2021年関東大学サッカーリーグ戦1部参入プレーオフ

拓殖大学(1部10位)

東京学芸大学(2部3位)

1部参入プレーオフ 見どころ


 18年ぶりの入れ替え戦(1部参入プレーオフ)は、25年前の入れ替え戦の再戦となった。

 25年前は、堅固な守備を誇る東京学芸大学が、拓殖大学の攻撃をしのぎきりセットプレーから決勝点を決めて関東リーグに残留した。だが今の両チーム、特に東学大は「当時のチームとはまったく違う」と拓大・玉井朗監督は語る。

 玉井監督は東学大の印象を「タレント性が高い。個々の力は我々より上」と評価。特に中盤から前線にかけての4年生の連携を警戒し、7番・住田将、10番・鈴木魁人、11番・河田稜太を注意すべき選手として挙げている。一方、東学大の星貴洋監督も拓大の攻撃陣をマーク。チーム内得点王の9番・山中麗央、フィジカルも強く前線で存在感を増す10番・田中幸大に加え、最終節で先制点を挙げた2年生の16番・浅倉廉、後期に急成長を見せた28番・日野翔太らの名前を挙げている。

 拓大は伝統的に選手個々の技術が高く、軽快でスピード感あふれるパスワークで相手のゴールをこじあけるチーム。1部リーグでもその攻撃的な姿勢を貫いてきた。ただ、これまではどうしても技術のある選手が多いチームにありがちな不安定さが、マイナスに働くことも多かった。11年前、2勝しか挙げられずに1部リーグを去ったことも、そのことと無関係ではないだろう。

 しかし、2度目の1部リーグ挑戦となった今季は「最後までがんばれるチームになった」と玉井監督。その言葉どおり、後期は2度の連勝をあげるなど最後まで粘り強くリーグ戦を戦い抜いた。またフィジカル面での強化や、サイドバックからの素早いクロスを攻撃に展開するなど、これまでにない強みも見せている。ただ“上手いだけ”のチームではない力強さ、柔軟さを身に着けて1部参入プレーオフに臨む。

 一方、東学大もキーとなるのはその攻撃力だ。拓大・玉井監督が警戒するように、ボランチの7番・住田から配給されるパスに、速さが武器の10番・鈴木、そして11番・河田がどう絡むか。全体的にはスピード感のある攻撃を展開する東学大だが、5番・武沢一翔らフィジカルに強い選手も多く拓大とのマッチアップは迫力あるものとなるだろう。また、最終節では6番・荒川滉貴が復帰。昨季の中心選手ながら、今季は大怪我によりベンチ外に。しかし最後の最後にピッチに戻ってきたことで、チームの精神的な後押しともなるだろう。



 ともに攻撃に特徴のあるチーム同士の対戦。25年前は、攻撃の拓大に対し守りの東学大という構図となったが、この1部参入プレーオフではともに攻撃を前面に出した試合展開となるだろう。拓大・玉井監督は「10番・田中とは違うタイプで裏への走り、タイミングに独特なものがある」という11番・加賀美右京をこの試合のキーマンに挙げ、東学大・星監督も「スケールの大きな選手になってほしい」との期待もこめて9番・後藤健太の名を挙げた。

 チャンスはただ一度。拓大が25年前の雪辱をはたし、初の2年連続1部リーグを決めるのか。それとも東学大が10年ぶりの1部リーグ昇格となるのか。昇格の重い扉を開けるのは、はたして……。

拓殖大学 対 東京学芸大学
リーグ戦対戦データ

前期 後期
2021年度 対戦なし
2020年度 対戦なし
2019年度 1-1 拓大2-1
2018年度 東学大2-1 1-1
2017年度 1-1 0-0
2016年度 拓大2-1 拓大3-0
2015年度 東学大3-0 2-2
2014年度 東学大2-1 1-1
2013年度 東学大2-1 1-1
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