2021年関東大学サッカーリーグ戦2部参入プレーオフ

立教大学(2部10位)

城西大学(関東大会3位)

今季の歩み
立教大学(2部リーグ10位)

 41年ぶりの関東大学サッカーリーグ昇格から4シーズンが経った今季は、立教大学にとって節目の年となった。

 昇格初年度の2018年度は5位という好成績を収めたが、その後の最終順位は3年連続で10位と厳しい状況に。熾烈な残留争いを経験し続けてきた立教大は、背水の陣で今季を迎えた。

 開幕戦で、昨季は勝利の無かった関東学院大学に逆転勝利を収め、上々の滑り出しを見せた立教大だったが、今季初の有観客試合となった第2節では、昨季関東1部リーグ所属の中央大学に敗戦。その後は勝ちきれない試合が続き、8位でリーグ戦を折り返した。

 3勝4分4敗という成績、なかでも「4分」という数字が物語るように勝ちきれない試合の続いた前期リーグ。0-3で敗れた第4節の東洋大学戦をのぞき、すべて敗戦は1点差で、大敗をしている印象は少ない。それにも関わらず勝ちきれないのは、圧倒的な得点力不足が挙げられる。昨季は7得点の9番・宮倉樹里杏も前期は2得点に留まるなど、チーム全体として厳しい課題を突きつけられた。

 得点力不足の課題を修正しきれないまま迎えた後期リーグは、延期のため後期3戦目となる第15節の神奈川大学戦の勝利以来、5試合連続で未勝利に。順位は7位~9位をキープし、自動降格圏には一度も沈まなかったものの、接戦となった今季は降格圏内と常に隣り合わせの状況。立教大は苦しい戦いを強いられることになった。

 そんな立教大にとってターニングポイントとなったのが、第21節の日本大学戦だ。2部参入プレーオフ圏内を争う相手との絶対に負けられない試合は、幾度となくチームを救ってきたエースストライカーの9番・宮倉が累積警告により欠場。そのため、1、2年を中心としたフレッシュなメンバーで試合に臨むこととなった。すると、前半のうちから積極的なボール奪取で2点を挙げ、後半早々にも1点を追加。3-0という、これまでにない大量リードを奪い取った。試合終盤には、こちらも負けられない日大に2点を許すなど厳しい追い上げにあうが、なんとか凌ぎきって3-2で試合狩猟。終わってみれば、5試合ぶりの得点を挙げると同時に、今季初となる3得点での勝利。となった。続く最終節の専修大学戦ではウノゼロで勝利し、2連勝で終えた今季リーグの最終順位は10位。延期日程を残す産業能率大学が勝利したため、降格の可能性を完全に排することはできなかったが、都県リーグへの自動降格を免れ、「2部参入プレーオフ」での戦いに残留を懸けることとなった。

 今季2部リーグ全体を通して、立教大の総失点「20」という数字は1部リーグへ自動昇格をはたした優勝・東京国際大学、2位・東洋大に次いで3番目に少ない数字。その数字が表すように、立教大学の強みは堅い守備だ。しかし裏を返せば、強固な守備陣をもってしても10位に甘んじるなど、攻撃力に課題があったことは明白だ。実際、総得点の「14」は最下位の神大に次いで少ない数となっている。課題の得点力を改善し、関東リーグ所属チームの意地を見せられるか。立教大の真価が問われる。

立教大学 リーグ戦結果と順位の変遷

開催日 対戦相手 スコア 順位
1 4月4日 関東学院大 2◯1 3位
2 4月10日 中央大 1●3 8位
3 4月24日 専修大 1△1 7位
4 4月27日 東洋大 0●3 10位
5 5月1日 日本体育大 0△0 9位
7 5月30日 産業能率大 1◯0 7位
8 6月6日 東京学芸大 0△0 8位
9 6月12日 日本大 0△0 8位
6 6月16日 東海大 1●2 9位
10 6月20日 神奈川大 1◯0 7位
11 6月27日 東京国際大 1●2 8位
12 7月31日 東海大 1△1 8位
13 8月8日 日本体育大 0●1 8位
15 9月12日 神奈川大 1◯0 8位
14 9月15日 東京国際大 0△0 7位
16 9月19日 中央大 0●2 8位
17 9月26日 東京学芸大 0●1 9位
18 10月3日 東洋大 0△0 8位
19 10月10日 産業能率大 0△0 8位
20 10月16日 関東学院大 0●1 9位
21 10月24日 日本大 3◯2 9位
22 10月30日 専修大 1◯0 10位
※延期日程があるため、節順ではなく開催日順に結果・順位を表示しています。

JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ最終順位


今季の歩み
城西大学(関東大会3位)

 埼玉県リーグでは、71得点という圧倒的な得点力で優勝を果たした城西大学だが、関東各都県リーグの優勝チームの集まる関東大会では、拮抗した内容の試合を戦うことになった。

 参加6大学が、総当たりのリーグ戦を戦う関東大会。初戦の作新学院大学戦はともに攻めあぐねる試合展開となったが、後半に数少ないチャンスを掴んだ13番・森高玲が貴重な先制点。これが決勝点となり、城西大は初戦を白星で飾った。続く第2戦の神奈川工科大学では、前半だけで12本のシュートを浴びせかけ、相手からの被シュート数を0に抑える圧倒的な展開となった。8番・庄司景翔のゴールを皮切りに、25番・川口朔弥、そしてコーナーキックから再び8番・庄司、そして前半終了間際に7番・浅賀が連続ゴール。4-0で快勝し、連勝を収めた。

 この関東大会でひとつのターニングポイントとなったのが、第3戦の青山学院大学戦だ。昨年まで関東リーグに所属した技巧派チームを相手に苦戦を強いられた城西大だったが、35分にコーナーキックから8番・庄司が2試合連続となるゴールで先制。だが、前半のアディショナルタイムに関東2部得点王も経験している、青学大のエース・大竹将吾にゴールを許して1-1に。その後は両チーム一歩もひかず、試合は勝点1を分け合う結果となった。

 大会の半分を終え、城西大の戦績は2勝1分で負けなし。明治学院大学が全勝で首位ではあるが、城西大も2位の自動昇格圏内をキープしていた。第4戦となる中央学院大学戦でも前半に相手のシュートを0に抑えると、31分に7番・浅賀が先制点。終了間際の90分にも20番・小河原龍太が追加点を挙げ、2-0で3勝目を挙げた。

 最終戦の相手は全勝で首位の明学大。そのうえ、1ゲーム差で3位の青学大が追う展開となっていた。青学大は神工大戦で9-1と大勝を収め、得失点差では優位。城西大はこの最終戦で引き分け以上の結果を残さなければ、自動昇格圏に残れない状況だった。

 前半は明学大がチャンスを作り、15分に先制。城西大は前半シュート0に抑えられるなど、厳しい展開となった。後半に入ると、すでに昇格を決めている明学大に対し城西大も攻撃を仕掛けるが、最後までゴールを割ることができず0-1のまま敗戦。一方、青学大が1-0で勝利したため、最後の最後で2位と3位が入れ替わる結果となった。

 関東大会、最初で最後となる黒星で自動昇格を逃し、2部参入プレーオフに回ることとなった城西大。城西大・東海林毅監督は、選手たちの落胆を「否定はしない」と言うが、「今では貴重な試合を戦えるとポジティブに捉えている」。何より首位・明学大と同位となる失点数「2」、そして明学大のシュート数をわずか「5」に抑えた守備力の高さは、参入プレーオフでも大きな武器となるだろう。僅差を戦い抜くチームの強さを、参入プレーオフで見せつけたい。

2021年度 第54回関東大学サッカー大会 星取表

明学大 青学大 城西大 作新大 中院大 神工大 勝点 得点 失点 得失
1 明治学院大学 2◯1 1◯0 3◯0 3◯1 4◯0 15 5 0 0 13 2 11
2 青山学院大学 1●2 1△1 1◯0 1◯0 9◯1 10 3 1 1 13 4 9
3 城西大学 0●1 1△1 1◯0 2◯0 4◯0 10 3 1 1 8 2 6
4 作新学院大学 0●3 0●1 0●1 1◯0 12◯0 6 2 0 3 13 5 8
5 中央学院大学 1●3 0●1 0●2 0●1 6◯0 3 1 0 4 7 7 0
6 神奈川工科大学 0●4 1●9 0●4 0●12 0●6 0 0 0 5 1 35 -34

【2021年度 第54回埼玉県大学サッカーリーグ戦 星取表】


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