうとする。55分には青学大が高橋悠と落合乃安を、亜大は58分に山下翔輝を投入。すると67分、途中出場の高橋がドリブルで左サイドからペナルティーエリアへと切れ込み、エンドラインギリギリでマイナスのパス。これを森夲空斗が左足で合わせて青学大が先制点を上げる。だがその4分後の71分、亜大は大石翔希の右からのクロスを1分前に交代したばかりのルーキー・藤川空が左足で冷静にトラップ。そのままボレーシュートをゴール左隅に決めて同点に追いつく。試合は振り出しに戻ったが、その後はどちらも決めきれず1-1のまま終了。ともに勝点1を積み上げたが、共栄大学、作新学院大学が勝利したため、それぞれ順位をひとつ下げる結果となった。
8位・立教大学はアウェーで勝点3差の9位・東京経済大学と対戦。試合は早い時間帯に動いた。11分、立教大は右サイドから攻撃を仕掛けてシュートを放つがこれは東経大GKがブロック。弾かれたボールを岡本聡吾が拾い宮崎慎にパス。宮崎が左から上げたクロスを本木紀慶が頭で合わせて立教大が先制点を挙げる。対する東経大は32分に小尾丞斗が負傷交代するアクシデントもあり、なかなか決定機を作れないまま。後半も立教大が試合を優位に進めるものの、両チーム決定機に欠きスコアは動かない。東経大が61分に新井悠河を投入すると、立教大も64分に櫻井秀斗をピッチに送り出す。立教大はこの櫻井がたびたびゴールに迫るがあと一歩届かず。逆に終盤の81分、東経大はフリーキックからのこぼれ球を大沢惇貴がキープ。ゴール前に入れたロングパスを途中出場の新井がトラップして振り向きざまのシュート。これが決まり、東経大が同点に追いつく。立教大もすぐ様反撃に出るが、ゴールを割ることはできず1-1で試合終了。両チーム順位かわらず、勝点1を積み上げた。
11位との差は8ポイント。関東リーグ残留のためにはもう負けられない最下位の国際武道大学。7位・作新学院大学をホームに迎えての対戦はしかし、序盤から作新大に主導権を握られる展開に。30分過ぎにはハンドの判定で作新大にペナルティーキックを献上。作新大は32分、これを得点ランキング2位の井出蓮が沈めて作新大が先制する。なかなか決定機を作れない国武大は60分過ぎから次々とフレッシュな選手をピッチに送り出すが、試合の流れを変えるまでは至らない。結局、作新大が前半に挙げた1点を守り切って0-1でフィニッシュ。勝利した作新大は順位をひとつ上げて6位に。5位・青山学院大学との差を2ポイントに詰めた。一方、これで4連敗となった国武大。10位・11位も敗れたため勝点差は広がらなかったものの、厳しい状況は相変わらず続いている。
※表示スコアはホーム対アウェーのスコアで表示。