今季の歩み
立教大学(2部リーグ10位)
41年ぶりの関東大学サッカーリーグ昇格から4シーズンが経った今季は、立教大学にとって節目の年となった。
昇格初年度の2018年度は5位という好成績を収めたが、その後の最終順位は3年連続で10位と厳しい状況に。熾烈な残留争いを経験し続けてきた立教大は、背水の陣で今季を迎えた。
開幕戦で、昨季は勝利の無かった関東学院大学に逆転勝利を収め、上々の滑り出しを見せた立教大だったが、今季初の有観客試合となった第2節では、昨季関東1部リーグ所属の中央大学に敗戦。その後は勝ちきれない試合が続き、8位でリーグ戦を折り返した。
3勝4分4敗という成績、なかでも「4分」という数字が物語るように勝ちきれない試合の続いた前期リーグ。0-3で敗れた第4節の東洋大学戦をのぞき、すべて敗戦は1点差で、大敗をしている印象は少ない。それにも関わらず勝ちきれないのは、圧倒的な得点力不足が挙げられる。昨季は7得点の9番・宮倉樹里杏も前期は2得点に留まるなど、チーム全体として厳しい課題を突きつけられた。
得点力不足の課題を修正しきれないまま迎えた後期リーグは、延期のため後期3戦目となる第15節の神奈川大学戦の勝利以来、5試合連続で未勝利に。順位は7位~9位をキープし、自動降格圏には一度も沈まなかったものの、接戦となった今季は降格圏内と常に隣り合わせの状況。立教大は苦しい戦いを強いられることになった。
そんな立教大にとってターニングポイントとなったのが、第21節の日本大学戦だ。2部参入プレーオフ圏内を争う相手との絶対に負けられない試合は、幾度となくチームを救ってきたエースストライカーの9番・宮倉が累積警告により欠場。そのため、1、2年を中心としたフレッシュなメンバーで試合に臨むこととなった。すると、前半のうちから積極的なボール奪取で2点を挙げ、後半早々にも1点を追加。3-0という、これまでにない大量リードを奪い取った。試合終盤には、こちらも負けられない日大に2点を許すなど厳しい追い上げにあうが、なんとか凌ぎきって3-2で試合狩猟。終わってみれば、5試合ぶりの得点を挙げると同時に、今季初となる3得点での勝利。となった。続く最終節の専修大学戦ではウノゼロで勝利し、2連勝で終えた今季リーグの最終順位は10位。延期日程を残す産業能率大学が勝利したため、降格の可能性を完全に排することはできなかったが、都県リーグへの自動降格を免れ、「2部参入プレーオフ」での戦いに残留を懸けることとなった。
今季2部リーグ全体を通して、立教大の総失点「20」という数字は1部リーグへ自動昇格をはたした優勝・東京国際大学、2位・東洋大に次いで3番目に少ない数字。その数字が表すように、立教大学の強みは堅い守備だ。しかし裏を返せば、強固な守備陣をもってしても10位に甘んじるなど、攻撃力に課題があったことは明白だ。実際、総得点の「14」は最下位の神大に次いで少ない数となっている。課題の得点力を改善し、関東リーグ所属チームの意地を見せられるか。立教大の真価が問われる。
立教大学 リーグ戦結果と順位の変遷
節
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開催日
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対戦相手
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スコア
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順位
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1
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4月4日
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関東学院大
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2◯1
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3位
|
2
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4月10日
|
中央大
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1●3
|
8位
|
3
|
4月24日
|
専修大
|
1△1
|
7位
|
4
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4月27日
|
東洋大
|
0●3
|
10位
|
5
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5月1日
|
日本体育大
|
0△0
|
9位
|
7
|
5月30日
|
産業能率大
|
1◯0
|
7位
|
8
|
6月6日
|
東京学芸大
|
0△0
|
8位
|
9
|
6月12日
|
日本大
|
0△0
|
8位
|
6
|
6月16日
|
東海大
|
1●2
|
9位
|
10
|
6月20日
|
神奈川大
|
1◯0
|
7位
|
11
|
6月27日
|
東京国際大
|
1●2
|
8位
|
12
|
7月31日
|
東海大
|
1△1
|
8位
|
13
|
8月8日
|
日本体育大
|
0●1
|
8位
|
15
|
9月12日
|
神奈川大
|
1◯0
|
8位
|
14
|
9月15日
|
東京国際大
|
0△0
|
7位
|
16
|
9月19日
|
中央大
|
0●2
|
8位
|
17
|
9月26日
|
東京学芸大
|
0●1
|
9位
|
18
|
10月3日
|
東洋大
|
0△0
|
8位
|
19
|
10月10日
|
産業能率大
|
0△0
|
8位
|
20
|
10月16日
|
関東学院大
|
0●1
|
9位
|
21
|
10月24日
|
日本大
|
3◯2
|
9位
|
22
|
10月30日
|
専修大
|
1◯0
|
10位
|
※延期日程があるため、節順ではなく開催日順に結果・順位を表示しています。
JR東日本カップ2021 第95回関東大学サッカーリーグ戦 2部リーグ最終順位
今季の歩み
城西大学(関東大会3位)
埼玉県リーグでは、71得点という圧倒的な得点力で優勝を果たした城西大学だが、関東各都県リーグの優勝チームの集まる関東大会では、拮抗した内容の試合を戦うことになった。
参加6大学が、総当たりのリーグ戦を戦う関東大会。初戦の作新学院大学戦はともに攻めあぐねる試合展開となったが、後半に数少ないチャンスを掴んだ13番・森高玲が貴重な先制点。これが決勝点となり、城西大は初戦を白星で飾った。続く第2戦の神奈川工科大学では、前半だけで12本のシュートを浴びせかけ、相手からの被シュート数を0に抑える圧倒的な展開となった。8番・庄司景翔のゴールを皮切りに、25番・川口朔弥、そしてコーナーキックから再び8番・庄司、そして前半終了間際に7番・浅賀が連続ゴール。4-0で快勝し、連勝を収めた。
この関東大会でひとつのターニングポイントとなったのが、第3戦の青山学院大学戦だ。昨年まで関東リーグに所属した技巧派チームを相手に苦戦を強いられた城西大だったが、35分にコーナーキックから8番・庄司が2試合連続となるゴールで先制。だが、前半のアディショナルタイムに関東2部得点王も経験している、青学大のエース・大竹将吾にゴールを許して1-1に。その後は両チーム一歩もひかず、試合は勝点1を分け合う結果となった。
大会の半分を終え、城西大の戦績は2勝1分で負けなし。明治学院大学が全勝で首位ではあるが、城西大も2位の自動昇格圏内をキープしていた。第4戦となる中央学院大学戦でも前半に相手のシュートを0に抑えると、31分に7番・浅賀が先制点。終了間際の90分にも20番・小河原龍太が追加点を挙げ、2-0で3勝目を挙げた。
最終戦の相手は全勝で首位の明学大。そのうえ、1ゲーム差で3位の青学大が追う展開となっていた。青学大は神工大戦で9-1と大勝を収め、得失点差では優位。城西大はこの最終戦で引き分け以上の結果を残さなければ、自動昇格圏に残れない状況だった。
前半は明学大がチャンスを作り、15分に先制。城西大は前半シュート0に抑えられるなど、厳しい展開となった。後半に入ると、すでに昇格を決めている明学大に対し城西大も攻撃を仕掛けるが、最後までゴールを割ることができず0-1のまま敗戦。一方、青学大が1-0で勝利したため、最後の最後で2位と3位が入れ替わる結果となった。
関東大会、最初で最後となる黒星で自動昇格を逃し、2部参入プレーオフに回ることとなった城西大。城西大・東海林毅監督は、選手たちの落胆を「否定はしない」と言うが、「今では貴重な試合を戦えるとポジティブに捉えている」。何より首位・明学大と同位となる失点数「2」、そして明学大のシュート数をわずか「5」に抑えた守備力の高さは、参入プレーオフでも大きな武器となるだろう。僅差を戦い抜くチームの強さを、参入プレーオフで見せつけたい。